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ネコの住所録06

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:オスは喧嘩し、メスは私は大学一年のとき、学校近くの神社に出没していた、あやしげなネズミ売りのおじさんから、ハツカネズミの
(单词翻译:双击或拖选)
オスは喧嘩し、メスは……

私は大学一年のとき、学校近くの神社に出没していた、あやしげなネズミ売りのおじさんから、ハツカネズミのつがいを百六十円で買ったことがある。ところが次々に子供を生み続け、あっという間に二十四匹の大所帯になった。
「すべての責任は買ってきた人にあるんだから、家族計画はあんたがするように」
と母親にいい渡されてしまったので、私は一匹一匹ネズミの尻尾を持ってつまみ上げ、股間をのぞきこんで、オスとメスをリス用の飼育カゴに分けた。そしてそのふたつの大きな飼育カゴは、ただでさえ狭い私の部屋にでんと置かれ、毎日ハツカネズミの観察を余儀なくされてしまったのである。
オスはいちばん最初に、カゴのなかに付いている、中に入ってくるくる回す車に興味を示したが、いったいどういうふうにしていいのかわからないらしく、遠巻きにして眺めたり、ふんふんと匂いを嗅《か》いだりしていた。どうするのかと見ていたら、なかに一匹、やる気のあるネズミAが後ろ足で立ち上がり、前足で車をむんずと掴《つか》んだ。そして静かに揺すっているうちに、
「これは動かすものだ」
というのがわかってきたらしいのだ。ここでぱっと車に飛び移って、くるくる回し始めたら拍手|喝采《かつさい》なのだが、やはりハツカネズミの小さな脳味噌ではそううまくはいかなかった。まず天井まで伝っていって、車の上にぽんと飛び下りたものだから、いっきに車は半回転して、Aは下に叩き付けられた。あらららとあわててのぞきこむと、
「キュー」
と小さく鳴いてうずくまっていた。幸い怪我はなかったが、その日一日、彼は車に触ろうとしなかったのである。
ところが次の日、Aは再度チャレンジした。車の外側にぶらさがるより、中に入ったほうがよいということはわかったようで、最初から車の中に入り込みはしたものの、何もせずにただ車の匂いを嗅ぐことしかしない。
「ほら、走ればくるくる回るんだよ」
といっても、私の顔を見上げてぼーっとしているだけ。
そこへやってきたのが今まで彼の行動を見ていたネズミBである。BはAを車の中に入れたまま、昨日Aがしたように前足で車を揺すった。それでAははたと気がついたのか、そろそろと車の中で歩き始めた。自分が歩くと車が回る。やっとこれに気がついた彼は、目をぱっちりと見開いてものすごい勢いで走り始めた。車もそれに応じてぶんぶんと音を立てて回りだした。
「やったあ」
といいたげに、Aは必死になって車を回している。それを見て騒いだのは他のネズミたちである。
「Aが面白そうなことをやっている」
と、わーっと集まってきて、みんなで車の中のAの毛や足を掴んで、引き摺《ず》り下ろそうとする。しばらくAはふんばって抵抗していたが、根負けしたのか他のネズミと代わった。彼らはすぐくるくると回すことができた。Aがやっているのを見て、
「ああすればいいのだ」
ということがわかったのだろう。いちばん最初に興味を持って、下に叩き付けられたAは気の毒だったが、多少の犠牲を払ってひとつずつ賢くなっていくのは、新しいものに出くわした人間社会と同じような気がして、なかなか面白い光景だった。
一方、メスのほうは、車にはそれほど興味を示さなかった。のろのろと車を回しはするがすぐ飽きてしまい、落ちているエサを拾い食いするほうに情熱を傾けていた。それならばと割り箸《ばし》とか輪ゴムとか、おもちゃになりそうな物を入れてやったりしたが、やはり食欲のほうが勝っていた。エサをたらふく食べて、寝ているか毛づくろいをしているかどちらかで、とにかく食っちゃ寝、食っちゃ寝なのである。あるとき、
「いつもいつもぐうたらして、他にやることはないのかね」
といいながらカゴの中をのぞいてびっくりした。メスのなかでいちばん図体の大きいのが、いちばん小柄なのに対して、腰をつかんで背後からのしかかり、交尾をしようとしているではないか。
「やめなさい」
私は思わず手を突っ込んで、二匹を引き離した。
「あんたたち、家族じゃないの」
図体の大きいのに説教しても、彼女はそっぽをむいて耳の後ろを掻いたりしている。やられたほうは、カゴの隅っこで、
「今のはいったい何だったのかしら」
という雰囲気でぽーっとしていた。浅香唯が和田アキ子に、突然、背後から羽交締めにされたようなものだから、相当なショックだったのに違いない。毎日食っちゃ寝の生活をして、暇を持て余すとメス同士、それも自分の姉妹とまぐわおうとする自堕落な生活は、いくらネズミとはいえちょっと問題であった。
私がいちばん不思議だったのは、図体の大きなメスがどうしてオスがするべき行為を知っていたのかということである。間違えてメスのカゴにオスを入れてしまったわけではないし、唯一考えられるのは、親がしているのを盗み見ていたということだけである。しかしメスに対してむらむらしてしまうメスというのは、動物界に於いては相当変だと思う。同じ状況でもオスのほうは喧嘩はするけれど、まぐわおうとはしなかった。それなのにメスのほうは喧嘩はしないがまぐわおうとする。まるでこれでは「大奥マル秘物語」の淫乱《いんらん》なお局様と純真なお女中みたいな世界ではないか。
「あのネズミは外見的にはメスだったが、中身はオスだったのだろうか」
「メス同士が一緒にいると、何かのはずみでメスがオスの本能を持つようになってしまうのだろうか」
いろいろ考えてみたが結論はでない。私の疑問に明快な回答をしてくれる本はないかしらと捜したことがあったが、「ネズミのレズビアンに関する研究」などをしている人などいるわけがなく、十七年後の今も、未だにこの件は謎のままなのである。
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