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世界昔ばなし36

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:リビンとロビンと 茶色のリーヴァイ   昔、三人の男が一つの農場に住んでいた。リビンとロビンと茶色のリーヴァイだ。三人は
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リビンとロビンと
 茶色のリーヴァイ                                                                    

昔、三人の男が一つの農場に住んでいた。リビンとロビンと茶色のリーヴァイだ。三人は、三人とも仲がいいわけじゃあなかった。二人がリーヴァイを嫌っていたんでな。
ある時、リーヴァイの留守に、あとの二人は日ごろの恨みをはらそうと思って、リーヴァイの牛を一頭殺したんだ。リーヴァイは帰ってくると、死んだ牛の皮をはいで乾かした。それからポケットをふたつ作って縫いつけて、中にいろんな種類のお金を入れておいた。そして、その皮を持って、市の立つ町へ行った。誰か買う人がいないか、のんびりためしてみようと思ったのさ。
見ると、ひとりの男が、見たところ金持ちらしい様子をしているんだが、リーヴァイの方へやって来て、皮を買おうと値段をいった。でも、リーヴァイはそれじゃ安すぎると思った。で、「一緒に飲み屋へ入って、一杯やりましょうや」と言った。だんなも承知して、二人で飲み屋に入った。
リーヴァイが酒をたのんで、二人でそれを飲んだ。飲み代を払う時になると、リーヴァイは皮をステッキでポンとたたいて「払え、皮」と言った。すると、飲み代を払えるだけの金がとび出して床に落ちた。
「その皮はいつもそうやって金を払うのかい」と、だんなはきいた。
「そうですよ。飲み屋で何を飲んでも、皮が金を出すんです」
「私が買ってもそうするかな」
「もちろんですとも。おんなじですよ」
「それじゃ、百マークで買おう」
「それだけいただけるなら、だんなに売りましょう」
だんなは金を払って皮をもらった。そして、自分でもう一杯注文して二人で飲んだ。
「さっきみたいに皮をたたいてごらんなさい。そうすりゃ、さっきと同じに皮が金を払ってくれまさあ」
だんなが皮をたたいてみると、皮は本当に金を出した。
リーヴァイは皮をおいて帰った。だんなはいい買い物をしたと思って喜んで、もっと酒を注文した。そして、皮をたたいて、金を払えと言いつけたが、皮からはなにも出てこなかった。もう払わなくなったんだ。
リーヴァイは家へ帰った。次の日、リビンとロビンが家へやって来た。リーヴァイが皮を売ってもらった金を数えているところへ、二人が入ってきた。
「おい、リーヴァイ、その金どこでもうけたんだい」
「牛が一頭死んだんでな。皮をはいで町へ持っていったんだ。そいつを売って、この金をもうけたというわけさ。生皮は高い値段で売れるんだ」
二人は家へ帰って、めいめい牛を一頭殺して皮をはいで乾かした。それを持って町へ行って「生皮はいかがかね」って言いながら、行ったり来たりしていた。すると、何人か寄って来て、一枚で半クラウンとか一クラウンとか値をつけた。二人は、リーヴァイがもらったのと同じ値段でなけりゃ売らないことに決めていた。でも、そうはいかないってことがわかって、二人はしかたなく皮を持って帰った。
二人はリーヴァイの家へ行った。リーヴァイは二人と顔を合わせないように外へ出かけていた。だから、家には、ばあさん、ていうのはおふくろさんなんだけど、その他には誰もいなかった。二人はこうしたんだ。仕返しに、リーヴァイのおふくろさんを殺しちまったんだ。
リーヴァイが帰って来てみると、ばあさんが死んでいる。それで、経かたびらの代わりに普段着を着せて、死んだおふくろさんを連れて町へ出かけた。
町へ着くと、井戸をさがして、大きくて深いのをみつけた。それから、棒を二本持ってきて、それをつっかい棒にして、おふくろさんを井戸のそばに立たせておいた。
見ていると、ちょうど近くにある学校から、立派な様子の生徒が何人も出てくるところだった。リーヴァイは、いかにも偉い人の息子みたいな男の子に声をかけて、「井戸のところに立っているおばあさんに、もうそろそろ帰りたいから、こっちへ来るように言ってきてくれないか」と頼んだ。その子は、「いいよ」って、ばあさんのところへ行った。だけど、ばあさんは見向きもしない。それで、リーヴァイのところへもどって来て、「おばあさんは返事をしないよ」と言った。
「じゃあ、もう一回、大きい声ではっきり言ってやっておくれよ。息子が呼んでるからって言うんだよ」
子どもはもういっぺん、ばあさんのところへ行った。このおばあさん耳が遠いんだな、と思ったもんだから、大声でどなったのさ。それでも返事をしないから、ぐいっと押してみた。とたんにばあさんは井戸の中へまっさかさまだ。
リーヴァイは大声で番人を呼んだ。
「おふくろをおぼれ死にさせた子どもを捕まえてくれ」
すぐに役人がやってきて子どもを捕まえて牢屋に入れた。鐘を鳴らして、知らせが町じゅうに広がった。こういう子どもが、おばあさんを井戸でおぼれ死にさせて牢屋へ入れられた、とね。
その子どもというのが、なんと、市長の息子だったんだ。市長は、リーヴァイのところに来て、おふくろさんの命の代わりに、何をあげたら息子を許してもらえるか、ときいた。リーヴァイは、「大事なおふくろだから、とてもじゃないが、そんなことは」と返事した。
「お母さんがちゃんとしたお葬式をしてもらえるようにとりはかろう。それに、こんなふうに溺れ死になさったんだから、そのほかに五百マークさしあげよう」
「まあいいでしょう。だんなは立派な人なんだし、それで結構ですよ」
それで、リーヴァイは家へ帰った。
次の日、ふと見ると、あの二人が家のほうへやってくる。リーヴァイは、おふくろのかわりにもらった金を数えはじめた。
「おい、その金、どこでもらったんだい」
「おふくろが死んだんでね、町へ持って行って売ったんだ。死んだばあさんは高く売れるぞ。骨で粉を作るんだとさ」
「それじゃあ、おれたちもやってみよう」
ひとりは自分のおふくろはいなかったんだが、姑がいた。だから、めいめい、ばあさんを殺したってわけだ。
次の日、二人はばあさんを肩にかついで町へ行った。「死んだばあさんはいかが」って、大声でふれながら行ったり来たりしていると、町中のやくざ者やら犬やらが集まってきた。二人ともばあさんの足を肩にかついでいたんで、死体は背中にぶらんと下がっていた。大勢に取り囲まれそうになって、二人は一目散に逃げ出した。町の反対側へ抜けた時には、ばあさんの死体はあとかたもなくて、肩にかついだ足が残ってるだけだった。二人はそれを追ってきたやつらに投げつけて、命からがら逃げていった。
リーヴァイは、あの二人がまた痛い目にあわせに来るんだろうと思って、二人が帰ってくる頃に、女房と一緒に大宴会をやってやることにした。それで、ほんとにそうしたわけだ。テーブルいっぱいに食べ物や飲み物を広げて大盤振る舞いだ。それから、羊の腸に血を入れて、女房の首に巻きつけた。
「さてと。あの二人が来たら、もっと食い物を出せっておまえに言いつける。で、出し方が少なくなってきたら、おれは立ち上がってナイフを取って、おまえの首のとこの袋を突き刺して、床にそっと倒してやる。少ししたら角笛を吹く。そうすると、おまえは起き上がって体を洗って、もとのまんま、ぴんぴんしてるというわけさ」
さて、リビンとロビンがやってきた。
「やあ、入れよ。町へ行った帰りで腹がへってるだろう」
三人の前には、食べ物も飲み物も十二人前ぐらいあった。リーヴァイは、しょっちゅう、もっと出せ、もっと出せ、と女房に言いつけた。そのうち、立ち上がって、女房の首に巻いた袋にナイフを突き刺した。
「おい、リーヴァイ、おまえもばかなやつだが、なんでおかみさんを殺したりしたんだ」
「あんたたちは食事をしててくれ。おれは好きな時に女房を生き返らせるんだから」
二人はびっくりするやらこわくなるやら、食べ物がのどをとおらない。リーヴァイは立って角笛を取って吹いた。女房は起き上がって、ぶるんと身ぶるいした。
「さあ、これからはおとなしくして、おれが言うことに逆らうんじゃないぞ」
リビンとロビンは帰っていった。リーヴァイがやった不思議なことを見たら、とても一緒にいられなくなっちまったんだ。
「おれたちの女房だって、リーヴァイが食わせてくれたぐらいのごちそうを出してくれて当たり前っていうもんだ。そうしないんなら、リーヴァイがやったのと同じ目に合わせてやろう」
家へ帰るとすぐさま、二人は自分の女房に、「ごちそうを出せ、リーヴァイが出してくれたのよりも立派なのを作れ」と言いつけた。女房は二人とも言われたとおりにしたが、二人はおさまらない。もっとだ、もっとだ、とさいそくし続けた。
「まあ、リーヴァイに飲まされて、酔っぱらっちまったんだね。おまえさんたら、自分が何を言ってるかわかってないんだよ」
と、女房は言った。二人の男はすぐさま立ち上がって女房ののどをかき切った。女房はひっくりかえって、のどからどくどく血を出した。
それから、女房を生き返らせようと思って角笛を吹いた。今までずうっと吹いてたとしても、女房は生き返るわけないよな。生き返らないとわかると、二人は何がなんでもリーヴァイを捕まえようと思った。
二人が来るのを見て、リーヴァイはあわてて逃げ出した。二人は他のものはなんにも目に入らない。何がなんでもリーヴァイを殺してやろうと、追いかけた。
しばらく走っていくと、リーヴァイは、羊の群れを連れた男に出会った。
「あんたのプレードをとっておれの服を着るんだ。男が二人、あんたを殺しにこっちへ来るぞ。早く逃げろ。でないと、すぐにおだぶつだ」
男は言われた通りに逃げていった。二人はその後を追いかけていった。休みもしないで追いかけて、とうとうそいつをティ・アン・ロバンの黒くて深い沼に突き落とした。男は落ちて、二度と姿を見せなかった。二人は家へ帰っていった。
次の日、二人が外を見ると、リーヴァイがみごとな羊の群れの番をしている。二人は近くへ寄っていった。
「リーヴァイ、おまえには何をしてやっても、じゅうぶんってことがないんだな。おれたちはゆうべ、おまえをティ・アン・ロバンの沼にぶちこんでやったと思ったが」
「そこで羊を見つけたのさ。わからないかい」
「おれたちも沼へ入ったら、羊が見つかるかな」
「もちろんさ。おれがあんたたちを沼へ入れてやればだが」
リビンとロビンはすぐさま出かけ、リーヴァイはあとからついていった。沼のところにくると、二人は立ち止まった。リーヴァイは後ろから来て、二人を沼に突き落とした。
「羊がほしけりゃ、そこで釣りな」
リーヴァイは家へ帰って、農場を全部自分のものにした。
私はそこでみんなと別れた。
                                                                     (岩倉) 
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