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世界昔ばなし08

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:二人の兄弟   この世に二人の兄弟がいて、弟はそれこそひどい貧乏なのに、兄さんは金持だった。貧乏人には十二人の子供。とこ
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二人の兄弟
                                                                          
この世に二人の兄弟がいて、弟はそれこそひどい貧乏なのに、兄さんは金持だった。貧乏人には十二人の子供。ところが金持には子供が一人もいない。
ひと山もの子を育てるのに、貧乏人は金持の兄さんのところで下男働きをした。でも兄さんは、一日食べていくのに足りる分しか払わなかった。
ある時、貧乏人はペチカに火をおこすマッチもなくなってしまった。それで家を出て、火を探しにいった。ずんずんいくと焚火が見えて、火のまわりには見たことのない男たちが十二人あたっている。
「今晩は、皆さん方!」
「ようこそ! どこへ行くんです。夜の散歩ですか?」
「火を探しているんです。ペチカをたきつけるものがなくて」
「で、子供はたくさんいるのかね?」
「そりゃもう。もう、山ほどですよ! 十二人なんですが、どれもこれも腹をすかして凍えてるもので」
焚火の回りにいた男たちの中で一番年かさのが、
「袖をおさえなさい」
貧乏人がなんの気なしに袖をおさえると、そこへ男たちがあつい炭をどさっと入れた。
「帰ったら家の中央にあけるとよい」
貧乏人は礼をいうとさよならをいい、家へ帰った。そうして家の真ん中であけたところ、炭は金貨にかわった。
それっきり弟は、兄さんの下男働きにはいかなくなった。もうマッチだって塩だって、灯油だって足りる。新しい家を建て、雌牛に馬も買った。
貧乏人がいきなりもちなおしたものだから、金持は驚いた。弟のところへやってくると、一体どうしたのかたずねた。弟の方は人がいいものでなんでも話してきかせた。
夜がくるのを金持の兄さんは待ちこがれた。暗くなってくるともう、着がえて火を探しにでかけていった。すると本当に道の辻に燃えさかる焚火を囲む人たちがいる。金持は、
「皆さん方、お願いしますよ。うちには火をおこすものもないし、マッチを買うこともできないんですよ」
「子供はいるのかね?」
「いますよ」
金持はうんと同情してもらおうと嘘をついた。
「そうか……」
年かさの男がつぶやいた。
「袖をおさえてろ!」
金持は大急ぎで両袖をささえ、おまけにもっとたくさん入れてくれ、と頼みさえした。
「帰ったら家の中央にあけろ」
金持には二度くり返す必要もない。走って戻ると家の真ん中にばっとあけた。とたんに、炭がいっせいに火をふいた。金持の兄さんの持ちものは残らず燃えつきて、自分が貧乏人になった。
                                                                     (渡辺)
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