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撫で肩ときどき怒り肩63

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:「わくわく動物ランド」ふんころがしの健気な姿私の実家では、この三十三年間、ずっと動物を飼い続けている。一時期インコ二羽、
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「わくわく動物ランド」ふんころがしの健気な姿

私の実家では、この三十三年間、ずっと動物を飼い続けている。一時期インコ二羽、十姉妹《じゆうしまつ》三羽、ネコ八匹、金魚五匹、ハツカネズミ二十四匹と人間三人が、団地サイズの3DKに、寝起きしていた事もある。当然面倒をみるのも分担制で、鳥類と魚類は弟、ネコは母、そして私はハツカネズミの担当になった。
そのハツカネズミ集団のルーツは縁日で赤いカゴに入れて売られていた、子供のつがいであった。ところが、まだ子供だ子供だ、と思っている間にこいつらはサッサと私の目を盗んで交尾してしまい、文字どおりネズミ算式に増えていって、あっという間に二十四匹の大所帯になってしまったのである。私はオス十二匹、メス十二匹に分けた、透明の大きな飼育ケースを部屋の中に置いて、期末試験の勉強をしていた。でも、白いフワフワした毛でおおわれた、目の赤いかわいいネズミがチョロチョロ動きまわっているのを見ていると、もう勉強どころではない。私はオスの大ちゃんという名前のネズミを机の上に乗っけて、もてあそぶことにした。レポート用紙に鉛筆でいたずら書きをしていると、大ちゃんが不思議そうな顔をして、じっと見ている。ネズミは目があまりよく見えないから、ふだんと違うニオイがするので、オヤッと思っていたのかもしれない。しばらくすると、鉛筆を握っている私の指のニオイをかぎ、おもむろに後ろ足で立ち上がり、ガバッと前足で鉛筆に抱きついて離れようとしない。
「だめだめ、そこにおとなしくしてるの!」と叱ってひき離そうとすると、あのちっこい手で「うるさい!」というふうに私の指を払いのける。私が大ちゃんとモメている気配を察知して、残りの二十三匹のネズミは全員後ろ足で立ち上がり、ピョンピョンはねながら「外に出たい」と訴えているのである。
「わかったよ! しょうがないねえ」。私はオス十一匹を部屋の中に逃がしてやった。オスメス一緒に逃がすと、ふとどきものが物陰ですぐまぐわってしまうので、それを避けるためである。あんなに出せ出せと騒いでいたのに、いざ外に出してもらうと、彼らはいちおう緊張して、ガマガエルみたいにベタッとじゅうたんの上にへばりついて、匍匐《ほふく》前進をする。しかし二、三分して何の危険もないとわかるや、とたんに元気がよくなり、タッタカタッタカ走りはじめる。いちいち一匹ずつ尻尾をつまんでケースの中に入れるのは面倒なので、飼育ケースのフタを開けて、厚紙でハシゴを作っておいてやると、そのうち自主的にケースの中に入ってくれるので、本当に楽だった。
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