日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

ネコの住所録26

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:魔法をかける猫猫好きの人と話をすると、必ずといっていいほど、「以前は猫なんか嫌いだった」という。私もどちらかというと、嫌
(单词翻译:双击或拖选)
魔法をかける猫

猫好きの人と話をすると、必ずといっていいほど、
「以前は猫なんか嫌いだった」
という。私もどちらかというと、嫌いなほうだった。子供のころに小鳥を飼っていたので、縁側の鳥カゴを狙ってやってくる猫は、憎き敵だった。足音もたてず、突然に襲いかかって小さな鳥をくわえて逃げていく。猫の姿が庭の隅にあると、追い払ったことが何度もあった。猫はずる賢くて、どうしようもない動物だと思っていたのである。
ところが猫のほうは、もともと私たちが動物が好きだというのを見抜いていたのか、夕食時になると、勝手口にきちんとお座りして、餌をもらいにくるようになった。母親が怒って、
「このあいだ、チビをとっていったのは、あんたじゃないの。あんなことをする子には、御飯なんかあげない!」
と文句をいった。
「そうだ、そうだ」
みんなで知らんぷりをして御飯を食べていても、猫はじっとそのままの姿勢を崩さずに待っている。横目で様子をうかがうと、何となく、
「どうも、すいませんでした」
とあやまっているようにも見える。たらーっとした態度だったらば、
「意地でも御飯なんかやりたくない」
と思うのだが、まるで置き物のようにいつまでもきちんと座っていると、どうも具合が悪い。せっかく相手が反省しているのに、こちらが意地悪をしているような気になってくるのだ。
私たちは御飯を食べながら、頭のなかで勝手口に座っている猫の心理状態を、あれこれ探っていた。
「うちに来たら、怒られるのは決まっているのに、それなのにやってきた。よっぽどお腹がすいているのに違いない。チビが取られたのは悔しいが、この猫がひもじい思いをしているのも……」
ちらりと猫のほうを見ると、きちんと座ったままだった。
(かわいそうだなあ)
そう思ったら最後、私たちは自分のおかずを少しずつ供出して、猫にやらざるをえなくなった。そして結局は、
「これから御飯をあげるから、鳥はとっちゃだめ」
という約束が、双方でなされたのである。
御飯を猫がおいしそうに食べてくれると、どういうわけだか憎しみは、だんだん消えていった。
「自分がやったものを食べた」
というのは、とてもうれしいものなのだ。
「もしかしたら、猫っていい奴なのかもしれない」
このようにして、私は猫好きへと変わっていったのだった。
先日、友だちと、犬と猫とどっちがえらいかという話になった。ふたりとも猫のほうが好きだから、犬には気の毒だが、やはり猫のほうが立派という結論に達した。犬嫌いだった人が急に犬好きになったという話はあまり聞かない。しかし、猫嫌いが猫好きになったという話は山ほどある。猫は犬のように尻尾を振らないし、愛想がよくない。目つきはきついし、爪でひっかくし、鳴き声も不気味と猫嫌いの人はいう。
「何を考えているのか、わからない」
というのだ。
私も猫を飼う前は、同じことを考えていた。しかし飼ってみると、猫は想像以上にかわいらしい動物だった。飼い主には爪をたてることはないし、精一杯、愛想をふりまく。気ままだから、こちらが遊んでほしくても、「ふん」と無視されることもある。正直いって、「くそっ」と腹が立つことはあるけれど、それはそれで許せてしまうのだ。
猫を見慣れていると、犬は何だかとてもかわいそうになってくることがある。一所懸命に尻尾を振っているのを見ると、
「どうしてあんなに、人間にへいこらしなきゃならないんだろう」
と気の毒になる。たしかに泥棒が来ると吠えて追い払ったりする能力はあるが、頭の造りが「単純」という感は否めないのだ。
「それは違います」
ある人が「猫のほうがえらい説」に反論してきた。うちの犬は人間にへいこらしないというのである。その犬は二代目で、先代は犬の鑑《かがみ》というべき、立派な性格だったという。朝、出勤しようとすると、どんなに暑くても寒くても、雨の日も風の日も、さささっと小屋から走り出てきて、
「どうぞ、お気をつけて」
といいたげに、きちんとお座りをする。そして飼い主の姿が見えなくなるまで、じっと見送っていたという。まるで明治男のような犬だったのである。ところが二代目はその血を分けた息子だというのに、全然、似ていない。晴れている日は、いちおう挨拶には出てくる。しかし雨が降ったりすると、犬小屋にじっとうずくまっている。冬場など、餌を食べている姿以外、見たことがないというのである。
出勤の際、犬小屋にむかって、
「いってくるよ」
と声をかけてみたことがあった。しかし犬は出てこない。もう一度、
「いってくるよ」
といってみた。それでも出てこない。頭に来た彼が、犬小屋の前に仁王立ちになって、
「出かけるぞ」
と怒鳴ってみた。すると小屋のなかに丸まっていた犬が、鬱陶《うつとう》しそうに頭を上げ、そのままの姿勢で尻尾を、二、三回左右に振った。そして再び、寝てしまったというのである。
「犬だって、人間にへいこらしているばかりじゃありません」
犬好きの彼は、必死に犬の弁護をしているつもりだったようだ。しかしそんな犬を見て犬嫌いが犬好きになるだろうか。自分の都合しか頭のなかにないその犬も、なかなかいいキャラクターではあるが、嫌いを好きにかえてしまう、不思議なパワーがある猫のほうが、やっぱり私はえらいと思うのである。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%