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撫で肩ときどき怒り肩55

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:サーカス芸をするパンダ ウェイウェイ君、何思う?サーカスというのは、観ていて楽しいものだが、いまひとつその中にのめりこめ
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サーカス芸をするパンダ ウェイウェイ君、何思う?

サーカスというのは、観ていて楽しいものだが、いまひとつその中にのめりこめない哀《かな》しさがある。私は子供のころ、よく「悪いことばっかりしてると、サーカスに売っちゃうからね」と叱られた。私は親に叱られても、絶対に泣かない子供だったが、「サーカスに売っちゃう」といわれると、心にグサッときた。ムチでビシビシ叩かれながら、玉のりをしなきゃならないのかと思うと涙が出そうになった。だから木下サーカスやキグレサーカスを観にいっても、「あのお兄さんやお姉さんたちも子供のころ、サーカスに売られてきて、大人になったんだろうなあ」とずーっと思っていた。トラやライオンが火の輪をくぐったり、台の上をピョンピョンとんだりしても、ムチのビシビシいう音がすると、動物がイヤイヤやっているのに「ちゃんとやらなきゃ、痛いよ!!」と無理強いしているようで哀しくなった。おまけにサーカスのテーマともいえる、「天然の美」のブンチャッチャ、ブンチャッチャというリズムが、これまた哀愁をおびていて、哀しさをあおりたてるのである。
一月二十七日夜九時から、日本テレビで放送されたTime21「涙と笑いのサーカス一座 上海雑技団」には、親に売られなかったにせよ、サーカスでウルトラCを観せるために寮に入って生活している子供たちの姿があった。上海雑技団というのは技にかけては、世界のトップクラスで、伝統的にうけつがれている曲芸を絶やさないように、七歳から十四歳の二十五人の子供たちに、立派なサーカス団の団員になるべく英才教育を施しているのである。
この学校に入るためには、ルックスもよく頭もよく、運動神経もよく社会に対する考え方もきちんとした子供でないと入学を許可してもらえないほど厳しい。頭も悪いし、顔も悪い、しかし運動だけは人並み以上にできる、という日本によくいるタイプの子供は、当然入学は許されないのである。どの子も賢く素直そうで、とってもかわいい。しかし、ひとたび練習となるとキリッと顔がひきしまってくる。昔からいわれているように、この子たちは酢ばっかり飲んでいるのではないか、と思うくらい体がぐんにゃり柔らかい。私が一番たまげたのは「頭での跳躍」だった。台の上に頭だけで倒立し、さかさまになったままポンポン跳躍するのである。首の筋肉だけを使う技で、これだけでも万国ビックリショーに出演できる。この子供の頭のテッペンは丸くハゲてコブができている。それでも毎日練習に耐える。別の子供は指が赤く腫《は》れてタラコのようになり、血がにじんでいる。それでも午前中は授業をうけ、午後は体をつかって練習をしなければならないのである。いくら好きだといっても、幼い子供たちが親元を離れて、文字どおり血のにじむ訓練をしているというのは、傍からみていると痛々しい感じがした。
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