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撫で肩ときどき怒り肩100

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:家を買ったと勘違い 念願のゲゲゲハウスを手に入れたので、このことを一緒に喜んでくれそうな女友だちに、「ゲゲゲハウスを買っ
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家を買ったと勘違い
 念願のゲゲゲハウスを手に入れたので、このことを一緒に喜んでくれそうな女友だちに、「ゲゲゲハウスを買ったから、遊びにこない」と、電話した。すると彼女は「わあすごい」などといい、前にもうちにきたことがあるのに、
「私、場所を知らないから、駅まで迎えに来て」という。私は、少し不審に思いながらも、彼女も私の気持ちがわかるのだろうと、一人で喜んでいたのである。そして当日、彼女を駅まで迎えにいった。彼女は、
「私、とっても楽しみにしてたの。でも、すごいわねえ」と、やたらと感心している。明らかに、彼女は誤解をしているな、と思ったがそれが何だか私には分からなかった。
そして、私のアパートに連れてくると、彼女は、
「あら、まだ引っ越してないの」と、不思議そうな顔をしていう。「してないよ。どうして?」「だって電話で、家を買ったっていったじゃない」「いわないよ。そんなこと」「えーっ。じゃあ、ゲゲゲハウスって、ホンモノのゲゲゲハウス!」
彼女は私が家を買い、それを謙遜《けんそん》してゲゲゲハウスといっているのだと、勝手に勘違いしていたのである。
「私はあなたの新居が見られると思ったからこそ、この寒いなか、わざわざ埼玉の奥地からやって来たのに」と、彼女はブツブツいっている。私がいくら一反もめんや、子泣きジジイの人形を指にはめて、
「みんなで唄おう、ゲゲゲのげー」と、雰囲気を盛りあげても、目が全然笑わない。こんな事で、長年の友人関係にヒビが入ってはいけないと、私は関係修復に必死になった。もらいものの三年前の試供品のパックがあったので、それを顔に塗りたくり、台所から真白の顔で、唐突に彼女のまえに姿を現わし、「十三日の金曜日ー。ジェイソンは生きていたあ」と、やってみても、「フン」と、鼻でせせら笑われた。
これは、相当ウケるのではないかとふんだが、みごとに当てが外れ、自分でも鏡をみたらひどく情けなかった。
「三十過ぎて、よくそんな事、やっていられるわねえ」
淡々と、友だちに説教されることほど胸にこたえるものはない。
そんなふうにいわれたら、「次はデーモン小暮の、でーまんグッズを手に入れようと思ってるんだあ」などと、無邪気にいえなくなってしまった。
世の中には、いろんな番組があるが、私はいまだに「ゲゲゲの鬼太郎」と「サザエさん」は大好きだ。残念ながら今の鬼太郎は、熊倉一雄がのんびりとテーマソングを唄っていた頃の雰囲気が薄れてしまった。昔は、憎めない妖怪が出ていたのに、最近のはどうも、おどろおどろしくていけない。が、サザエさんは健在である。どうってことはない内容なのに、やっぱりすごいのである。
ろくでもないドラマを作ったり、同じような歌番組を作ったりするよりは、「チロリン村とくるみの木」「ひょっこりひょうたん島」などを、再放送してくれたほうがどれだけいいか、と思う。
「こんなことを考えたり、過去の思い出を追ったりするなんて、私はまだ幼稚なんだ」と思っていたが、実はそれが、年寄が勧善懲悪のワンパターンの時代劇のドラマを見てホッとしてしまうのと同じように、過去にあったものをみると安心してしまうという、私の老化現象の第一歩ではないかと、恐ろしくなってしまった。
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