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撫で肩ときどき怒り肩04

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:これで私の夢がかなう 当日、私はずっと校庭をウロウロしていた。用もないのにただ行ったり来たりしていた。午後四時、やっと生
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これで私の夢がかなう

 当日、私はずっと校庭をウロウロしていた。用もないのにただ行ったり来たりしていた。午後四時、やっと生徒会長がマイクで、
「これからフォークダンスをやります。皆さん校庭に集まって下さい」
といった。やはり待ちのぞんでいたとはいえ、目を血走らせてハアハアして男子生徒を待っているというのもどうかと思われたので、つかず離れずそれとなくポツポツ集まってくる人々を観察しながら様子をみていた。女の子はいわゆる十人並み程度の子が集まった。はっきりいって十人並み以上の子はいなかった。そういう子はわざわざフォークダンスの時じゃなくても、好きな時にボーイフレンドと手だけではなく足までも組めちゃうからであった。
悲惨だったのは男子学生のほうである。こっちは本当にひどかった。肩にフケをため、�顔ワルイ、頭ワルイ、性格ワルイ�故にモテないというどれか一つがよければいいのに、三悪|一揃《ひとそろ》いといったカンジの子ばっかり集まっちゃったのである。集まったメンバーをみて、
「こりゃ、こういう機会じゃないと女の子の手なんかさわれないわなあ」
とつぶやいた。私は全くやる気をなくした。こいつらと手をつなぐくらいならまだ自分の手を握っていたほうがマシだ。私は輪の中に入らず、校庭の隅につっ立ってじとーっと横目で彼らを眺めていた。ワラの中の七面鳥のブンチャカブンチャカという、のどかな曲にのって踊りの輪はグルグルと回りはじめた。みんなはそれなりにキャッキャと楽しそうにしていた。
「どうしようかなあ」
と思って迷っていると何とあのあこがれの中西君が、そのワラの中の七面鳥の輪の中へ入っていったのだ! 私は思わずみんなが踊っているところへかけより、中西君と踊れる可能性のあるポジションをすばやく判断し、
「ちょっと、入れて入れて」
とムリヤリ人数がハンパなのを承知で割りこんだ。中西君と私の距離は五人分ある。一人の男と手をつなぎたいがために、五人のあまり好きではない男の手を握ることもガマンしようと思ったのである。本当にその五人と踊っているのは単なる義務であった。
「ああ、はやく終わって次の人にならないかしら」
とそればかり思っていた。
「あと三人、あと二人」
と心の中でそればかり考えていた。とうとう私のすぐ後ろに中西君があらわれた。今手をつないでいる男をケッとばしてすぐ中西君をこっちにつれて来たい気がした。
「ああこれで私の夢がかなう」
踊っていた男の子と手が離れ、さあ本命の出番というときに、ジャジャジャン!! という区切りのいい音がして音楽は終わってしまったのである。
「えーっ」
とあまりのショックにうちひしがれている私の前を、中西君はフォークダンスで相手をした女の子と仲良く話をしながら通っていった。私は今でもフォークダンスが大嫌いだ。
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