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世界昔ばなし24

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:白雪姫  むかし、雪がふっている冬の日のことでした。ひとりのお妃が黒檀の枠の窓辺にすわって、ぬいものをしていました。お妃
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白雪姫
                                                                         
むかし、雪がふっている冬の日のことでした。ひとりのお妃が黒檀の枠の窓辺にすわって、ぬいものをしていました。
お妃は赤ちゃんがほしくてたまらないのでした。そのことばかり考えているうちに、うっかりしてはりで指をさしてしまいました。三滴の血が雪の上に落ちました。お妃は思わずこう言いました。
「ああ、赤ちゃんがほしい、この雪のように白く、この赤い血のように赤いほっぺたをして、この窓枠のように黒い目をした子が」
そのあとまもなく、お妃はたいへん美しい女の子をさずかりました。雪のように白く、血のように赤く、黒檀のように黒いので、「白雪姫」と名づけられました。
お妃は、国で一番の美人でした。ところが白雪姫はもっと、十万倍も美しかったのです。お妃さまは自分の鏡にむかって、こうたずねました。
「鏡よ、壁の鏡よ。このエンゲルランド国中でだれがいちばんきれい?」
すると、鏡がこたえて言うのに、
「お妃さまが一番。でも白雪姫は、お妃さまの十万倍も美しい」
お妃は自分が国中で一番美人だと思っていましたので、このこたえにがまんできませんでした。
やがて王さまが戦争に出かけたときをみはからって、お妃はぎょしゃに命じて馬車に馬をつけさせ、深くて暗い森へ行くようにと言いました。そして白雪姫をいっしょにつれていったのです。
その森には、美しい赤いバラがたくさん咲いていました。馬車がそこにさしかかったとき、お妃さまが白雪姫に言いました。
「ねえ、白雪姫や。ちょっと降りて、私にあのきれいなバラを折ってきてちょうだい」
白雪姫がお妃の言いつけどおり馬車から降りたとたん、馬車はものすごい速さで走り去ってしまいました。でも、これは、みんな前もってお妃がぎょしゃにいいつけておいたことだったのです。お妃は、白雪姫がじきに野獣に食い殺されてしまうだろうと思ったのでした。
さていっぽう、大きな森の中でひとりぼっちになった白雪姫は、泣きじゃくりながら、森の奥へ奥へと入って行ってしまいました。そして、すっかりくたびれはてたころ、小さな家の前にたどりつきました。その家には七人の小人が住んでいましたが、そのときはちょうど鉱山へ行っていてるすでした。
白雪姫が家へ入ってみると、テーブルがあって、その上に、お皿が七枚ならんでいました。そのわきには七つのスプーン、七つのフォーク、七つのナイフ、七つのグラスがならんでいました。そのうえ、部屋の中には、小さいベッドが七つありました。
白雪姫はそれぞれのお皿から野菜とパンをちょっとずつ食べ、グラスから一滴ずつ飲んでいるうちに、とてもくたびれていたので横になって眠りたくなりました。
白雪姫はベッドをはしからひとつずつためしてみましたが、どれもこれも合いません。
やっと最後のベッドがちょうどいい大きさだったので、そこに横になりました。
やがて七人の小人が一日の仕事をおえて、もどってきました。そして口ぐちに言いました。
「ぼくのお皿から食べたのはだれだろう」
「ぼくのパンをかじったのはだれだろう」
「ぼくのフォークで食べたのはだれだろう」
「ぼくのナイフで切ったのはだれだろう」
「ぼくのさかずきから飲んだのはだれだろう」
そしてまた、最初の小人が言いました。
「ほんとにまあ。ぼくのベッドに寝たのはだれなんだろう」
二番目が言いました。
「あれれ、ぼくのベッドにもだれか寝たあとがある」
そして三番目、四番目の小人と、つぎつぎ同じことを言い言いして、最後に七番目のベッドで、白雪姫が眠っているのを見つけました。でも小人たちは白雪姫がたいへん気に入ったので、かわいそうに思ってそのままねかしておいてやりました。七番目の小人は六番目の小人のベッドでなんとかくふうして寝なければなりませんでした。
さてつぎの日、白雪姫がぐっすり眠って目をさますと、小人たちは、ここへきたわけをたずねました。白雪姫は、お母さんのお妃に森の中に置きざりにされたことなど、何もかも話してきかせました。
小人たちは白雪姫がかわいそうになって、このままここにいて、自分たちが鉱山に出かけているあいだに、食事のしたくをしてほしいとたのみました。それから、お妃には注意をして、だれも家の中へ入れてはいけないと言いきかせました。
いっぽうお妃は、白雪姫が七人の小人のところにいて、森の中で死んだのではなかったことを耳にしました。
それでさっそく物売りのおばあさんの服を着て、小人の家の前に行きました。そして戸をあけて品物を見てほしいとしつこく言いました。白雪姫はそのおばあさんがほんとうはだれなのか、全然わからず、窓のところで言いました。
「だれも家に入れてはだめだと言われているの」
物売りは言いました。
「あら、見てごらんなさいよ。かわいいおじょうさん。とってもきれいなひもなんだよ。たんとお安くしてあげるからさ」
白雪姫は考えこんでしまいました。ひもは今ちょうどほしかったところだし、このおばあさんを中に入れたところで、どうってことないわ。きっといい物が買えるわ。そして白雪姫は戸を開けてひもを買いました。白雪姫がひもを買ったあとで、物売りが言いました。
「あらら。なんてだらしがない結びかたをするんだい。きっとお似合いだろうに。おいで。わたしにもっときちっとむすばせておくれ」
そう言って、じつはお妃が変そうしたおばあさんは、ひもを受け取ると、力いっぱいきつくしめたので、白雪姫は死んだようになって倒れてしまいました。お妃はそれを見とどけると、立ち去りました。
小人たちが家へ帰ってくると、白雪姫が床に倒れていました。それを見たとたん、だれがきたのか、すぐにわかりました。そして急いでひもをといたので、白雪姫は息を吹きかえしました。
小人たちは、これからはもっと気をつけないといけないよと言いきかせました。
お妃は自分の娘が元気でいることを知ると、じっとしていられなくなって、また変そうをして、小人の家の前にやってきました。そして白雪姫に、すばらしい飾りのついたくしを売りつけようとしました。
白雪姫はそのくしがほしくてたまらなくなり、ついつい戸をあけてしまいました。
おばあさんは中へ入ってきて、白雪姫の黄色い髪をときはじめたのですが、そのうちくしをグイと頭につきさしたので、白雪姫は死んだようになって倒れてしまいました。
七人の小人が家に帰ってくると、入り口はあけっぱなしで、床には白雪姫が倒れていました。
小人たちは、今度もまた、だれがこんなひどいことをしたのか、すぐにわかりました。
それですぐに髪からくしを取ってやると、白雪姫は生き返りました。
小人たちは白雪姫に、今度だまされたときには、もう助けられないからと言いました。
白雪姫がまた息を吹きかえしたことを知ったお妃は、たいそうおこりました。そして、またまた百姓女にばけて、りんごをひとつ持ってでかけました。そのりんごは赤くなった半分のほうが毒でした。
百姓女がきても、白雪姫は用心して、けっして戸をあけませんでした。そこでお妃は、りんごを窓ごしに白雪姫にわたしました。お妃はじょうずにかくれたので、ぜんぜん気づかれませんでした。
白雪姫はおいしそうなりんごだと思って、赤くなったところをかじりました。そして死んで床にくずれてしまいました。
七人の小人たちが帰ってきましたが、どうすることもできません。小人たちはたいへん悲しんで、ねんごろに葬りました。
それから白雪姫をガラスのひつぎに入れましたが、白雪姫はまるで生きているように見えました。小人たちは、ひつぎの上に白雪姫の名前と家柄を書き、昼も夜も、熱心に番をしました。
ある日、白雪姫の父王が国に戻るとちゅう、七人の小人が住んでいる森を通りました。王さまは、ひつぎを見つけ、そこに書かれた文字に気づき、自分のかわいい娘の死を知ってたいへん悲しみました。
でも王さまは、お供の中にたいへんな名医たちを連れていました。医者たちは、小人たちにたのみこんで、なきがらをもらいうけて、部屋の四隅に一本のなわをしっかりと張りめぐらしました。すると、白雪姫は、また生き返ったのです。
そこで、みんなそろってお城へ帰りました。白雪姫は美しい王子と結婚しました。
結婚式では上靴が火でまっ赤に焼かれ、お妃はそれをはいて、死ぬまで踊りつづけなければなりませんでした。
                                                                     (星野) 
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