青い空もミミズも石ころも地べたも知らない、キカイダーのような鶏が産んだタマゴなんて、気持ち悪くて食べたくもないが、実はそういうものを消費者が望んでいるので、農家のほうも不本意ながらそうせざるをえないのである。
実験では、鶏にいろいろな色のエサを食べさせて、黄身がどのように変化するかをやっていたが、赤いエサを食べさせると黄身は赤に、三原色のエサをまぜると真黒の黄身。一日ごとに色を変えたエサを与え、そのタマゴをゆでて二つに切ると、その断面は、昔駄菓子屋で売っていた、なめていると次々に色が変わる、かわり玉を割ったのと同じように、何層もの色の輪ができるという具合であった。
「おお、これは面白い」と観ていたのだが、だんだんこれは面白いと笑って観ていられなくなった。
タマゴというのは、ひよこちゃんの素《もと》だから、栄養分がすべてそこにつまっている。だから鶏が食べたエサが影響してくるわけだが、消費者は買ったタマゴの産みの親が、どんなものを食べているかまで考えないと、安心して食べられない。そのはずなのに、実際は黄色の濃いのがいい、といって人工的に色がつけられたタマゴを、ありがたがって買っていたわけなのであった。
色がきれいだとか見た目がいいという理由で、本来あるべき姿をどんどん変えてしまうのには非常に問題がある。一番恐ろしいのは、変えられたものをあたりまえと思ってしまう消費者のあり方だと考えさせられた。
実験では、鶏にいろいろな色のエサを食べさせて、黄身がどのように変化するかをやっていたが、赤いエサを食べさせると黄身は赤に、三原色のエサをまぜると真黒の黄身。一日ごとに色を変えたエサを与え、そのタマゴをゆでて二つに切ると、その断面は、昔駄菓子屋で売っていた、なめていると次々に色が変わる、かわり玉を割ったのと同じように、何層もの色の輪ができるという具合であった。
「おお、これは面白い」と観ていたのだが、だんだんこれは面白いと笑って観ていられなくなった。
タマゴというのは、ひよこちゃんの素《もと》だから、栄養分がすべてそこにつまっている。だから鶏が食べたエサが影響してくるわけだが、消費者は買ったタマゴの産みの親が、どんなものを食べているかまで考えないと、安心して食べられない。そのはずなのに、実際は黄色の濃いのがいい、といって人工的に色がつけられたタマゴを、ありがたがって買っていたわけなのであった。
色がきれいだとか見た目がいいという理由で、本来あるべき姿をどんどん変えてしまうのには非常に問題がある。一番恐ろしいのは、変えられたものをあたりまえと思ってしまう消費者のあり方だと考えさせられた。