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撫で肩ときどき怒り肩52

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:ああ、人体の不思議 キョンキョンの「なんてったってアイドル」や吉川晃司の「RAIN DANCEがきこえる」なんて何度聴い
(单词翻译:双击或拖选)
ああ、人体の不思議

 キョンキョンの「なんてったってアイドル」や吉川晃司の「RAIN DANCEがきこえる」なんて何度聴いても覚えられないのにである。昔のことはよく覚えていて最近のことを思い出せないのは老化現象の始まりらしいが、それが我が身にヒタヒタとしのび寄ってきているのにはゾッとした。
「僕は泣いちっち」は昭和三十四年、「霧の中の少女」は昭和三十七年のヒット曲だそうで、あっという間に二十年以上の月日が流れていたのである。疲れも知らずに元気に棒きれをふりまわして野原を走りまわっていた女ガキ大将の私が、今やシラガや腰痛に悩むようになったのがその証拠だが、出演していた歌手の顔にも年月は残酷にも襲いかかっていた。女性歌手の場合は二十年以上経っていても、どの方もそれなりに美しく、若い時よりも年をとってシワもある現在のほうが数段美人になった人が多かったように思う。問題は男性歌手である。歌うのをやめ、実業家に転身した人もかなりいた。それでも芸能関係の人は、それなりに過去の芸能人顔を多少なりとも維持しておられたが、芸能界とは関係ない仕事をしている人には、かつて彼らが発していた�芸能人オーラ�のようなものは全く感じられず、歌が上手で金まわりのよさそうなただのおじさんになってしまっていた。若いころのあのかわいい顔の、どこをどうやればあのようになってしまうのか。人体の不思議という言葉さえ浮かんできてしまった。
清潔そのものの紅顔の美少年安達明さんは、丸顔の人の良さそうな普通のおじさんに、「雨に咲く花」を歌われた井上ひろしさんは今年病で亡くなられた。かつてのアイドルのその後を目のあたりにして、痛々しさや、自分への寄る年波を感じてしまった、八五年の年末であった。
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