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男の日曜日66

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:粗大ゴミいつも、ジョウダンに、「亭主をゴミみたいに扱うな」と言ってきた。女房のやつ、休みの日にテレビを見ようと思って、ド
(单词翻译:双击或拖选)
粗大ゴミ

いつも、ジョウダンに、
「亭主をゴミみたいに扱うな」
と言ってきた。女房のやつ、休みの日にテレビを見ようと思って、ドッカリ腰をおろすと、なぜか掃除機をもってきて、
「ジャマジャマジャマッ」
と、追い払おうとするからだ。
もちろん、ジョウダンである。いくらなんでも、サラリーマンの細君で、テメエの亭主のことを、
「ゴミだ」
と思っている人は、いないだろう。
ところが、このあいだ、ある新聞を読んでいたら、評論家の樋口《ひぐち》恵子さんが、
〈人生八十年時代、働く以外に趣味も喜びもなく、自分の身の回りの始末できぬ定年後の夫たちを「粗大ゴミ」と呼ぶ老妻たちがすでにあらわれている〉
と書いているのにぶつかって、キモを潰《つぶ》した。まさに、
「ジョウダンじゃないッ!」
と叫びたいような心境である。
自分たちが、
「ゴミ扱いするな」
と言っているときはジョウダンで、女のひとに、
「粗大ゴミ」
と言われたとたんに、
「ジョウダンじゃないッ!」
と言うのは、どうやら手前勝手みたいな気がする。こんなこと、樋口さんに言おうものなら、
「あら、これもジョウダンよ」
と、一笑に付されるだろうが、この国の女性たちのなかには、ジョウダンがわからないひとがいるノダ。
まして、樋口さんみたいに、美人でアタマのいいひとに言われると、不美人でアタマのわるいひとたちまでが、
「そういえば、ウチの亭主は粗大ゴミそのものだなあ」
と思いはじめるから困る。この際、樋口さんに、
「あら、あれはジョウダンよ」
とハッキリ断ってもらいたいような気持ちだが、それこそ、そんなことを樋口さんに言おうものなら、
「いいえ、ジョウダンじゃありません」
と言われそうで、おちつかない。
それというのも、わたしたちがジョウダンを言うときには、そのなかにナニガシかの真実をこめているからで、ジョウダンがまるっきりジョウダンである場合は、面白くもナンともない。だから、わたしが、いつもジョウダンに、
「亭主をゴミみたいに扱うな」
と言っているのは、すでにその兆しがみえているからで、それにもかかわらず、
「まさか、ホントウに亭主のことを粗大ゴミ扱いするような細君がいるとは、それも、わりにトシとった細君がいるとは、思わなかった」
というのが、真相なのである。
正直な話、亭主たちは、この国の経済の高度成長を支えるために、シャニムニ働いてきた。その余恵(?)を蒙《こうむ》って、世の細君たちは、カルチャー・センターだかボランティアだか知らないが、かなりのユトリをもって、文化活動やら地域活動やらに専念することができた。
挙句に、亭主が定年を迎えたときには、細君のほうはイヤがうえにも若く、
「亭主のほうは、スカスカになっていた」
というんでは、あんまりではないか。この際、亭主たちも、メッタヤタラに働くだけではなく、もう少し遊んだらいかがなものだろうか?
その結果、細君のほうが、
「それじゃ、お給料が減って、ロクに文化活動も、地域活動もできないワ」
ということであれば、それもまた、やむをえない。細君に働きに出てもらい、そのぶん、亭主が家事も含めて、文化活動なり、地域活動なりに励めばいいのである。
なにも、
「家事を任せたから」
といって、文化活動やら地域活動やらの楽しみを、細君だけに奪われてしまうことはない。亭主も、細君と一緒に、あるいは、細君には内緒で、文化活動やら地域活動やらに精出せば、いいではないか。
言っちゃナンだが、シャニムニ働いて、ナニガシかのカネを残したところで、ナンになろう? そんなものは、亭主を「粗大ゴミ」扱いしている細君にテキトウにもっていかれて、
「あとは、ポイ」
というふうに相成ることは、目に見えている。粗大ゴミ候補諸君、自衛せよ! いまなら、まだ間に合う。
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