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世界昔ばなし32

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:賭け   ぼうや、名前はなんていうのかい?「ハンスだよ」そうかい、おまえがハンスっていう名前なら、別のハンスのことを話し
(单词翻译:双击或拖选)
 賭け
                                                                          
ぼうや、名前はなんていうのかい?
「ハンスだよ」
そうかい、おまえがハンスっていう名前なら、別のハンスのことを話して聞かせようね。
五つまでしか数が数えられないハンスっていう実にまぬけなお百姓がいたんだよ。あるとき、このハンスが牛を引いて市場にいったんだがね、その牛がまるでカタツムリのようにのろくさ歩くわ、もたもたした足どりでハネは上げられるわで、ハンスのがまんの緒もとうとう切れちまった。そこでハンスはぶつくさと毒づき、そこらのガチョウたちにガアガアとあざけり笑われるほどムチを振り回したんだよ。それでも市場のほんの少し手前で、やぎを売りに出している男のそばに来るまでは、どうやら辛抱していたんだがね。
ハンスはやぎ売りの値段を耳にすると、ただこのめんどうな牛を厄介ばらいするために、早いとこ商売をしてしまおうと決めたんだよ。
「やあ、だんな」とハンスは言った。
「取り換えっこっていこうじゃないか。わしゃ、この牛を市場に引いて行くとこだったけんど、もしあんたがそのやぎを代わりにくれるんなら、わしの手間もはぶけて家に帰れるってもんさ」
やぎ売りのおやじさん、始めは目を丸くしていたが、やぎの代わりに牛だって、そりゃあ結構なことだと思い、やぎをハンスに押しつけて、牛を引いて家に帰った。ハンスはやぎを引いて家に帰るのに明るい気持だったよ。だって手に負えない牛の代わりにすてきなやぎを手に入れたのだからね。
でも、ハンスの喜びは長く続かなかったね。やぎが震え声で鳴き始めて、ハンスの前に立ちはだかり、その角で突き倒そうとハンスめがけて突っかかってきたのさ。この悪ふざけがやぎには気に入ったようでハンスは二、三回頭突きをくらったものさ。これでじきにハンスは不愉快になり、かんしゃくを起こして、このやぎをどこかの奴に押し付けるといううまい手を思いついた。ちょうど道端の家から、まるで口から先に生まれてきたようなお百姓のかみさんが、杖をついて出てきたんだよ。
「おはよう、おかみさん、取り換えっこしないかね」とハンスは話しかけた。
「なんだね、こん畜生がわめいていたんじゃあ、ちっともわかりゃあしないよ!」とおかみさんは叫んだ。
ハンスはやぎを連れておかみさんのそばに行き、やぎがわめいたり、鳴いたり、跳んだりするのもかまわずに、
「わしのやぎっこの代わりに、このガチョウをくれないかね」とおかみさんの耳もとで怒鳴った。
「わかったかい?」
「ああ、わかったよ。けど本気じゃあないだろうね」とおかみさんは言った。
「本気だともさ」とハンスは言って、おかみさんの手をしっかりと握って商売成立さ。
「恨みっこなしだよ」とおかみさんは言って、やぎを受け取り、その代わりにハンスにガチョウを押しつけたのさ。ハンスはガチョウを縄でつないで家に向かった。そして今日の商売は上々だったと思ったんだ。だけどその喜びもつかの間のことだったね。というのはガチョウが跳び回り、右に行ったり、左に行ったり、ちっともまともに歩こうとしないんだよ。ハンスは、もどかしくなり、ついにかんしゃくを起こして叫んだ。
「こんな馬鹿なガチョウより、アンズダケのほうがましだ」
鶏飼い娘がこの言葉を聞いて、すぐに家から飛び出し、鶏のフンを紙に包んでハンスの後を追いかけて来た。
「おうい、アンズダケはこの包みの中よ」
「えっ、アンズダケだって。わしのガチョウで売ってくれないかね」
「いいわよ。ガチョウをちょうだい。さあ、アンズダケよ」
鶏飼い娘はガチョウをうけとり家に飛んで帰った。ハンスはアンズダケを持って、家へ向かった。ガチョウの代わりに、なんだか不思議なものを手に入れたと思い、上きげんだったよ。きれいで上品な居酒屋の前にさしかかると、ハンスは素通りできないで、居酒屋に入り、腰をおろした。
ハンスがビールを飲み始めると、男たちはハンスを頭のいかれた奴というようにジロジロ見たり、臭いをかいだりし始めたのさ。
「こりゃあ、わしのポケットの中にあるアンズダケのせいかな」とハンスは回りの男たちに言いながら、その不思議なものを引っ張り出した。男たちはそのアンズダケを見るとドッと笑い、この百姓は調子が狂っているんだとすぐに気がついた。男たちはこの哀れなやつをばか者あつかいにして、これまでの事を次々と全部ハンスから聞きだしたのさ。ハンスがひとつひとつ、なにもかも語り終えると、皆は口々にさけんだ。
「おかみさんがなんて言うかねぇ」
「ああ、うちのばあさんかい、ばあさんは商売には口を出さないよ」
「でも、わしらは今日のことについちゃあ無事におさまるなんて信じないね」
「信じるも信じないもないさ。わしは自分のかかあのことはよく分かっているからね」
「今日、あんたが家に帰ったら嵐になるかどうか、賭けをしようじゃないか」
「賭けるって、どのくらい賭けるのかね」
「そう、わしらは百グルデン賭けるよ。あんたが家に帰っておかみさんにどやされたら百グルデン払えよ。でなきゃわしらがあんたに払うさ」
「いいだろう、本気だな」とハンスは答えて、男たちに約束した。
ハンスは立ち上がって家に向かった。男たちの中から二人が、おかみさんがどうするか見るためについて来た。
ハンスが二人の男と家に帰って来ると戸は閉まっていて、おかみさんはもう寝ていた。けれどもハンスの最初の声でおかみさんはすぐに戸口に来て、かんぬきを開けた。
「やっと帰って来たね。どうだい、牛は売れたかい」
ハンスが牛をやぎに取り換えたことを話した。二人の男は、もうすぐにも嵐がおっ始まると思ったんだよ。
「そりゃ、いいことをしたよ」とおかみさんは言った。
「やぎならえさもたっぷりあるしね。どうも牛にはいつも難儀していたからね。やぎはもう小屋に入れたかい」
「いんや、わしは役にたたないやぎのやつをガチョウに取り換えたのさ」
「そりゃあ、もっとよかったよ、ハンス。うちの布団は空っぽだからね。やっとその羽根で布団をいっぱいにできるよ。で、ガチョウはどこだい」
「ガチョウなんてもちろんいないさ。でもその代わりにアンズダケを持ってきたよ」
「悪かあないね、ハンス。今日となりの家に行ったんだよ、少し塩を借りにね。わかるだろう、おまえさん。となりったらなんだかんだって文句を言うんだよ。『アンズダケが欲しくてきたんじゃあないか』なんてさ。もうそんなこたあ言わせないね。今度はうちにだって、ちゃんとあるんだからさ」
ハンスと一緒に来た二人の男は、百姓とおかみさんのこのやりとりに、始めから終わりまで目を丸くしていた。そして、賭けに負けてしまったことに気がついたんだよ。二人はハンスに百グルデン払って、こっそりと出て行ってしまったのさ。
どうだい、この話おもしろかったかい、ハンス。
「うん」
おまえもこんなハンスになりたいかね。
「まぬけにはなりたかないさ、でも百グルデンは欲しいなあ」
                                                                     (杉本) 
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