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世界昔ばなし11

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:橋の上の幸福(しあわせ)   スウープスクのそばの、スウーピア川のほとりの、スウォビニェッツの人々が、昔、苫屋(とまや)
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橋の上の幸福(しあわせ)
                                                                          
スウープスクのそばの、スウーピア川のほとりの、スウォビニェッツの人々が、昔、苫屋(とまや)と呼んだ、ささやかな家があったという。貧しい農夫とその妻と三人の子どもが住んでいた。農夫はライ麦を少し蒔き、じゃがいもを植える小さな畑と、家族の第一の養い手、山羊を飼う川辺の草地を持っていた。
毎年春になると、種まき前には、この家は大変な貧乏になる。子どもらが一きれのパンも見ない日がそれこそ幾週間も続くのだ。その頃、家族の食べ物といえば、山羊の乳をかけた白いオートミールとじゃがいもの丸ごとがいくつか、それに塩を一つまみかけるだけだった。
ちょうどこんな春が、この年もまたやってきた。ヴォイチェフの——というのがこの百姓の名前だったが——その家は寒々とし、飢えに満ち、じゃがいもにかける数グロッシェの塩代もないのだった。
朝めしのあと、ヴォイチェフは釣り竿をとって川へ出かけた。
「魚が釣れるかもしれん。一匹でも釣れれば、子どもらの昼のかゆに添えられる」
ところが、その日は寒い、激しい海風(うみかぜ)が吹きつけ、魚はその風を恐れ、川岸の榛(はん)の根下に隠れたのだろう。餌を食おうともしなかった。ヴォイチェフはスウーピアの岸辺に、浮きを見つめて日の落ちるまで座りつづけ、それでも、あくまでこう思っていた。
「今日こそ運が向いてくれるにちがいない。ちっぽけなフナでもコイでも、きっとかかってくれるだろう。そうしたら家中が喜ぶぞ!」
しかし、陽が森に沈み、灰色の、冷たい霧がスウーピアを包みはじめても、魚は一匹も釣れなかった。
凍えたヴォイチェフは釣り竿をたたみ、重い足どりで引きあげた。家中が暗く、もう寝てしまっていたのが嬉しかった。せめても子どもらの飢えた目を見ないですむ。彼は自分の藁床にもぐりこむと、やがて眠りに落ちていった。
夜、だれかが話かける夢を見た。
「シチェチンにお行き。その大橋の上で幸福に出会うだろう!」
朝、ヴォイチェフはその夢を思い出し、ふふんと、手を振って打ち消した。
「夢なんだ。幻だ。そんなことがあるものか!」
そして、釣り竿を掴(つか)み、川に魚を釣りに行った。結果は昨日と同じだった。魚は一匹もかからない。夜はまた同じ夢を見、だれかが話かけてくる。
「シチェチンにお行き。その大橋の上で幸福に出会うだろう」
農夫は明け方、藁床からガバと起き上がった。
「ああ、おれは飢えて、頭がおかしくなったんだ」
彼はいまいましげにそう言って、外套(がいとう)をつけると、せめて半キロか、その半分でもじゃがいもをと、リチェーヴォの縁つづきに借りに行った。次の刈り入れできちんと返すと誓いを立てて。帰って来たときは陽気で、じゃがいもを一袋背負い、鍋には四分の一ほど菜種油をいれていた。この晩はみな、この一ヵ月で初めて油で揚げたじゃがいもを食べ、満腹して寝についた。
なのに、この晩もまったく同じ夢を見た。ヴォイチェフは朝、目がさめると、はたと首をかしげて考えた。
「三日もつづけて同じ夢だ。何かあるんだ!」
そして、女房に打ち明けた。
「なあ、おまえ。もう三日も同じ夢を見るんだ。だれかが〈シチェチンにお行き。その大橋の上で幸福に出会うだろう〉と言うんだよ」
ヴォイチェフの女房は亭主をまじまじと見つめて、こう言った。
「そりゃあ、神様のお告げかもしれないねえ。わたしらとことん貧乏を味わったもの。ちょうど日曜にシチェチンで市が開かれる。何か、手伝いなどで、パンの一斤も稼げるかも……。お告げどおりに行っておいでよ」
次の日の明け方、ヴォイチェフは、友だちのマチェイが牛を買いに行く馬車に一緒にのせてもらってシチェチンにでかけた。三日目の朝には目的の町に着いていた。
ヴォイチェフはシチェチンの橋の上で、乗せてもらった礼をいい、馬車を降りた。周りを見まわしても、人っ子ひとりいなかった。それでじっとがまんのよろいを着、右を見、左を見ながら、どこから彼の待ち望む幸福がやってくるかと待っていた。
シチェチンの教会の屋根で時計がボーンボーンと十二時を打ち出したが、橋はガランとして何も聞こえない。ときどき、市に急ぐ遅れた荷馬車がガラガラ通るだけだった。ヴォイチェフは腹(はら)がすき、気も遠くなりそうで、外套に手を伸ばすと、道中のために女房がポケットに入れてくれた冷たいじゃがいもにかぶりついた。
そのあとは橋の欄干(らんかん)にもたれかかり、泡立つオドラ川を筏(いかだ)が流れていく様子を肩ごしにぼんやりながめていた。
夕闇がせまり、川から吹き上げる冷気がヴォイチェフを骨の髄まで痛めつけた頃……、つかつかと見知らぬ旦那が近づいてきて言った。
「お百姓よ、どうして一日中、橋の上に立っていなさるのかね?」
「はあ、三日もつづけて、ここ、シチェチンの橋の上で幸福に出会う、っちゅう夢を見るもんで……、それでその幸福を探しにまいりやした」
旦那は大声で笑った。
「なんだね、わしだって似たような夢を、それも三日つづけて見たものさ。スウープスクを越えた、リチェーヴォへ向かう道の途中に、とても古い苫屋があるそうだ。その家の炉の下に金貨がつまった鍋が埋めてあるというんだが、だれがそんなこと信ずるものかね。道中の時間がもったいないよ!」
ヴォイチェフはすぐ、男の言うのは自分の家のことだ、と気づいたが、そんなことはおくびにも出さず、ていねいに忠告に感謝して頭を下げると、家にとって返した。
道中、友だちのマチェイが市からもどって来て追いついた。牛は買わないかわりに、上等の豚四頭を荷台に乗せ、それがキーキー鳴いている。酒屋の前も素通りしなかったと見え、上機嫌でよくしゃべる。ヴォイチェフを車にさそい、二、三日後の昼前には、もうスウープスクに着いていた。
子どもらと女房は家からかけだし、さあ、父さんは何を持ってきてくれたかと探そうとする。農夫はみなに一べつも与えず、入り口の前の切り株に食いこませた斧を引き抜くと、家にかけこんで、空っぽの鍋が置かれた炉にふりおろした。
斧の音に子どもらと女房がとんでくると、なんと炉が粉々だ。父さんが気が狂った、と悲鳴をあげた。
ヴォイチェフはそれにもかまわず、レンガをかきのけ、かきのけ、土台までのけると、もう、土を両手で掘り出した。と、見ると、穴から大きな土鍋を引き上げ、それを部屋のまん中に据え、素焼のふたを取りのぞいた。部屋は純金の金貨でまぶしくなった。さっきまでの子どもと女房の泣き声は、一瞬にして喜びに変わり、みなは互いに抱きあい、父親と金貨の入った鍋を囲んで、踊りだした。ヴォイチェフは両手を腰に当てると、みなを見まわし、誇らしげに言った。
「そうれ、三晩夢見た橋の上の幸福を見つけたぞ」
そのあと、金の入った鍋を樫の木の長持ちにしまい、妻と子どもに、家を出るな、誰も入れるな、と言い聞かせてスウープスクにとんで行った。
間もなく、バスケットに出来たてのパンと、大きな、まだ暖い、トショー入りの、良い匂いがするソーセージひと巻きを入れて帰った。五人は壊れた炉を囲み、食べたこと、食べたこと、それは耳が震えるほどだった。
ヴォイチェフは子どもたちに橋の上の出来ごとを語った。それから、いったいどうして金の入った鍋が、我が家の炉の下に埋っていたのかと考えた。そして思い出したのは、彼がまだ小さかった頃、家に伝わっていた話だった。
この家を建てたのは、彼がその名をもらったヴォイチェフじいさんだったが、そりゃあケチで、金を山ほど持っていたそうだ。
ある冬のこと、シチェチンに食べ物屋を開きたいと出かけて行ったが、森で山賊に襲われ、殺されてしまったのだ。遺骸は春になって、雪が溶けてから見つかった。周辺では、老ヴォイチェフは店を開く金をみな持って行って奪われたと噂した。ところが、彼はそれを大鍋に入れ、炉の下に隠していたのだ。
「父さん」一番上の息子が言った。
「その橋の上であった人は、きっと父さんのおじいさんの魂だね」
「そうだ、そうだよ。ぼくたちのひいおじいさんだよ」
みんなそろってそう言った。
そういうわけで、家族はシチェチンに引っ越し、そこで、ヴォイチェフが幸福に出会った橋のそばで、みんなのひいおじいさんが開こうとしていたような店を開こうと決めた。そう決めて、そのとおりの店を開いた。やがて、シチェチンのオドラ川にかかる橋のたもとに、美しい塗り壁の「黄金(おうごん)の鍋亭(なべてい)」が開かれた。シチェチンの筏(いかだ)乗りや舟乗りたちがみんな店にやってきた。ヴォイチェフの家はそれ以来、富と幸福に恵まれた。
                                                                     (足達) 
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