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世界昔ばなし06

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:地下ぐらの娘  旦那さんとおかみさんがいてね。まず子だくさんだった。そこへもってきてまた双子ができたんさね。旦那のほうは
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地下ぐらの娘
                                                                         
旦那さんとおかみさんがいてね。まず子だくさんだった。そこへもってきてまた双子ができたんさね。旦那のほうは子どもなんか、もううんざりだ。食べさしていけないもの。おまけに女の子でさ。旦那は女の子が嫌いときてるし、それがかみさんは子どもを渡すんで旦那を呼ぶときにね、こっそりと、
「一人だけでもいい。ポドポルニク(地下ぐらの霊)がつれてってくれたらねぇ」
言ったとたん、一人の子がいなくなった。消えちゃったんだよ! それをいいことに、かみさんは旦那になにも言わなかったんさ。
それからだいぶたってね。この子も大きくなった。十七になってね。ちょうど祭がきたもんで、父親と母親は隣村へ出かけていったんさね。隣といっても十二キロか十三キロか、まあ十五キロくらいかねぇ……。知らないけど。この娘はうちで窓ぎわに座って、縫いものをしてたんだよ。せっせと縫いものをしていたらね、ペチカのそばにある地下ぐらがぱかっとあいて、あの娘が出てきた。
「聞いてちょうだい。話があるの。母さんはあたしとあんたを同じ日に生んだ。あたしとあんたは双子ってことになるの。母さんは子どもがたくさんいるのに双子ができて、おまけに女の子だったものだから、父さんに言うのがこわかったのね。父さんを呼ぶときに、せめて一人でもいい、ポドポルニクがつれてってくれたらって言ったのよ。おかげであんたはこの世で、両親に育てられて大きくなったけど、あたしはポドポルニクのとこよ。でも、ここの地下ぐらにいるのももう長くないわ。今日お嫁入りしてよその地下ぐらへ行くの。だからあたしのお嫁入りを見てちょうだい。夜になったらね、地下ぐらをあけてのぞいてみて。婚礼が見えるから。恐がることなんかないわ。あんたには手を出させないし、なんにもされないからね。でも腰より先にのりださないこと。それに見るのは十二時までよ。真夜中すぎたら、あとは見ちゃいけない。そうしてね、朝になったら地下ぐらへおりてきてみて。小箱があって、ショールと前掛が入っているわ。これはあんたへの贈り物だからとっといて」
いいおわるとふっと消えてしまったんさ。
それでね、この娘はね、首をながくして夜を待ったんだよ。そして、あの娘の言ったとおりにしたんだ。地下ぐらをあけてのぞいてみたんだ。はじめはまっ暗なだけだったんだけど、そのうちぽっと火がともって、明るくなって、まあ! 人がぞろぞろいっぱい歩いてる。花嫁が手をひかれていて、一緒にいる立派な男が婿さんだ。でも、十二時になったらあたりはまた暗くなってきて。なんにも見えなくなってね。娘は地下ぐらをしめるとわーっと泣き出したって。朝になると弟に、この娘にはまだ小さい弟がいて、五つだったけど、
「地下ぐらへ行ってみようよ。ちょっと探しものがあるの」
二人しておりていってみたら、すっかりあの娘の言ったとおりだった。小箱をあけたら前掛もあるし、すてきなショールもあるし。それでね、父さん母さんがお呼ばれから戻ってきて、
「どうしたんだ、何を泣いてるんだ?」
そしたら小さい子が、
「知らない。なんだかわーわー二日も泣いているよ。ずっと涙ばっかりだよ」
娘はね、サモワールを熱くして父さん母さんに出してから、
「話があるの、聞いて。母さん、父さんにあやまってちょうだい」
でも母親はね、
「あたしは父さんにこれぽっちも悪いことなんかしてやしませんよ」
「嘘(うそ)、してるわ。あたしを生んだとき、何人だったの? 一人、それとも二人?」
そうして見たこと聞いたこと、嫁入りのこともすっかり話したんだって。前掛にショールも見せてね。そこでかみさんも旦那も娘にあやまったそうだ。
でもポドポルニクに育てられた娘は二度と姿を見せなかったそうだよ。
                                                                     (渡辺) 
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