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世界昔ばなし12

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:シャーヌフの衆、 新しい教会を建てること    シャーヌフの衆は教会が朽ちて、崩れ落ちたで、ひとつ新しいやつを広場のまん
(单词翻译:双击或拖选)
シャーヌフの衆、
 新しい教会を建てること
                                                                          
 シャーヌフの衆は教会が朽ちて、崩れ落ちたで、ひとつ新しいやつを広場のまん中に建てるべえと決めた。石工・左官も済んだあとでだ……。どうもこりゃあ、まん中に建っちゃあいないぞ、はじに寄っているんでないか、というわけで、教会をまん中まで押して行くって、町の会議で決まったわけだ。町の衆が全員集められ、町長が炎みたいな演説ぶって、それからみんなで歯をきっとくいしばり、仕事にとりかかったわけではあるが……、仕事のかしこいやり方ってもんは、力ばかり使うんじゃない、要は頭だ、っていうことで教会を連中の禿頭(はげあたま)で押して行ったと。
「待て、待て!」
町長さん、思いつくことがあって叫んだものだ。
「教会をどこまで押して行くか、はじめにそれを決めとかにゃあ!」
そしてフロック・コートを着てたの脱いで、広場のまん中に置いて言った。
「ここまでだ。わしのフロック・コートまで押すんだぞ!」
そしてもう一度そろってエーンヤコーラ。大きな声で掛け声掛けて、禿頭で教会を押して行ったさ。
どうもこうもない。そこに流れ者が通りかかって、町長のフロック・コートは落ちてるわ。あたりにはだあれもいないわだ……。そりゃあそうだ。みんな教会の向こう側に張りついているんだもの。流れ者はすばやくそれを拾い上げ、袋にしまい、スタコラサッサアーッ、と町の門を出て行ってしまった。町の長老たちはおでこに汗かいて、それでも教会を押していたんだ。
「止まれ、止まれ! もうこのくらいでいいはずだ!」
長老の一人がへたばって叫んで、町長が向こう側を調べに走ると……、ぎゃあ、っていう悲鳴(ひめい)がおこったわけだ。
「なんてえことだ! わしのフロック・コートはどこへ行ってしまったんだ?! おまえたち、教会を押しすぎたんだ!」
だけどシャーヌフの衆はもうたくさん。教会をうしろに引っぱりもどすだって?! とんでもない、ってむくれてしまった。
「もうこれでいいじゃないか。教会はフロック・コートの上に建ってりゃあいいじゃないか」
そう言うと、腫(は)れあがったおでこを拭い、ビールでも一杯やらにゃあと、“ガチョー亭(てい)”って名の居酒屋へみんなそろって行ってしまった。
町長はうらめしくってしかたがないが、しかたがない。あきらめて手を振り、足を引きずり、みんなを追って居酒屋へ行ったさ。
そういうわけでシャーヌフの教会は、今も町長のフロック・コートを踏んで建ってることになってるわけで……、広場のまん中からは、ずれている。
こんなことがあったことで、おでこの高く張った偉そうなやつにゃあ、「旦那、シャーヌフの教会を手伝って押しなすったね。その禿頭見りゃあ分りまさぁ」と、ポーランドではこう言うようになったってわけさ。
                                                                     (足達) 
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