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ネコの住所録25

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:地震が来たら大地震が起こるといわれてずいぶんになるが、人間はもちろん、動物にとって地震はどういうものかと思うことがある。
(单词翻译:双击或拖选)
地震が来たら

大地震が起こるといわれてずいぶんになるが、人間はもちろん、動物にとって地震はどういうものかと思うことがある。たとえば大家さんの犬は、震度三程度の地震があると、必ず、
「ウオーン」
と小さな声で心細げに何度も鳴く。まるで、
「変だよう、こわいよお」
といっているかのようである。すると御近所の犬たちに次々とそれが伝染し、心細げな、「ウオーン」の大合唱になり、それは地震が収まるまで、延々と続く。足元が揺れていると、不審人物が現れると果敢に吠えかかる犬も、不安になるらしいのである。
うちで飼っていたインコのピーコは、地震が来ると大騒ぎをした。その前に飼っていた文鳥のチビは、地震が来る二、三秒前に鋭い声で鳴き、ばたばたと羽ばたいた。
「どうしたの」
と腰を上げたとたん、グラッときたのも一度や二度ではなかった。これが一週間前にこうだったら、地震予知能力がある文鳥として世の中のお役に立ったのに、二、三秒前というのが、ちょっと情けない。しかし二、三秒前でも地震を察知したチビは、うちでは、
「賢い奴」
という評価を受けていたのだ。
ところがピーコのほうは、地震が来るとカゴを抱えてもらうまで、ただただ、
「ピーコちゃん、ピーコちゃん」
と自分の名を連呼する。なまじことばを覚えたために、ものすごくうるさいのであった。こちらはガスの元栓を閉めたり、いろいろ点検することがあるから、
「はいはい、今、行くから」
といいながら、ついつい後回しになってしまう。するとピーコはしまいには、とっても情けない涙声になって、
「ピーコちゃん」
とつぶやいて止まり木の上でうつむいてしまうのだった。
「あー、また悲しくなっちゃった」
私たちはそのあと三十分以上かけて、ピーコちゃんの御機嫌をとらなければならなかったのである。
同居していた猫一家の総勢十三匹は、地震が来てもぼーっと絨毯《じゆうたん》の上に寝そべっていた。それは私たちが地震が来ても知らんふりをしているときで、震度四くらいのときに、
「ガスの火を点検しろ」
「風呂場はどうだ」
「ドアと窓を開けろ」
などと、大騒ぎをしていると、猫たちも焦るようになった。最初、彼らはばたばたしている私たちを、不思議そうな顔をして見上げている。ところが彼らも、
「何か、大変なことが起こったらしい」
と感じるのか、ニャーニャーと鳴きながら、私たちのあとを小走りについてくる。
「ほら、もたもたしてるとえらいことになるよ。家がつぶれたら、あんたたちもぺっちゃんこになるんだからね」
母親がそういうと、彼らは目をまんまるくして、さっきまで寝ていたところに集合する。そして、点検を終え、
「ずいぶん揺れるわねえ」
と、電灯を見上げている私たちの周囲を、十三匹がギャオギャオ鳴きながら、一団となってぐるぐる回り続けているのだった。
「大丈夫だから、鎮まれ、鎮まれ」
そういわないと、いつまでたっても興奮は覚めず、必死になって目を吊り上げている。いくらぼーっと寝ているといっても、飼い主があわてていると、飼われているほうも、不安がつのるようなのだ。
「私たちはどうなっちゃうのかしら」
という気持ちが、部屋の中をぐるぐる回る、不可解な行動にかりたてたのかもしれない。母親のほうはそんな猫一家を見ながら、
「何かことがあっても、あんたたちじゃ役に立たないわねえ」
とため息をついていた。猫がひとつ物が持てるとしたら、十三匹いるから十三個のものが持ち出せる。後ろ足で立って歩いてくれれば、口と前足とで一匹につき二個持てるわけである。日ごろから、
「あんたは食べ物、あんたは水」
などと持ち出し分担を決めておき、地震が起きたらさっとその物をくわえて、外に逃げるようにしつけておけば安心だった。
「雨が降ってきたことを教えるより、こっちのほうを重点的にやっとけばよかった」
と悔やんでいた。ただでさえ地震のときに逃げるのは大変なのに、私たちは地震が来ても、飼っている動物たちを連れて逃げるのが精一杯で、必要なものなど持ち出せないだろう。
「みっともないなあ」
弟もため息をついた。私たちの頭の中には、避難場所である小学校の体育館に到着した自分たちの姿が浮かんできた。周囲の人々は頭には頭巾をかぶり、背には乾パンや飲料水を入れたデイ・パックを背負っている。避難に必要なものが、準備万端、整っている。ところがうちは猫十三匹、ハツカネズミ二十四匹、モルモット、セキセイインコを連れての避難である。他の人たちは炊き出しのおむすびが来るまで、乾パンでしのげるけれど、私たちには何もない。食用にはならない猫やネズミやモルモットを抱いて、おむすびが来るまでひもじい思いをしなければならない。それより先に、彼らの餌をなんとかしなければならない。これではあまりにトホホではないか。
「大地震が来たらどうしよう」
私たちは飼っている動物たちを見ながら、怯えていたが、大地震は来ないまま、動物たちはあの世にいってしまった。今は自分たちだけが逃げればいいのだから、ずいぶん気が楽になった。母親は家の中に動物がいないとつまらないので、また飼いたいといっている。
「一匹飼ったら、またもう一匹。そうなったら最後、二匹以上はみな同じ」
ということになり、また大所帯になるのは目に見えている。大地震が来たら、避難の折りに私たちの想像どおりの展開になるに決まっているので、私と弟は、
「やめといたほうがいいんじゃない」
と必死に、ブレーキをかけているのである。
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