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世界昔ばなし16

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:金の鳥むかし、あるところに三人の王子のいる王さまがいました。王さまは、みごとな庭を持っていて、その庭には冬でも珍しい木が
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金の鳥                                                                     

むかし、あるところに三人の王子のいる王さまがいました。王さまは、みごとな庭を持っていて、その庭には冬でも珍しい木が茂り、花が咲いていました。
なかでも、王さまがたいそう気にいっていたのは、金のりんごがなるふしぎな木でした。りんごの木は、毎日お昼に花を咲かせ、夕方に実をつけ、夜の間に甘く熟れるのです。
ある朝、王さまが庭にでてみると、だいじな金のりんごが、一つもありませんでした。夜中になにものかがやってきて、りんごを一つ残らずもぎとってしまったのです。王さまは実のないりんごの木を見て、いったい、何ものがきたのだろうと考えました。
そこで、三人の王子を呼びよせて、夜のあいだ、りんごの見張りをするように命じました。まず上の王子が、弓と矢を王さまから受けとり、りんごの木を見張ることになりました。
その晩、王子は庭の小屋に隠れて番をしていましたが、夜が更けると、ひどい眠気に襲われ、弓を地面に落としてしまいました。そして、草の上にごろりと横になると、そのまま、ぐっすり眠ってしまいました。
朝になって、王子が気がついた時は、りんごは一つも残っていません。
つぎの晩は、二番目の王子が庭の見張りに立ちました。王子は眠くならないようにりんごの木の下を歩きまわっていましたが、くたびれて、木の下でぐっすり眠ってしまいました。
あくる日、末の王子が王さまに、りんごの木の見張りをさせてくださいといいました。
「上の二人の息子にできなかったことが、末の王子のおまえにできるはずがない」
王さまは、こういってとめましたが、それでも末の王子があまり熱心にたのむので、とうとう、おゆるしになりました。
その晩、末の王子は弓と矢をもって木に登り、茂った葉の陰にかくれ、暗くなるのを待っていました。末の王子は賢い若者でしたので、眠くならないようにと、短剣をぬいて小指を刺し、その傷ぐちに塩をすりこみました。傷ぐちが痛んで、少しも眠くなりません。
真夜中になると、急に光が差しこんで、あたりが昼のように明るくなりました。つばさが火のように燃えている金の鳥が、舞いおりてきたのです。
金の鳥は、すばやく木の枝にとまり、りんごの実を食べはじめました。王子は目がくらみましたが、ぐっと弓を引きしぼって、矢を放ちました。金の鳥は、ふわりと暗い闇の空に舞いあがり、とんで行ってしまいました。矢は羽根を一枚、射(い)おとしただけです。
朝になって、末の王子は金色の羽根を王さまに差しだしました。すると、部屋の中が目もくらむほど、眩(まぶ)しく輝きました。
「これが、ゆうべ金のりんごを食べにきた、金の鳥の落としたものです」
「おお、みごとだ。何と美しい羽根だろう。きっと、鳥はもっとすばらしいにちがいない」
王さまは、どうしても金の鳥が見たくなって、上の二人の王子たちも呼びよせていいました。
「わしは、ずうっと、おまえたちのだれにこの国を継がしたらいいものか、思案にくれていた。息子たちよ、これから、金の鳥を探しに旅にでるがいい。生けどりにしてきた勇気ある者に、国を譲ることにしよう」
「きっと、わたしこそ、金の鳥を捕えてまいります」
上の王子二人は、そう叫び、急いで旅の仕度をして金の鳥を探しにでかけました。末の王子も、あとから、ついて行きました。
ところが、勇んで城をでたものの、どこに行ったらいいのか、三人とも見当もつきません。あてもなく歩いているうちに、兄たちは、自分がこんな目にあうのは、みんな弟のせいだと腹がたってきました。
「ついてくるな! おまえは、一人で金の鳥を探すといい。ひと晩じゅう、眠らないでりんごの木の見張りをするほど賢いんだろう」
そういって、二人は弟を追いやって、自分たちだけ、どんどんさきに行きました。仕方がなく、末の王子は、ちょっと離れてあとからついて行きました。
しばらくすると、先を歩いていた二人は、背たけの小さなおじいさんにで会いました。
「やあ、お若いの! これから、どこへ行くんだね」
「ほっといてくれ」
二人の王子は、どんどん、歩いて行きました。
おじいさんは、今度は末の王子にで会いました。
「お若いの! これから、どこへ行くんだね」
「やあ、こんにちは! おじいさんも、ひと休みしませんか」
王子は、おじいさんと並んで木の下に座りました。そして、おじいさんにパンをちぎって分けてやり、一緒に食べながら、自分たちが旅に出たわけを話しました。おじいさんは、黙って聞いていました。
「もう少し行くと、道が上と下にわかれている所にでるが、兄さんたちとは別の道を行くがいい。わしが、あとから、金の鳥を探すのを手伝ってやろう」
まもなく道がふたつにわかれている所にさしかかり、兄さんたちは上の方の道を登って行きました。そこで、末の王子が下の道を歩いていると、おじいさんが追いついてきました。
「このあたりで、ひと休みしよう」
王子は草の上に横になると、すぐに眠ってしまいました。すると、おじいさんは若者の腕をかかえて、ものすごい早さで、どんどん歩きつづけました。若者が眠っている間も、おじいさんは昼も夜もすばやく歩きとおして、何日もかかって、ようやく金の鳥のいる町に着きました。
おじいさんは若者をつれて、町はずれの丘に登り、お城を指さしていいました。
「いいかね、よく聞くんだよ。あの大きな門を越えて中へ入りなさい。すると、小さな門が七十七もあって門番が一人ずつ立っている。だが、心配はいらない。ちょうど今、門番が眠っている頃だ。その奥に鉄の柵があって、その後ろに金の籠がつるしてある。だが、鳥だけを持ってくるんだよ。けっして、籠ごと持ってきてはならん。ひどい災難にあってしまうから」
王子は門番に見つからないように、大きな門をよじ登って庭に入りました。おじいさんがいったとおり、小さな門が七十七も並んでいましたが、運よく通りぬけ、やっとのことで金の鳥のいる所にでました。王子は鳥を抱いて帰ろうとしましたが、美しい金の籠が欲しくなって、とうとう、手に持ってしまいました。
とたんに、鈴をふったような音がお城じゅうに鳴り響きました。見張り番たちが目をさまし、駆け込んできて末の王子を捕え、王さまのところへつれて行きました。
王さまは、たいそう腹をたてて、どなりつけました。
「こら! なぜ金の鳥を盗もうとしたのだ。いったい、おまえは、なにものなのだ」
若者は、自分がある国の王子であることや、父王がだいじにしているお城の金のりんごを、金の鳥が毎晩やってきて食べてしまうことを話しました。
「おまえが金の鳥を探しに旅にでたわけは、よくわかった。だが、盗みだすのはよくないぞ! もし、どうしても金の鳥が欲しかったら、空とぶ馬をつかまえてくるのだ。おまえにその勇気があったら、その金の鳥をやろう。そして、わしの娘を嫁につかわそう。だが、つかまえられなかった時は、おまえの命はないものと思え」
王さまは、そういって若者をゆるしてやるように、家来に命じました。
若者は、空とぶ馬をつかまえてくることを約束したものの、こまったことになったと、がっかりしておじいさんのところに戻りました。そして、さっそくおじいさんに、お城であったことを、すっかり話しました。
「だから、あれほど、金の籠には手をだすなといったのに、どうして、いいつけを守らなかったんですか」
それでも、王子があやまると、おじいさんは、ぽんと、肩を叩いていいました。
「さあ、もう一度だけ、助けてあげよう。空とぶ馬を、いっしょに探してやるよ」
二人は、また旅にでました。途中で夜になりましたが、若者が眠っている間も、おじいさんは若者の腕をかかえて、ものすごい早さで、どんどん歩きつづけました。
こうして、おじいさんは昼も夜もすばやく歩きとおして、何日もかかって、ようやく空とぶ馬のいる町に着きました。
おじいさんは若者をつれて、町はずれの丘に登り、お城を指さしていいました。
「さあ、あの大きな門を越えて中へ入りなさい。すると、小さな門が九十九もあって門番が一人ずつ立っている。だが、心配はいらない。門番は眠っているから。その奥に鉄の柵があって、そのまた奥の馬小屋に探している馬がいる。だが、馬だけつれてくるんだよ。けっして、鞍(くら)や手綱まで持ってきてはならん。ひどい災難にあってしまうから」
王子は門番に見つからないように、大きな門をよじ登って庭に入りました。おじいさんがいったとおり、小さな門が九十九も並んでいましたが、運よく通りぬけ、やっとのことで空とぶ馬のいる所にでました。
馬は美しい金の鞍をつけていました。若者は鞍ごと欲しくなりましたが、おじいさんのいいつけを思いだし、たいへんなことにあうのは、もう、こりごりだと思いました。そこで、若者は鞍をはずすと、馬にとび乗って、おじいさんのところに戻りました。
二人は空とぶ馬に乗って、あっというまに金の鳥のいる町に着きました。馬が歩くたびに、石畳の道は蹄(ひづめ)でうち砕かれ、馬が息を吐くと、道端の塀(へい)や門の扉が吹きとばされる勢いです。
王さまは、若者が馬をつれてきたので、たいそう喜んで金の鳥を褒美(ほうび)にやりました。そして、約束どおり自分の娘をつれて帰るようにいいました。
お姫さまは、ひとめ見ただけで、勇気のある若者が好きになりました。王子も、美しい姫が、すっかり好きになったのです。
王さまは、二人のために、太陽のように輝やく指輪と、胡桃(くるみ)の殻(から)にたたんで入る、絹よりもうすい花嫁衣裳をくれました。王子は、ふしぎな胡桃の殻と指輪を身につけました。
こうして、末の王子は金の鳥と美しいお姫さまといっしょに、自分の国に帰ることになりました。
二人は町はずれまで馬車を走らせ、そこで待っていたおじいさんが、すばやくとび乗って、いっしょに王子の生まれた国にむかいました。
しばらくすると、道がわかれていました。
「ここからさきは、幸運を祈る!」
おじいさんはお城へ戻る道をおしえて、そこで別れました。二人は、おじいさんに礼をいって、どんどん、さきを急ぎました。
しばらく行くと、森の奥に、小さな宿屋がありました。王子は、ひと休みしようと馬車をとめ、花嫁の手をとって宿に入りました。
ところが、その宿屋は、王子といっしょに金の鳥を探しにでた、兄たちの宿屋だったのです。あれから二人は、坂道を登っているうちに、金の鳥を探すのがいやになってしまいました。
この世にいるかどうかわからない金の鳥を、命がけで探すよりは、しばらく遊んで暮らそうと考えたのです。そのうちに父王が死んだら、お城に戻って、二人で国を半分ずつ分けようじゃないか——と、こんなぐあいに、兄たちは話がまとまりました。そこで、二人は、旅人相手に宿屋をはじめたってわけです。
それからだいぶ歳月がたっていたので、二人の兄たちは、この立派な馬車に乗ってきた客が、末の弟だなんて、すぐには気がつきませんでした。それに美しい女の人までつれているのですから。
ところが、末の弟の方はすぐに、自分の兄たちだとわかりました。
「兄さん、まだ、わからないんですか」
右手の痣(あざ)を見せると、二人は、びっくりして顔を見あわせました。そんなかわった痣(あざ)があるのは、末の弟だけですもの。
そこで、三人の兄弟は、そろってお城に戻ることにしました。しばらく行くうちに、上の二人の王子は、お姫さまと金の鳥を奪って、手柄を横どりしようと考えました。二人は馬車をとめて、弟を森の奥へつれこみ、縄で木に縛りつけ、お城に戻りました。お姫さまは、兄たちに、このことをひとに喋(しやべ)ってはならないと脅(おど)かされ、ほんとうのことを話すことができませんでした。
王さまは、金の鳥を探しだしてきた二人に、約束どおり国を半分ずつ譲ることにしました。そして、お姫さまと上の王子の婚礼のしたくがはじめられました。
そのころ、末の王子は木に縛られたままで、三日のあいだ、何も食べていませんでした。ところが、運よく、道に迷ったやぎ飼いの若者が通りかかり、縄をほどいて、パンと飲みものをわけてくれました。王子はお礼をいって、自分が着ていたものを、やぎ飼いととりかえました。
みすぼらしい、やぎ飼いの身なりをした王子は、金の指輪と花嫁衣裳の入った胡桃の殻を持ってお城に行きました。お城じゅうが、上の王子の婚礼のしたくでせわしくしていたので、だれひとり、この若者が末の王子だとは気がつきません。王子は、調理場で働くことになりました。
夜になると、若者はお姫さまの部屋にむかって指輪をかざしました。あたりが、ぱっと明るくなりました。それを見て、お姫さまは、すぐに末の王子が生きていたことに気がつきました。
あくる日、お姫さまは、婚礼には胡桃の殻に入っている絹よりもうすい花嫁衣裳を着たいと、王さまにたのみました。王さまは姫のねがいをきいて、国じゅうにおふれをだしました。そのことは、末の王子の耳にも入ってきました。
そこで、末の王子は、国じゅうで一番腕がいいと評判の仕立屋をたずね、ひと晩でその花嫁衣裳をぬってみせると、いいました。
その晩、若者がなにをしたかですって。ひさしぶりに七面鳥の肉を腹いっぱい食べて、ぐっすり眠っただけですよ。
つぎの朝になると、ほんとうに胡桃の殻に花嫁衣裳が入っていたので、仕立屋はびっくりして、若者を王さまのところにつれて行きました。若者がお姫さまに胡桃を差しだすと、お姫さまはそこから衣裳をとりだしていいました。
「これは、わたしの父が、金の鳥を探しだした、勇気のある若者にあげたものです」
そこではじめて、王さまは、この若者が自分の末の息子だと気がついて、かけよって抱きしめました。そして、これはいったい、どうしたわけかとたずねました。
お姫さまは、今まであったことを、すっかり王さまに話しました。王子も、どんなふうにして、おじいさんの援助で金の鳥を手に入れたか、また、ずるい兄さんたちが、どのようにして自分の命を奪おうとしたかを、のこらず話しました。
その話を聞くと、王さまはひどく怒って、すぐに上の二人の王子を、国から追い払うようにいいつけました。
王さまは約束どおり、末の王子に国を譲りました。
若い王さまと、不思議な花嫁衣裳を着たお姫さまの婚礼は、国をあげて三日三晩、にぎやかにあげられました。それから二人は、いつまでも幸せに暮らしました。
                                                                   (八百板) 
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