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撫で肩ときどき怒り肩48

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:人類の危機は救われた 試験科目も私の不得意なものばかりで、受験しても絶対に落ちるのは確実であった。どんなに看護婦さんにあ
(单词翻译:双击或拖选)
人類の危機は救われた

 試験科目も私の不得意なものばかりで、受験しても絶対に落ちるのは確実であった。どんなに看護婦さんにあこがれていても、自分の不得意なものを必死に勉強するのは嫌なこった、と思う性質《たち》なので、この時点ですぐ、看護婦さんになる夢はキッパリと断ったつもりであった。しかし正直いうと適性はともかく、性格的には物書きよりも看護婦さんにむいているはずだと秘かに思っている。
この話を弟にすると、
「白衣の天使にならなくて本当によかった。人類の危機が救われた」
などという。そういえば「愛染かつら」の高石かつ枝の昔から、看護婦さんは白衣の天使とよばれていた。
「清くて立派なお仕事」
というイメージがあった。ところがポルノ映画では制服の女の筆頭として登場したり、「ガープの世界」に至っては、看護婦さんが男の患者を襲って、自主的に子供を作ってしまうという大胆さである。どうも看護婦さんのイメージは、清いか大胆か両極端なようである。ふつうの年相応の女としての姿が、描かれているものがとても少ないのだ。そういう点においては、今、TBSで午後二時から再放送されている「ありがとう」はなかなか面白い。何年か前、まだ私が看護婦さんの夢を捨てきれないころ、毎週楽しみに観ていて、
「いいなあ」
とため息をついていた記憶がある。
何しろ出演者がすごい。水前寺清子、石坂浩二、児玉清、河内桃子、山岡久乃、乙羽信子、山本学、長山藍子など、よくもまあ連続ドラマでこれだけの人材を集めたものだ。それに放送されたのが、ミニスカート全盛時代だったこともあり、小鹿ミキや、水前寺清子の黄色いTシャツにピンクのミニスカート姿を観ることができるのも貴重である。女優さんが目にくっきりと太いアイラインを描いているのもすごい。
話としては、水前寺清子演じる看護婦と石坂浩二が演ずるところの医者とのラブ・ロマンスを中心として、それをとりまく人々の日常を描いたもので、特に心臓がドキドキすることも起こらない。とにかく悪人が誰一人として登場しない。設定が病院でありながら、重病人が出ない。ほとんど患者さんが亡くならない。看護婦さんというのは女ばかりの世界だから、もっとドロドロとした女同士の葛藤もあるはずなのに、ヤキモチ程度で誠にかわいらしい。嫉妬に燃えて、お茶にパラコートを混入するような、ふとどきな女など出てこないのである。夫婦の離婚問題が噴出しても、
「離れて住んでみてわかった女房のよさ」
と深く反省してヨリは戻るし、すべてが安心して観られるドラマなのである。
再放送を観ていると、「看護婦さんはもっと激務なはずだ。その点のつっこみが甘いのではないか」とか、「物わかりのいい人間が多すぎる」など、不満も出てくるが、奥様番組の「妊娠四カ月の嫁の腹を蹴る、鬼姑!」を観て、眉間《みけん》にタテジワが寄るよりは、精神衛生上よろしい。昼食後の腹ごなしにのんびり観るには、最適である。
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