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撫で肩ときどき怒り肩112

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:「ハエ男」で思い出した高校時代の�恩師�先日、テレビの洋画劇場で「ハエ男の恐怖」を見た。今はリメイク版が公開されているら
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「ハエ男」で思い出した高校時代の�恩師�

先日、テレビの洋画劇場で「ハエ男の恐怖」を見た。今はリメイク版が公開されているらしいが、私はテレビで流されたCMしか観ていない。現代の特殊メイクの技術を駆使した、ハエと人間がいりまじっていく姿が不気味だった。
でも「ハエ男の恐怖」のほうは、三十年くらい前の作品だから、きっと技術もお粗末で、子供のときに怯《おび》えつつ見た日本の怪獣映画も、今は笑って観ていられるみたいに、お笑い恐怖映画として楽しめるのではないかと期待していた。おまけにハエ男になってしまう科学者の声の吹き替えが渡辺徹である。恐怖映画なのにどうしてこういう人選になったのか不思議だが、私はテレビ欄で彼の名前を見たときに、映画を観る前にすでに笑ってしまったのだ。
最初は半分バカにしていたものの、だんだんにハラハラさせられた。前半は背が高くスリムな科学者から渡辺徹の声が出てくるものだから、どうも気分が乗らなかったが、後半になると「これから先、どうなるんだろう」と、ドキドキした。科学者がハエ男になり、人間のことばが喋れなくなったのが幸いしたようである。
予想どおり、変身した「ハエ男」はでっかい目玉がついた行灯《あんどん》のお化けみたいなものを頭にかぶって、左手には毛だらけのハエの手をはめているだけだし、もう片方の「人間バエ」のほうは、ハエの体に人間の頭を合成して写しているだけ。しかしハエの体から、ハエと交換した人間の左手も、にょっきりはえている芸の細かさには感心した。最後まで画面から目を離せず、想像した以上に楽しめた。そしてこの映画のおかげで、高校生のときに「ハエ男」を作ったことを、突然思い出してしまった。
「ハエ」というのは私の担任のアダ名だった。チョークを握っていないときは、いつも両手をすりあわせるクセがあったのと、風貌も人間離れしていたのが相まって、誰がつけたのか我が校に代々伝えられていたのである。
体育祭のとき、私たちはクラス対抗で仮装大会をすることになった。ああでもないこうでもない、と話し合っていたのだが、一等賞をとるにはこれしかない、とっておきの出し物にすることになった。それは「ハエ」にハエの格好をさせるという、教師の存在を冒涜《ぼうとく》するものだった。いくら生徒から「ハエ」と呼ばれていても、家に帰れば大学生の子供もいる中年の男である。最初は「もっと高校生らしいものにしなさい」と、わけのわからない文句をいって抵抗していたが、体育委員が職員室に日参して、「こういうことをお願いするのは、ボク達が先生のことを好きな証拠です」とか何とかうまいことをいって、やっとOKをとりつけた。
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