先日、夜眠れないので、布団にはいったまま何気なくテレビを観ていたら、国公立大学のボーダーラインについての番組をやっていた。私の周りには大学受験をする人などいないので、他人ごととしてみていたら、まるで選挙速報みたいに数字が並ぶので、驚いてしまった。各地域にある、大学の一次試験、二次試験のボーダーラインの52・0だの58・5などの数字が、次から次へと画面にうつし出される。各地域のボーダーラインについて解説するのは予備校の人で、緊張した面持で淡々と話していた。私が受験生であったころ、ラジオでは、大学受験講座などがあったが、テレビで受験に関する情報を流しているのを見た記憶はない。
彼らはあれこれ親切にボーダーラインの解説をしている。しかし、「この大学は、昨年にくらべてボーダーラインは変わっていません。比較的入りやすいところなので、皆さん頑張ってください」などといっても、明るく受験生を激励しているようには思えず、雰囲気がなんとなく暗いのである。予備校の人がいくら「頑張ってくれ」といっても、落ちてくれる人がいなければ商売にならないのだから、これは当然のことであろう。