日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

ネコの住所録20

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:名前の由来「猫めくり」というカレンダーがある。飼い猫、のら猫を問わず、猫の写真を募集し、厳選された写真が日めくりになって
(单词翻译:双击或拖选)
名前の由来

「猫めくり」というカレンダーがある。飼い猫、のら猫を問わず、猫の写真を募集し、厳選された写真が日めくりになっている、なかなか楽しいものである。NHKの平野次郎氏が、飼い猫の写真を「猫めくり」に応募して採用されたときのことを、本当にうれしそうにエッセイに書いていたのを読んで、親近感を覚えたこともあった。日めくりの最後には、登場した猫たちの名前が掲載されているのだが、それを眺めていると、
「この名の由来はいったい何だろう」
と知りたくなるものが多々ある。
「ミー子」「ブチ」などはごくごく一般的である。凝った名前では洋風の場合、「セシジータ」「チェレスタ」「イーリス」「エクタクローム」。なんとなく高貴な顔をしているような気がする。和風の場合は「お茶丸」「亀之介」「夢吉」「とめ吉」。きりっとした短毛の和猫にふさわしい名前である。なかには飼い主の名字とは全く関係なく、「猫田うず子」「猫田もへじ」「笹原桃太郎」といった、飼い主とは違う猫専用の名字までつけてもらっているものもいる。飼い主は勝手に名前をつける。ふつうの名前ならまだしも、妙にひねった名前をつけられ、死ぬまでその名で呼ばれる動物たちは、いったいどういう気分だろうと思うこともある。
私が今までいちばんビックリした名前は、「ガス人間第一号」である。場所はどこだったか忘れたが、ブチの雑種の犬が繋がれていた犬小屋に、
「『ガス人間第一号』のおうち」
とマジックで黒々と書いてあった。きっとあのブチは長ったらしい名前を省略されて、
「ガス、ガス」
と呼ばれているのに違いない。
冬場、うちに迷いこんできた猫は、カゼをひいて鼻水を垂らしていた。そこで私は、
「『鼻水垂之進』にしよう」
と提案したのだが、家族の猛反対にあって却下され、「チビ」という無難な名前になってしまった。
「どうして鼻水垂之進じゃいけないの」
と反撃したのだが、母親の、
「あんただって、そんな名前つけられたら嫌でしょ」
というわけのわからない理論でまるめこまれてしまったのである。それから他の人は動物にどういう名前をつけているのか、気になるようになってしまったのだ。
ポチ、タマなど、名前を見ただけでどんな動物かがわかってしまう、古典的な名前もあるが、人間の名前をつけているのも割合に多い。テレビで見た動物園のツキノワグマはアケミちゃんといった。生まれた子供をかわいがる優しいお母さんであった。やんちゃな子象はナツコちゃんといった。彼女たちのしぐさをみていると、アケミもナツコも違和感がない。というよりも、人間の名前をつけることで、ますます身近に感じられるくらいだった。
母親の友だちにも、猫に「茂」「栄子」と名前をつけている人がいた。かれこれ二十年も前のことである。子供がいないために、この二匹は実の子供のように育てられ、
「茂ちゃん、栄子ちゃん、ごはんよ」
と声をかけると、奥からのんびりと猫が登場し、座卓の前に置かれた座布団の上に、きちんとお座りをする。初めてその姿を見た人は唖然《あぜん》とするのである。表札にも名前が書いてあるので、よく小学生用の図鑑を扱うセールスマンがやってきた。
「どうぞ、お宅のお子さんに」
と勧める相手に対して、彼女は、
「うちの子は学校にいってないんですよ」
といって猫を指さすと、相手は、
「はあ……」
と首をかしげながら、みんな後退りして帰っていったという。当時はまだ犬、猫に人間の名前をつけるというのは、それほど普及していなかったので、近所からもその夫婦は変わり者と思われていたそうである。
私の友だちの家の猫は「タンちゃん」というシンプルでかわいい名前なのだが、この名前は深い意味がある。タンちゃんはそば屋さんの前に捨てられていたのを、帰宅途中のお父さんに発見され、家に連れてこられた。
「これはお父さんが拾ってきた猫だから、自分で名前をつける」
お父さんがそういってきかないので、友だちもお母さんもそれに従った。スリムなきれいなメスだったので、お父さんは「ジュリエット」と命名した。お母さんに、
「あーら、意外にロマンチストなのね」
などといわれて照れながらも、お父さんはジュリエットをかわいがっていたのである。
ところがひと月ほどたったある日、友だちが何気なくジュリエットの後ろ姿を見ていたら、股間にくっついているものがある。不思議に思ってもう一度、よーく確認した結果、ジュリエットは実はオスだったということが判明したのであった。
「いったい、どうするの」
友だちは、お父さんを問い詰めた。すると彼は、
「お前がどっちかわからないようものを、持っているからいかん」
とジュリエットに文句をいい始めた。そしてしばらくぶつぶついっていたかと思ったら、突然、きっぱりといい切った。
「よし。おまえは短小だから『タンちゃん』」
「………」
この命名に関して、友だちはあっけにとられて全く口を挟めなかった。その場にいなかったお母さんに、
「どうしてタンちゃんなの」
と無邪気にたずねられても、友だちは、
「さあ。かわいい名前だから、別にいいじゃない」
とごまかすしかなかった。ここで真実をうちあけたら、またひと悶着《もんちやく》起こるのは、目に見えていたからである。それからその猫は、名前の由来を知る人にも知らない人にも、「タンちゃん」と呼ばれてかわいがられている。しかし名前の由来を知っている私は、友だちの家にいくと、確認のため、ついつい「タンちゃん」の股間に目がいってしまう自分を、押さえることができないのである。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%