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撫で肩ときどき怒り肩02

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:私の尻を救うのは ある日夕食後ボーッとテレビを観ていたらコマーシャルで、シェイプパンツという新製品を宣伝していた。カラフ
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私の尻を救うのは

 ある日夕食後ボーッとテレビを観ていたらコマーシャルで、シェイプパンツという新製品を宣伝していた。カラフルな色合いのカッコイイお尻がたくさん並ぶのを見て、私の目はそれに釘付けになった。目からウロコが落ちる思いがした。
「あれしか私の尻を救うものはない!」
と信じ、翌日すぐ買って帰った。
「ムフフフ、もうこれさえあれば百人力。私の体には二十歳の頃の尻がよみがえるのだ」
とほくそ笑んだ。早速着用した。期待に胸ふくらませて鏡の前に立った。当然そこにはコマーシャルのような桃の如《ごと》きカッコイイ尻が現われるはずであった。が、鏡の中にあるのは桃ではなく、やや盛り上がった平地だけである。
「おかしいわねえ。もっと上がるはずなんだけど」
はきかたが悪いのかと思い、ウエストの部分をぐいっと上に引き上げたら下からお尻の肉がはみ出てしまった。
「ああ、こりゃたいへんだ」
とあわてて下にずり下げたら今度は上からお腹の肉がボロッととび出してきた。
「うううっ……」
せっかく目から落ちたウロコがまた目に入ってしまった。腹の肉と尻の肉をおおっているシェイプパンツは、行き場もなくただそのやや盛り上がった平地を形成しているだけである。それ以上の効果は全く望めない。高い金払って買ったのに、ウソツキー、と叫びたい気がした。私はすぐ垂れ乳垂れ尻仲間のミホコちゃんに電話した。
「あたし、きょうシェイプパンツ買ってはいてみたんだけどさ……」
「あーら、私もよ」
「ねー、全然コマーシャルみたいな尻になんないよね」
と二人で合唱してしまったのだ! 二人でいろいろ理由を考えた結果、あのシェイプパンツをはいているモデルは、根本的にそれを必要としない体型なのだという結論に達したのである。
「ねえ、じゃあ私たちどうしたらいいのよ」
「そうねえ、もう何やっても無理なんじゃないの、尻吊りバンドが売り出される以外は」
「そうかあ、あれが天の助けになると思ったのにねえ」
「そうよねえ、でも世の中にうまい話はころがってないわよ」
「あーあ」
私たちの一縷《いちる》の望みは消えてしまった。
それから八年、今ではもう、
「垂れたいだけ垂れろ」
という開きなおり精神でしぶとく生きているのである。
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