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世界昔ばなし35

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:鍛冶屋の弟子  二人の泥棒があるとき絞首台のところへやってきた。一人がもう一人にこう言った。「こいつのことはよく話に聞い
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鍛冶屋の弟子
                                                                         
二人の泥棒があるとき絞首台のところへやってきた。一人がもう一人にこう言った。
「こいつのことはよく話に聞いてるが、どんな感じがするものか試してみようや。おれが首に縄をまいてみるから、おまえ、おれをぶらさげてくれよ。もういいと思ったら、にやっと笑って合図するからな、そしたら降ろしてくれ」
そういうわけで、片方がしばり首になってみた。縄がきつくなると、すごい顔で歯をむきだしたから、相棒は約束通り降ろしてくれた。
「どうだったね」
「思ったほど悪くなかったぞ。今度はおまえをしばり首にしてやるから、もういいと思ったら、口笛をふけよ」
それで、今度はもう片方がしばり首になって、やっぱり歯をむきだした。でも、口笛をふかなかったから、そのままにしておいた。相棒はそのうち待ちくたびれて、ぶらさがっているやつのポケットの中身を取って、さっさと行ってしまった。
キャンベル(聞き手)「……この話の続きを知ってますか」
マクロー(語り手)「いいや。でも鍛冶屋の弟子の話なら知ってるよ」
 昔、エリンに一人の鍛冶屋がいた。鍛冶屋には弟子が一人いたが、こいつが泥棒の名人で、何だって盗むんだそうだ。鍛冶屋のお客にあるだんながいて、あるとき、そのだんなが馬に蹄鉄をつけに鍛冶屋のところにやってきた。鍛冶屋とだんなは仲がよかったから、いろいろ話を始めて、そのうち鍛冶屋が弟子の泥棒の腕前を自慢した。とうとう、弟子がそのだんなの馬を盗めるかどうか、賭けようといいだして、だんなは盗めないほうに五ポンド賭けた。
さて、だんなは帰って、下男たちに馬を見張らせた。鍛冶屋の弟子はウイスキーをびんで三本買って、夜になると、例のだんなの農場へ出かけていった。そして、ごみの中に大の字になって、があがあといびきをかいてよっぱらったふりをした。
見張りの一人が聞きつけて、様子を見に外へ出てきた。よっぱらいの体をさぐっているうちに、ポケットに入ったウイスキーのびんを見つけて、そいつを抜き取って仲間に知らせて、みんなですっかり空にした。
「別のポケットにもう一本入ってないか、調べてみようぜ」
そう言って、みんなで出ていって、よっぱらいをひっくり返して調べてみたが、弟子はあいかわらずの大いびきだ。見張りの男たちは二本目を見つけて、厩へ入っていった。
しばらくすると、中がずいぶん賑やかになってきた。そのうちまた外へ出てきて、弟子をひっくり返して、三本目のウイスキーをみつけた。そいつを飲んで、みんなすっかりよっぱらって寝てしまった。
弟子は起き上がって、馬を盗みだして、鍛冶屋へ帰って寝た。
朝になって、だんなが鍛冶屋へやってきた。すると馬が目の前にいるもんで、賭けた金は払わなければならなかった。すると弟子はこう言った。
「こんなのはたいしたことじゃないですよ。今度はだんなの娘さんを盗み出します。二十ポンド賭けましょう」
「よろしい。賭けよう」
「親方、おいらの代わりに二十ポンド出してください」
それで、鍛冶屋は二十ポンド出して、だんなも二十ポンド出して、賭けをすることになった。
娘を盗むのに期限はつけなかったから、だんなは帰って娘の部屋に見張りをつけて、一晩中出たり入ったりさせることにした。
弟子はいろんなところに旅をして、反対側の港町に行った。エリンでのことだからね。そこにしばらくいて、ある船の船長と友だちになった。そして、いろいろ話をしたあとで(語り手はそれも語った)、船長は鍛冶屋の弟子を助けてやることにした。弟子は女のかっこうをした。すると、船長はこう言った。
「妹を乗せているって言ってやるよ。船が着いて、そのだんなの家に呼ばれたら、せいぜいうまくやるんだな」
船は出発して、エリンを回ってだんなの家の方へやってきた。船長はだんなのところへ行って、インドから長い旅をしてきたことを話してきかせた。
他に誰か船に乗ってるのかとだんなが聞いたので、船長はこう言った。
「妹が一人乗っているんですが、具合がよくないんですよ」
「妹さんをこっちに呼びなさい。うちの娘の部屋で寝るといいでしょう」
それで船長の妹はやってきて、みんなで楽しく過ごして、それから床についた。
でも、船長の妹は眠れなくて、だんなの娘にこう言った。
「あの人たちはいったい何なの? 部屋の中を歩き回ったり、窓の前を行ったり来たりして」
「わたしを盗み出すって賭けをした悪者がいるの。その人がいつ来るかと思って、お父さんが心配しているのよ。あの人たちはわたしを守る見張りなの。お金が気になるんじゃないんだけど、その悪者は前に一度お父さんを負かしたから、お父さんはすごく怒ってるの」
「まあ。わたし、ずっと海の旅をしてきて、気分が悪いのよ。何だかいらいらして眠れそうもないわ。これじゃあ、全然眠れないわ。あの人たちを外に出してくれたら、本当にうれしいんだけど」
それで、とうとう、見張りの人たちを外に出したんだけど、それでも船長の妹は眠れなかった。そしてこう言った。
「インドで、暑くて困ったときは、夜、外を歩くことにしていたの。今夜もすこし散歩すれば眠れると思うんだけど。散歩につきあってもらえないかしら」
それで、だんなの娘も起きて、二人で散歩に出ていったんだ。そして、少し歩いたところで、鍛冶屋の弟子は娘を抱えて、鍛冶屋へ連れていってしまった。
次の朝、だんながやってきて、賭け金を払った。それから弟子はその娘と結婚したそうだよ。
キャンベル(聞き手)「弟子が盗んだものはそれで全部ですか」
マクロー(語り手)「とにかく、おれが聞いたのはこれで全部だね」
                                                                     (岩倉)
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