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世界昔ばなし42

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:ジャネットと悪魔むかし、田舎に働きに出てる娘っこが一人いて、婆ちゃんが病気だって噂を聞いたんだって。そんで、つぎの日、会
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ジャネットと悪魔                                                                  

むかし、田舎に働きに出てる娘っこが一人いて、婆ちゃんが病気だって噂を聞いたんだって。そんで、つぎの日、会いに行くって、家を出たんだ。ところが、あんまり行かねえうちに、わかれ道に出ちまって、どっちに行ったらいいかわからねえ。すると、一匹の牡豚を連れたおっかない男がやってきたって。
娘っこは、婆ちゃんが病気なんだが、どっちの道に行ったらいいかって聞いたんだ。男は「左に行きな。それが一番いい道だし、近いよ。すぐに着くから」って、おせえたって。
娘っこが、そっちへ行くと、そりゃあ一番遠回りの悪い道だったから、婆ちゃんとこへ行くのに、すっかり時間くっちまった。さんざん苦労して、遅くなってやっと着いたって。
ジャネットってのが娘っこの名前なんだが、その子が悪い道をあっち行ったりこっち行ったりしてるうちに、嘘つきの悪党は、近い良い道を通って、娘っこよりずっと早く婆ちゃんの家に着いたって。そうして、かわいそうに婆ちゃんを食っちゃって、血を戸棚にしまって、ベッドに入ってた。それから娘っこがやってきて、戸を叩いて、戸を開いて入って、言ったって。
「婆ちゃん、具合はどう」
「あんまり、よかないよ」って、その悪党は作り声で、つらそうに返事して、
「おなかは、すかないかい」って聞いたって。
「ええ、婆ちゃん、なにか食べるものない」
「戸棚に血があるから、なべで煮て食べな」
娘っこは、いうとおりにしたって。
ところが、血を煮てると、煙突のほうから天使さまの声みたいのが聞こえて、言ったって。
「ああ、婆ちゃんの血なんか煮て、ばちが当たるよ」
「婆ちゃん、煙突の上でなにか言ってるよ」
「そりゃ、なんでもないよ、おまえ。小鳥がうたを歌ってるのさ」
それで、娘っこは、また血を煮てたって。そしたら、声がまた歌いはじめたんだ。
「ああ、婆ちゃんの血なんか煮て、ばちあたりの娘が」
それで、ジャネットは言ったんだ。
「婆ちゃん、おなかいっぱいになっちゃった。この血はいらないわ」
「それじゃあ、ベッドにおいで。ベッドに」
ジャネットは、ベッドに行って、そいつの横に寝ると、びっくりして叫んだって。
「まあ、婆ちゃん、なんて大きな手なの」
「おまえを、しっかり抱(だ)きしめるためだよ、抱きしめる」
「まあ、婆ちゃん、なんて大きな足なの」
「そりゃあ、おまえ、上手に歩くためだよ、上手に歩く」
「まあ、婆ちゃん、なんて大きな目なの」
「おまえを、しっかり見るためだよ、見る」
「まあ、婆ちゃん、なんて大きなお口なの」
「そりゃあ、おまえ、上手に食べるためだよ、上手に食べる」
ジャネットは、こわくなって、言ったって。
「まあ、婆ちゃん、用たしに行きたくなったわ、とっても行きたいわ」
「ベッドで、しちまいな、ベッドで」
「そりゃ、きたないわ、婆ちゃん。あたしが、行っちまうのが嫌だったら、あたしの足に毛糸の紐を縛りつけときゃいいじゃない。あたしが外にいるのが、つまんなくなったら、引っ張ればいいのよ。あたしのいる所がすぐにわかって、安心よ」
「おまえの言うとおりだよ、おまえの」
それで、その怪物は、毛糸の紐をジャネットの足に縛りつけたんだ。そしてそのはしっこを持ってたって。娘っこは、おもてに出ると、紐を切って逃げ出した。すると、すぐににせの婆ちゃんは、言ったって。
「もう出たかい、ジャネット、もう出たかい」
そしたら、あの天使の声がまた煙突の上から返事したんだ。
「まだだよ、婆ちゃん、まだだよ」
でも、すっかり時間がたつと、
「おわったよ」って言ったんだって。
怪物は、毛糸の紐を引っ張ったけど、そのはじっこにゃあ、なんにもついてない。
その悪魔は、カンカンに怒って起き上がると、豚小屋においといたでっかい牡豚に乗って娘っこを捕まえようと走りだした。そうして洗たく女たちが洗いものしてる川までくると、こう言ったって。
「娘っこひとり、見なかったかい、バルベット犬をつれた、娘っこひとり」
「見たとも」って洗たく女たちは、答えたって。
「あたしたちが、川の水にシーツ広げたら、その上を渡ってった」
「そんなら、おれも渡るから、ひとつ広げてくれないか」って、悪党が言ったって。
洗たく女たちが、水の上にシーツ一枚広げると、悪魔の奴は牡豚にのって渡りはじめたって。ところが、たちまち沈んじまって、大声あげて叫んだって。
「飲み込め、飲み込め、でっかい牡豚! おまえがぜんぶ飲みほさなけりゃ、おれたち二人はおぼれ死ぬ」
ところが、牡豚も全部は飲み込めなかったから、悪魔は牡豚と一緒におぼれちまって、娘っこは、助かったんだって。
                                                                     (樋口)
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