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世界昔ばなし18

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:お百姓と卵あるところに、働いても働いても、楽な暮らしにならないお百姓がいてね。ある日、かたい皮の靴をはいて、キュッキュッ
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お百姓と卵                                                                     

あるところに、働いても働いても、楽な暮らしにならないお百姓がいてね。
ある日、かたい皮の靴をはいて、キュッキュッ音をさせて村の道を歩いていたんだって。肩には長い棒をかついで、えらい上機嫌だ。歩くたびに棒の先にぶらさげたかごが揺れ、中の卵がとびだしそうな勢いだ。
村のはずれにさしかかった時、お百姓は大きな声でひとりごとをいった。
「さあ、市場に行って卵を売ろう!
卵はぜんぶで百個ある。こいつをひとつ一レフで売るとして百レバになる。もしも、運よく二レバで売れたら二百レバだ。
おお、すごい金じゃないか!
二百レバもあれば、りっぱな雌の小豚が買える。そうだ、小豚を買って育てよう」
百姓は、立ちどまって考えた。
「なあに、すぐに大きくなるとも。そして、子豚を産むようになる。二十匹かな、いや、三十匹ぐらいは生まれるだろうよ。
まてよ、三十匹の子豚がみんな大きくなって、三十匹の豚が、三十匹ずつ子豚を産んで……すごいじゃないか。それがまた子豚を産んで、どんどん、ふえるじゃないか。
ああ、困った。小屋が豚であふれてしまう。
小屋に入りきれない豚は、そうだ市場に連れて行って売るとしよう。一匹、どのぐらいの値で売れるかな」
お百姓は嬉しくなって、じぶんがどこを、どう歩いているのか、得意になってふんぞり返っているので、もう、わからない。道で会った村の人が声をかけても、目にはいらない。
「さあ、市場に行って卵を売ろう!
卵を売って、小豚を買って、どんどん、ふやそう。そして、豚を売ってどっさり金が儲ったら、馬を買って、着物も買うことにしよう。着物はとびきり上等の、馬はよく肥えた、つやつや光るやつがいい。
ああ、身ぶるいしてくるな。
新しい着物を着て、さっそうと馬に乗った、わしの姿ときたら、なんて立派なんだろう。
村の娘は、みんな、わしに夢中になってしまう。
——あの、素敵な方は、だれかしら、
——どこから、きたのでしょう」
お百姓は、じぶんのいってることに、うっとりした。
「そして、わしは村一番の美人のガーナと結婚する。やがて、わしらの子供が生まれる。男の子かもしれんな。そうだ、きっと、かわいい男の子だ。名前はボグダンだ。どうだい、いい名前だろう」
お百姓は嬉しそうにつぶやいて、遠くの方を見つめた。
「そうだ! ボグダンにりんごを買ってやろう。市場に行って、りんごを買って、わしが家に戻ってくると、ボグダンが迎えに駆けだしてくる。おお、まるで、目に浮かぶようだ。ボグダンの、喜んでとび込んでくる顔が……。
わしは両手をひろげ、坊やをしっかり抱きあげ、頬ずりをする。
——とうさん、お帰り!
——ボグダン、ほら、りんごだよ」
お百姓は、すっかり夢中になり、坊やを抱きあげようとして、いきなり両手をひろげた。
手を放したから、たまらない。
肩にかついでいた棒がころがり、かごがふっとび、卵が道にほうりだされた。
「なんてこった!」
お百姓は、あわてて地面にはいつくばって卵を拾おうとしたが、もう、おしまい。
卵はひとつ残らず、ぜんぶ割れちまって、かごには、なにひとつ残らなかったんだって。
その時、旅の男がお百姓のそばを通った。
「おまえさん、いつから、わしの後にいたんだね」
「そうだな、おまえさんが儲ってから、すっかりなくなるまでさ」
                                                                   (八百板)
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