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撫で肩ときどき怒り肩78

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:酒飲みに陰陽のタイプ で、下戸から逆襲させてもらうと、一番困るのは他人に迷惑をかける酔っぱらいである。一緒にいて楽しいの
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酒飲みに陰陽のタイプ
 で、下戸から逆襲させてもらうと、一番困るのは他人に迷惑をかける酔っぱらいである。一緒にいて楽しいのならいいが、突然怒り出したり、からんだり、尻をさわられたりすると、下戸は困惑するのだ。「昼間のあの人の姿はいったい何なの?」という疑問がわいてくるのである。
あるとき、終電に近い時間帯の電車に乗っていたら、スーツ姿の中年男が真赤な顔をして酒臭い息を吐きながら、そばに立っていた大学生の男の子のグループにむかって、しつこく説教をしていた。そこへ乗ってきたのが、人品卑しからぬ紳士。彼はどういうわけか、革のカバンをひしと胸にかき抱き、大声で「浜辺の歌」を歌いながらワルツのステップを踏みはじめたのである。私は陰と陽の二つのタイプを眺めながら、「この事実を知ったらば、家族はいったいどう思うだろうか」とおかしくてたまらなかった。
私の友人の超美人にも酒乱がいた。女子大に通っていた彼女は、某国立大学の学生と合コンをした。今までニコニコして酒を飲んでいた彼女が、突然目の前にあった氷を左手でわしづかみにし、隣りに座って歓談していた男の子の髪の毛を右手でちぎれんばかりに引っぱって、「これでもくらえ」という絶叫と共に口の中に力いっぱいねじこんだというのである。かわいそうに彼は前歯二本が折れて顔面血だらけ。あまりのことに、彼がおいおい泣き出したため、合コンはパニック状態。それ以来、その女子大との合コンは御法度《ごはつと》になったとさえいわれるくらい、ショッキングな傷害事件だったのである。しかし、当の彼女が全くそのことを覚えていないというのは恐かった。もう一人の女の子は顔色一つ変えずに、ビールを大ジョッキ十四杯飲んだ。そして、何かの拍子でジーンズのジッパーがこわれたのにもかかわらず、ハハハと笑いながら社会の窓を全開して帰っていった。しかし、次の日気がついてみたら、泥だらけになって他人の家の軒下で寝ていたというので、これもまた恐かった。下戸の私にとっては信じられない行動であった。
六月二十九日、日本テレビの「知られざる世界」で、アルコールが人間にどのような作用を及ぼすかを放送していた。アルコールがだんだんまわってくると、脳のなかで、本能的に自由な行動を司る部分の抑制が、とれてしまう。そして自分のしたことを忘れているのは、大脳のなかで記憶をひき出す�海馬《かいば》�にまで、アルコールの作用が及んでいるからだ、ということだった。たしかにアルコールはストレスを発散させる作用があるのもわかった。きっと酒好きの人はそのために飲むのだろうが、きれいに酒を飲む人っていうのは少ない。わかっているけれど、つい度を越してしまうというケジメのない人が多いのである。そしてそういうのに限って酒グセが悪い。
それゆえ私は触らぬ神にたたりなしで、極力無意味な酒宴は避けるようにしているのである。
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