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撫で肩ときどき怒り肩120

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:メデッサのヘビ女で真っ昼間からゾクゾクCMを観ていてゲッと思ったものが今までに二つある。そのうちのひとつは、海苔《のり》
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メデッサのヘビ女で真っ昼間からゾクゾク

CMを観ていてゲッと思ったものが今までに二つある。そのうちのひとつは、海苔《のり》のコマーシャルである。女性が唄う「エリーゼのために」をバックに、和服を着た美人がズルズルと音をたててお茶漬けをすするのだが、この音がとても気持ちが悪い。窓ガラスを爪でキーキーひっかくのに匹敵するくらい、体毛が逆立つ代物なのだ。ちょうど晩御飯を食べ終わったあとにあのズルズルが聞こえると、一瞬胃がひきつり背筋が寒くなってくる。物を食べる姿はもともと見てくれのいいものではないが、それと共に食べ物が口の中にはいる音まで誇張されて聴覚に訴えられると、それが好きでない音の場合非常に困るのである。
私は酒が飲めないが、ビールのコマーシャルなどで耳にするゴクゴクという音は「おいしそうだな」と、飲めない私も飲みたくなってくる。ソバをすする音も大丈夫だが、このCMのお茶漬けズルズルの音だけは勘弁してほしかった。
もうひとつは、音はズルズルしないのだが女の人がズルズルはいまわる、訳のわからないメデッサという飲料酢のCMである。「メデッサ、メデッサ」と念仏みたいにぶつぶつ唱える男性の声をバックに、若い団地妻風の女の人が、頭からガラスのコップをニョッキリ生やして登場。
「なんと奇怪な」と私がたまげている間に、彼女は尺取虫と同じ移動方法でズルズルと電柱から民家の瓦屋根へとはい上がる。上で猫が悠々と体をなめており、屋根のはしっこにビンが置いてある。ズルズルとはってきた女の人は、そのビンのそばまでやって来るとその尺取虫の格好のままで、
「メデッサーッ!」
と絶叫する。そして最後に低く淡々とした女の人の声で、
「健康、メデッサ、飲料酢」
というナレーションがはいるのである。
一番最初にこのCMを観たとき不気味な格好に「ゲッ」となり、そのあと「今のCMはいったい何を意味しているのだろうか」と腕組みして考えてしまった。だいたい「健康、飲料酢」というのなら、見ている側に「これは元気になりそうだ」と思わせるのがCMとして一番効果的なのではないか。しかしこれはメデッサを飲んだら最後、楳図かずおの描いたヘビ女になってしまいそうで恐ろしいのである。このCMの製作者の意図は何かとあれこれ考えているうちにふと思い出したのは、子供の頃よく聞かされた「サーカスで曲芸をする人たちは、体を柔らかくするために毎日酢を飲んでいる」という話である。奇怪なメデッサの十五秒のCMの意味は「これを飲んだらヘビ女みたいに体が柔らかくなる」ということかしらと考えてもみたが、いまだによくわからない。
海苔のCMとは違い、私はメデッサのCMはゲッと思いながらも結構好きなようである。これはヘビ女がこわいこわいと思いながらも、ついマンガのページをめくってしまった子供の頃とよく似ている。私は時間をみはからってチャンネルを回し、メデッサのヘビ女をみては、真っ昼間不気味な刺激に背筋をゾクゾクさせているのである。
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