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ネコの住所録24

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:犬道的配慮私は動物が好きだが、たまに、「この野郎!」と、どなりつけたくなることがある。動物というのは、賢いようでちょっと
(单词翻译:双击或拖选)
犬道的配慮

私は動物が好きだが、たまに、
「この野郎!」
と、どなりつけたくなることがある。動物というのは、賢いようでちょっと間抜けなところがかわいい。人間みたいにあくどくないところが、いいのである。ところが先日、そのあくどい犬に出会ってしまった。出会ったといっても、私は姿を見たわけではない。声だけだったのだが、私は今までに動物に対してこんなに腹を立てたことがないくらい、怒りがこみ上げてきたのである。
夜七時ごろ、私はアパートに帰るため、近所の住宅地を歩いていた。たまたまいつも通る道が工事中だったので、少し遠回りをすることになった。車一台がやっと通れるくらいの狭い道路を歩いていると、小さな空き地の隣に木造の家があった。そしてその前を通ったとたん、
「ワワワワワン!」
とすさまじい犬の吠える声がした。またこの声が大きいのなんの。私は思わず、
「どひゃー」
と叫んで、まるで赤塚不二夫の漫画みたいに、地面から六十センチくらい、飛び上がってしまったのである。
「ガルルルル」
犬の荒い息づかいが聞こえる。
「ウー」
といつまでも唸っている。あまりに大きな声だったので、私の耳はじんじんしてきた。
犬の唸り声を聞きながら、私は、
「犬の風上にもおけない奴だ」
と怒ってしまったのである。
今までも犬に吠えられたことはある。飼い主に忠実な犬は、不審な人には必ず吠えるものである。それは仕方がない。そういう犬の場合、不審な人物の気配を感じると、まず、
「ウー」
と小さく唸る。
「もしもうちに来たら、吠えたるで」
といっているのではないかと思う。だからこちらも、どんな暗闇でも、
「犬がいるんだな」
とわかる。吠えられても心づもりができるのである。しかしあの犬は違った。近づいても、
「ウー」
のウの字もいわない。鼻息すら聞こえない。犬小屋があるのならまだしも、その家はブロック塀の中に、にわとり小屋らしきものをはめこみ、そこで犬を飼っている。ブロック塀の間に緑色のフェンスがあるな、とは思ったのだが、まさかそこに犬まではめこまれているとは気がつかなかったのである。そんな場所で、突然、すさまじい声で、犬に吠えかかられたら、誰だって私みたいに、反射的に飛び上がってしまうだろう。ちびりそうになるというのはまさにこのことであった。
このやり口は、闇夜の辻斬りと同じではないか。
「もっと近づいたら、吠えるぞ」
という、人間に対する犬道的配慮が欠けている。
「こいつは知らない奴だ」
と思ったとたんに、カーッときてしまったのだろうか。高血圧の犬だったのかもしれないが、番犬としては最高でも、あんなふうではひとりの泥棒をつかまえるまでに、千人の人間をびびらせてしまう。
「あんな人間をだますような性格じゃ、誰にもかわいがってもらえんぞ」
私はあまりのショックで、腰をがくがくさせながらアパートに帰った。
翌日、いつも歩きなれている道を歩いていたら、一匹の犬が門扉につながれて呆然としていた。その犬はたしか、門扉のある家の向かいの犬だ。ロープがほどけてちょっとお散歩してくるはずが、お向かいの門扉のでっぱりにロープがからみつき、そのままつながれてしまったらしいのである。家には人がいる気配がない。犬にはからまったロープをほどく知恵はないのか、困ったような顔をしながら、ふんふんとからまった部分の匂いをかいだりしているだけである。私はその犬にはいつも、
「こんちは」
と挨拶をしていた。ちょうど門の奥に犬小屋があり、いつもそこから顔を出していた。しかし引っ込み思案な性格なのか、こちらをじっと見るだけで、特に愛想をふりまくことはなかったのである。
「ま、それも仕方ないことだわさ」
と私は鷹揚《おうよう》にかまえていた。しかしいくら挨拶が一方通行だからといって、今回は黙って通り過ぎるわけにはいかない。飼い主が気がつくまで、この犬はこのままずっと門扉に、つながれたままになってしまうからだ。
私は、
「困ったねえ」
といいながら、犬に近寄った。犬は警戒するふうでもなく、じっとしている。しかしまだ尻尾はだらりと垂れたままである。私はかがんで門扉にからまったロープをはずした。犬は私の手元をのぞきこんでいる。
「はい、もう大丈夫だよ」
犬はずるずるとロープをひきずって、向かいの自分の家に帰っていった。
またその翌日、駅前に買い物に行くために、きのうと同じ道を歩いていた。だんだん門扉につながれてしまった犬の家が近づいてきた。門のところには犬が寝そべっていた。
「おお、元気か」
いつものように、声をかけた。すると今まで何の反応も示さなかった犬が、私の顔を見上げて、はたはたと尻尾を振るではないか。まるで、
「きのうはどうも」
といっているかのようであった。
「そうか。覚えておいてくれたか」
私は妙にうれしくなって、頬がゆるんでしまった。
「とってもいい奴だ」
と思った。それに較べて、あの闇夜の辻斬り犬の根性の悪いこと。性格のいいこの犬を連れていって、爪の垢《あか》でも煎じて飲ませてやろうかと思った私なのであった。
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