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世界昔ばなし22

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:蛙の王様  三人の娘をもった王様がいた。けれども、王様は病気だった。遠くないところ、そうお城のちかくにね、井戸があった。
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蛙の王様
                                                                         
三人の娘をもった王様がいた。けれども、王様は病気だった。遠くないところ、そうお城のちかくにね、井戸があった。あったにはあったけど、だれひとり水を汲めない井戸だった。なぜって、そこにはこんなに大きな蛙が住んでいて、一滴たりとも汲ませないのさ。あるとき、王様は夢を見た。あの井戸の水を手に入れれば病気がなおるっていう夢だ。
いちばん上のお姫様が井戸に出かけて行って水を汲もうとした。でも蛙はそうはさせずに、こういった。
「まずぼくにキスしておくれ。そしたら水をやるよ」
「まあ」とお姫様は言ったんだ。
「蛙にキスなんかするもんですか。なんでしなくっちゃならないの」
お姫様はぷいっと帰ってしまった。
つぎに、二ばん目のお姫様が井戸に出かけて行き、水を汲もうとした。でも蛙はそうはさせずに、こう言った。
「まずぼくにキスしておくれ。そしたら水をやろう」
「まあ」とお姫様。
「蛙にキスだなんて、いやだわよ。こわいことが起こりそうだもの」
お姫様はぷいっと帰ってしまった。水一滴持たずにね。
そこで一ばん下のお姫様が言った。
「さあ、今度はあたしの番よ。あたしならきっと水を持ってこれるわ」
そして井戸へ行って水を汲もうとすると、蛙がでてきてこう言った。
「まずぼくにキスしておくれ。そうしたら水をやるよ」
「ああら」とお姫様。
「びしょびしょ蛙にキスなんかできるもんじゃないわ」
水をもらって、お父さんの願いをかなえてあげたいけど、蛙にキスなんかとんでもない。お姫様は帰るようなそぶりを見せた。すると蛙は言った。
「もしぼくがびしょびしょでつめたいのがいやだっていうのなら、ハンカチをあててキスしておくれ」
お姫様はハンカチをあててキスをした。蛙は井戸の中へ降りて行って水を汲んできて、それをたかだかとさしだした。お姫様が水を病気の王様に持って行くと、王様はたちまち元気になった。
さて、その日の夕方になってのこと、だれかが扉をたたいて歌う声がした。
♪あけて
あけて
王様の一ばん下のお姫様
ぼくが井戸にいたときに
結婚するっていったじゃない
王様の一ばん下のお姫様
 お姫様は扉をあける気なんかちっともない。とうとう王様がこう言った。
「どうした。早くあけなさい!」
お姫様が扉をあけてやると、蛙はツルーッといっきにすべってテーブルのま下にやってきた。
「さあ、いすにのせておくれ」
と言ったけど、お姫様はすましてた。恥ずかしいったらありゃしない。姉さんたちは大笑い。王様が言った。
「のせておやり!」
お姫様は蛙をつまみあげて、自分のいすにのせた。すると蛙はまた歌いだした。
♪食事のしたくを
食事のしたくを
王様の一ばん下のお姫様
ぼくが井戸にいたときに
結婚するっていったじゃない
王様の一ばん下のお姫様
 王様が食事のしたくをしておやりっていったので、お姫様はしたくをしなくちゃならなかった。そう、王様の一ばん下のお姫様だよ。そのお姫様、食べ物を運んで、テーブルの上に置いたけどいすにのっかった蛙にはとどくもんじゃない。それで蛙をテーブルにのせてやったんだ。蛙はまた歌いだした。
♪おしょうばんを
おしょうばんを
王様の一ばん下のお姫様
ぼくが井戸にいたときに
結婚するっていったじゃない
王様の一ばん下のお姫様
 なんてこと。いまここで、蛙とならんで食事だなんて、とんでもない。恥ずかしいったらありゃしない。お姫様は泣き出した。王様は言った。
「あいてが蛙だからって、なにが恥ずかしい! おしょうばんしてやりなさい!」
お姫様は蛙といっしょに食事した。食べおわって、ごちそうさまといってから、蛙はまた歌いだした。
♪寝床のしたくを
寝床のしたくを
王様の一ばん下のお姫様
ぼくが井戸にいたときに
結婚するっていったじゃない
王様の一ばん下のお姫様
 なんてこと。お姫様は、寝床のしたくをしてやらなけりゃならなかった。そう、王様の一ばん下のお姫様だよ。そのお姫様、蛙を寝床につれてった。寝床で蛙はまた歌いだした。
♪いっしょに寝て
いっしょに寝て
王様の一ばん下のお姫様
ぼくが井戸にいたときに
結婚するっていったじゃない
王様の一ばん下のお姫様
 なんてこと。ひんやり蛙と寝るなんてとんでもない。姉さんたちは大笑い。王様が言った。
「行かなきゃだめだ。行きなさい!」
お父さんの命令だもの、どうすることもできやしない。寝に行くしかないさ。お姫様は、ひんやり蛙のとなりに横になった。ところがすぐに起きあがり、蛙をつかんで部屋のすみへ投げつけた。
「おやおや、そういうことをするんだね。これがぼくへのお礼かい。もいちど寝床へ入れとくれ。それとも王様を呼ぶかい」
お姫様はすましてた。
「おまえには、そこのすみっこがおにあいよ」
「ぼくにとっちゃどっちでもいいけどね」
と蛙はいった。
「王様を呼ぶよ!」
しぶしぶとお姫様は蛙をひろいあげ、壁ぎわの寝床にぽいとのせた。そしてそのまま寝かせておいてやった。
よく朝、お姫様が目をさますと、それはそれは美しい王子さまが、自分のとなりに寝ていた。そしてあの井戸はお城に変わっていた。
二人はそれから結婚した。もし死んでいなければ、二人は今もまだ生きてるよ。
                                                                     (星野) 
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