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撫で肩ときどき怒り肩10

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:男の子は箱入りに、女の子は野放図に 幼いころから近所の子供たちのガキ大将だった私には何も恐いものがなかった。腕力では負け
(单词翻译:双击或拖选)
男の子は箱入りに、女の子は野放図に

 幼いころから近所の子供たちのガキ大将だった私には何も恐いものがなかった。腕力では負けなかったし、手下どもからクーデターが起きそうになるとそれをすばやくキャッチし、到来物のビスケットをあげたりして御機嫌うかがいをしたり、そのへんは誠に万事おこたりなくやっていたのである。ところがいくらお菓子で不平不満を鎮めようとしても彼らにもガマンの限界がある。私にはかなわないとわかっているので、今度は私の弟をターゲットとして攻撃しはじめたのであった。弟は私とは正反対のおっとり優しい性格で、母親がいうには我が家独自の、
「男の子は箱入りに、女の子は野放図に」
という教育方針があったそうで、めでたくそのとおりに私たちは育ってしまったのであった。
弟はよくいえば慎重、悪くいえばとてもトロかった。幼稚園の運動会でもヨーイ、ドン、とピストルが鳴ると、それから一呼吸してやっと走り出すのだった。そのうえマジメな性格が災いしてゴールしてからも、
「ボクはちゃんとピストルがなってから走ったのに、ナオミちゃんとオサムちゃんはピストルがなる前に走ったんだよお……」
といってオイオイと泣くのである。そういう弟の顔をグリグリとなでながら母親は、
「まったくこの子はマジメだからねぇ。男の子はこんなことで泣かないの! わかった? あんたはちゃんと走ったんだからいいの! どうして同じ姉弟なのに要領のいいのと悪いのとできちゃったのかしらねぇ」
といった。私は聞こえないフリをして空を眺めていた。
そういう要領の悪い弟だったから、私の手下どもにすぐ拉致《らち》され、ビニールの刀でパカパカ頭を叩かれたり、ナワトビの縄でしばられて近所をひきまわされたり、幼稚園のバッグをドブに捨てられたりした。彼らはいじめられたウップンをすべて弟に集中していたのだった。そういう弟の姿をみて、初めて、私の蛮行のせいでかわいい弟がいじめられていることを知ったのだ。えらいことになったとうろたえた。
「よし、これから私が弟をかばってやる」
私は正義感にめざめ、それからは毎日弟をつれて歩いた。家の中でどんなにいじめても外に一歩でたら、道路を歩く時は車が通らないほうを歩かせ、途中で雨が降ってきたら私の上っぱりを脱いで頭からかぶせてやった。そういう私の姿をみた近所のおばさんたちの間では、
「まあ、あのガキ大将の女の子もやっぱり弟はかわいがるのね」
とだんだん私の評判はよくなってきた。それから弟はいじめられなくなった。四六時中私というガードマンが横にピタッとくっついているから恐《こわ》くて手が出せないのだ。私たち姉弟に再び明るい日々が戻ってきた。母親も、
「ちょっと、この子床屋につれていってちょうだい」
などと自分の代わりをさせる始末だった。
私は弟をつれていろんな所へいかされたが床屋につれていくのが一番好きだった。そこへいくと自分の家にない本がたくさん置いてあるからだった。週刊誌も「明星」も「平凡」も映画雑誌もあった。弟がきれいに髪の毛を刈ってもらって、私のところに戻ってくると本当にガッカリした。もっと時間がかかればいいのにと思っていた。映画雑誌でみたキャロル・リンレイという女優さんは本当にきれいだった。マリリン・モンローはやらしい女の人だと思っていた。そして「平凡」や「明星」の後ろのほうにあるドクトルチエコ先生の悩みの相談ページも、よくわけがわからぬまま、
「何かいやらしいことが書いてあるらしい」
と一人で納得していた。子供が目の色を変えてそういった類いの雑誌を読んでいるのをみて、床屋のおじさんは、
「お嬢ちゃん、本好きなの?」
ときいた。私は、
「うん。私は弟のつきそいだから本読んで待ってるの」
と理路整然とした回答をした。おじさんは、
「そ、そう、えらいねぇ」
といいながらバリカン片手に鏡の前に座っている弟のところにいってしまった。月に一回床屋にいくたんびに新しい号が並べられていたのでそれを読み続けていくうちに、あいまいでしかなかったドクトルチエコ先生の相談室の内容も、だんだん理解できるようになってきた。床屋で仕入れた知識を翌日学校で披露し、ひとりで得意になっていたが、それをきいた子供が親にたずねたためその事実が発覚し、私は親たちのひんしゅくをかったこともあった。
私はうなじにシッカロールを真白にはたかれ、粉っぽいニオイをプンプンさせている弟と手をつないで帰るときが一番悲しく、
「はやく毛が伸びないもんだろうか」
と思っていた。
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