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世界昔ばなし17

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:森の悪魔と兄弟   ある森のはずれに、たいそう仲の良い木こりの兄弟が住んでいた。二人は、毎日いっしょに森へでかけ、あたり
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森の悪魔と兄弟
                                                                          
ある森のはずれに、たいそう仲の良い木こりの兄弟が住んでいた。二人は、毎日いっしょに森へでかけ、あたりが暗くなるまで懸命に働いた。
兄は力が強く、森中の木を揺さぶるような勢いで、伐り倒した。弟はすばしっこく、あっという間に木を束ね、山のように積み上げた。
二人の様子を、いつも木の陰から覗(のぞ)いているものがいた。それは、森の小さな悪魔であった。この悪魔は、仲のいいものが嫌いなのだ。二人が、いつも力を合わせて働いているのを見て、腹がたってたまらない。
そこで悪魔は、なんとか喧嘩させるうまい手はないかと、毎日、腕を組んで考えていた。
さて、この木こりの兄弟はといえば、性格がまるで正反対なのである。弟が正直な優しい若者であるのに、兄の方は、妬み深い性格だった。そこで悪魔は、兄の心にそっと囁いた。
おまえの弟は、強い男
おまえの弟は、賢い男
弟は、おまえより、強く賢い男
 そんなことを少しも知らない弟は、その日も、いつものようにいっしょに森へでかけ、兄のそばで木を束ねていた。すると、突然、兄が大きな木を持ち上げて襲いかかり、弟の目を打った。何度も叩こうとするので、弟は恐ろしくなって、森の奥へ逃げ込んだ。
目が見えなくなってしまった弟は、一日じゅうあてもなく森の中を歩きまわった。そのうちに日が沈んできたので、近くの木に登り、その上で休んでいた。
しばらくすると、木の下でにぎやかな声がするので、木こりの弟は耳を澄まして聞いていた。どうやら、森の悪魔たちが集って、話をしている様子である。
一人の悪魔が嬉しそうにいった。
「愉快だったなあ! 今日は、とっても気分がいい。森でいつも木を伐っている、ほら、あの仲のいい兄弟を喧嘩させてやったのさ。大きい方が木を振り上げ、小さい方の目を潰(つぶ)してしまったよ」
それを木の上で聞いていた弟は、すぐに、悪魔が自分のことをいっているのだと悟(さと)った。
二人目の悪魔も、得意そうにいっている。
「こっちは、村の水車小屋を壊してきたよ。大きな石を、十個もほうり投げてやったから、もう、あの水車は、どんなことをしても動かないよ」
「ふうん、みんなすごいなあ」
三人目の悪魔が、感心したような声でいった。
「でも、俺だって負けないよ。今日は面白かったよ。お城へ行って、お姫さまを思いっきりころばしてやったんだ。うまくいったぜ! お姫さまは足を怪我して歩けなくなったさ。もちろん、走ることなんか、とても無理さ」
森の悪魔たちは、親分を囲んで、今日の手柄を話している様子である。しばらくして、親分の右側に座っている、年をとった悪魔がいった。
「情ない奴らだ。おまえたちはそんな自慢をするためにやって来たのか。もっと何か、わしらがあっと驚くような、大きな仕事はできないのか」
そして、ため息をついてから話しだした。
「いいかな。そんなちっぽけなことは、一人まえの悪魔がやることじゃないんだぞ。そんな魔法は、だれにでもすぐとけてしまう。ほら、この木の下から水が湧(わ)いてくる……」
木の上にいた木こりの弟は、胸を躍(おど)らせながら聞き耳をたてた。
「これは、ふしぎな水でな。目が見えなくなった弟が、もしもこれで目を洗ったら、なおってしまうのじゃ。水車だって同じことよ。もし、だれかが水を汲んで行って、水車をとめている石に注いだら、もう、おしまいだ。水車は、また動きだしてしまうじゃろう。お姫さまの足も、この水でもとどおりじゃ」
木こりの弟は、木の間に隠れていて、悪魔たちの話すことを、すっかり聞いてしまった。朝になると、弟はさっそく木の下から湧いてくる水で目を洗った。目はたちどころにもとどおりになり、何でも見えるようになった。
それから、弟は村のはずれにある水車小屋に行き、森から汲んでいった水を石の上に注いだ。水車は、ゴトン、ゴトンと元気な音をたてて動きだした。
そこで、木こりの弟は、今度はお城に行き、門番に頼んでみた。
「王さまにお会いしたい。私が、お姫さまの足をなおしてみせます」
家来たちは、木こりの弟のいうことにびっくりした。その頃、お城では、お姫さまの足が、どんな医者にもなおせないので、たいへんな騒ぎになっていたのである。さっそく、家来たちは王さまの前に、木こりの弟を連れて行った。
「王さま、ご機嫌いかがですか。私が、お姫さまの足の怪我を、きっと、なおして差し上げます」
「それは、ほんとうか」
王さまは喜んで、体を前に乗りだした。
「はい、私には、だれにもないふしぎな力があります」
「よし、もし姫の足をなおせたら、褒美(ほうび)をどっさりとらせよう。だが、もしなおせなかったら、おまえの命はない。わかっているな」
木こりの弟は、お姫さまの前にひざまずき、森の木の根もとから汲んできた、ふしぎな水を差しだした。お姫さまがその水で足を洗うと、あっという間に、足はもとどおりになおってしまった。王さまは喜んで、たくさんの金貨と牛を褒美に与えた。
さて、こうして、弟が森のはずれの家に戻ってきたので、兄は驚いてしまった。すぐには、口もきけなかったが、ようやく、気をとりなおしてたずねた。
弟は、夕べ木の上で悪魔の話を聞いたことから、王さまに褒美をもらうようになったわけを、つつみ隠さず兄に話してきかせた。
「兄さん、ぼくの目をぶったのは、その悪魔のしわざだったんだ。兄さんじゃないんだ」
でも兄は、もう心の中に悪魔が棲(す)みついていて、弟のことが妬ましくてたまらない。
「よし、俺も木に登って、悪魔の話を聞くことにしよう。夜になって悪魔がやってきたら、お前が木の上ですっかり聞いてしまったことや、そのおかげで大金持になったこともぶちまけてやろう。きっと、奴らは怒って、またおまえの目を潰すにちがいない。もちろん、金貨も牛も取り上げられてしまうさ」
弟は、兄がひどく意地悪い調子で話すので、びっくりしてしまった。
「いけないよ、兄さん! 森へ行っては。きっと、よくないことが起きて危ないよ。金貨も牛も半分ずつに分けよう。だから、森へは行かないでくれ」
だけど、兄の耳には、もう弟の声は何ひとつ入らない。後ろを振り向きもしないで駆けて行ってしまった。森の奥へ入って、兄は弟のいっていた木をすぐに探し、その上に登って、夜になるのをじっと待っていた。
あたりが暗くなると、木の下に悪魔たちが次つぎと集まってきた。そして、親分を囲んで車座に座り、みんなで今日の出来事を話し始めた。
昨夜、得意そうに話していた三人の悪魔が、今夜はずいぶん気落ちした様子で、ため息ばかりついている。
「なあ、おい! 俺たちの魔法をといた、もっと強い奴がいる。だれかが木こりの弟の目を、すっかりなおしてしまったのだ。たったひと晩で、もとどおりなんだぜ」
二人めの悪魔が相づちをうった。
「ふう! まったくだぜ兄弟。それに、やっと壊した水車まで動きだしてしまうなんて、いったい、どうなっているんだ」
三人目の悪魔もいった。
「俺もやられたよ。お城に行ってみたら、お姫さまの足が、もう、すっかり、なおっちまっているんだからなあ」
三人の話を黙って聞いていた悪魔の親分は、
「よし、だれのしわざか、今、教えてやろう」
そういって、右側に座っている年をとった悪魔の方を見やった。
「みんなに、魔法のとけた理由(わ け)を教えてやってくれ」
年をとった悪魔は、コホンとひとつ咳(せき)払いをすると、大きな声で話しはじめた。
「みんな、よく聞け! わしは、今日は、じつに忙しい一日だったのだ。夕べ、だれか、わしらの話を聞いていたものがいる。わしは、そいつを探して、森じゅうを駆けまわっていたのだ。みんな、なにもふしぎがったり、こわがることはない。おまえたちの魔法をといた、おまえたちより強い男は、それ、あそこにいる! ほら、あの男だ!」
年をとった悪魔が木の上を指さすと、悪魔たちはいっせいに駆け登り、木の間に隠れていた木こりの兄を引きずり降ろし、みんなで森の外へほうりだした。
それっきり、木こりの兄の姿は森から消えてしまい、どこへ行ったものやら、だれも、姿を見たものも、噂を聞いたものもいないということだ。
悪魔たちも、この日を境に、ふっつりと、この森にはあらわれなくなったという。
                                                                   (八百板)
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