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世界昔ばなし44

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:ディクトンさん   むかし、大きな栗の木が影をおとすヒースの茂みの中に、すばらしく立派な宮殿があった。宮殿の持ち主は、こ
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ディクトンさん
                                                                          
むかし、大きな栗の木が影をおとすヒースの茂みの中に、すばらしく立派な宮殿があった。宮殿の持ち主は、この世で最も美しい宮殿だと信じていたが、それにはもっともなわけがあった。なにしろ宮殿は自分のものだし、そこでは気持ちよく眠れたし、建てたのはほかならぬ自分だったのだから。
宮殿の持ち主である幸せな人物はディクトンさんという名だった。ディクトンさんにとって、木の枝やしだの葉でつくったこの小さな小屋はじゅうぶん宮殿に匹敵したのだった。ディクトンさんはなんの気がかりもなく、まるで物ぐさ太郎みたいに、のらくらとなにもせず静かに暮らしていた。三人の家族、すなわちディクトンさんを卵で養ってくれる三羽のめんどりといっしょに。
ディクトンさんには、めんどりの肉が大好物という友達がいた。とくに長い道のりを走ったあとでお腹がぺこぺこになったとき、この友達はめんどりをとても食べたがった。友達はキツネくんだった。
ところで、ある日のこと、キツネが足はくたくた、お腹はぺしゃんこ、舌(した)はだらりとたれさがったようすで、しだの宮殿にやってきたかと思うと、猫なで声で、めんどりを一羽くださいとディクトンさんにたのんだ。ディクトンさんは大声でさけんだ。
「めんどりを一羽だって! それじゃわしは永久にひもじい思いをしなけりゃならんじゃないか!」
いくら理くつで説明しても、議論ずきの女みたいに議論をたたかわせてもむだだった。キツネはなんとしてもめんどりをほしがったので、ディクトンさんはどん欲な相棒のいうことを聞き入れないわけにはいかなかった。キツネは、この恩はきっと忘れないよ、といって帰っていった。
長いこと歩いたあとで、キツネは、シャコの飛びたつのがよくみえる場所にやってきた。シャコの群れは、キツネが近づくととても不安そうになった。フル、ル、ル、もう飛びたとうとしているシャコの群れに、遠くからキツネが叫んだ。
「こわがることなんかこれっぽっちもないよ。ぼくはお使いとして送られてきたんで、きみたちに悪さする気なんてぜんぜんないんだ。王さまは、きみたちがもっと美しくなるように、しっぽを金いろにしてあげようとおっしゃっておいでだ。さあ、パリへ行こう、そしてしっぽを金いろにしてもらうんだ。ぼくが案内するよ」
この言葉を信じたシャコたちは、あとにしたがった。城のバルコニーに出てみた王さまは、降ってわいた雲のような鳥の群れが、空いちめんにあらわれるのを見た。まるで五百本のから竿(さお)の鳴るような騒ぎだった。
「王さま、あなたの忠実な臣下であるディクトン氏からの贈り物でございます」キツネがいった。
城の大門が開かれ、鳥籠の扉という扉が開かれると、金いろのしっぽにしてもらえるものとおもいこんだシャコの群れは、喜びいさんでとびこんでいった。しかし、大鳥籠にはいったシャコたちは、うむをいわさず閉じ込められてしまった。
キツネはふたたびしだの宮殿へとひきかえした。長い道のりだったがどうにかたどりついた。最初のときとおなじように、足は棒のようにくたくた、お腹はぺこぺこできゅうきゅう鳴っていた。そこで友達にこうたのんだ。
「めんどりを一羽くれないかい?」
こんどは、前よりずっと強く、ディクトンさんはきっぱりと、不愉快そうに叫んだ。
「なんてこった! キツネくん、わしはどうやって生きていけばいいのだ。神さまおたすけくださいといいたいよ、まったく」
しかし、かわいそうなディクトンさんは、またも無理なたのみを聞き入れて、めんどりをあたえることになってしまった。
キツネはまた旅にでた。長いこと旅をつづけたのち、とうとうある日のこと、ひろい野原を横ぎって走っていると、地面をおおいつくすかとおもわれるほどのヤマシギの大群にでっくわした。キツネがあらわれたので、ヤマシギはあわてて逃げだそうとしたが、ずるがしこく、口も達者なキツネは、上手にヤマシギをなだめすかし、パリへ行けばしっぽを金いろにしてあげるという約束をちらつかせたあげく、とうとうヤマシギにそう思いこませてしまった。
物見高いヤマシギをあとにしたがえ、キツネはふたたび王さまのバルコニーの前にあらわれた。そして、ディクトン氏からの二度めの贈り物をお納めくださいといった。王さまが扉を開かせたとたん、まだこのころはだまされやすいという噂どおりだったヤマシギは、仕掛けられた網にまんまとかかってしまった。
キツネは、王さまのお礼の言葉をおみやげに、腹の底まで飢えきってディクトンさんのところへもどってきた。友達の持っている最後のめんどりを食べたところで、とうていこのすきっ腹をまんぞくさせるにはほどとおかった。二羽のめんどりをうしなって、すっかりやせてしまったディクトンさんは、最後のめんどりもキツネにやってしまった。それで、もはやどうしようもなく、いっしょに行こうというキツネの誘いにのることにしたのだった。
「なんとか稼いでいくさ、もうけは兄弟のように分けあうことにしよう」とキツネがいった。
しだの宮殿に別れをつげることになったディクトンさんは、つらくて名残りおしくて、さめざめと泣いた。道みちふりかえって、だんだん遠のいていくなつかしい小屋の栗の木を、肩ごしに眺めようとしては立ちどまるのだった。
なん日かのあいだ、危険がいっぱいの暮らしをおくったのち、二人の仲間は、大草原のなかを走る雌鹿の大群に出会った。悪巧みを発揮するチャンスがきたとばかり、キツネはディクトンさんを残して雌鹿の群れに近づいた。キツネに気づいた雌鹿たちは、角(〈ママ〉)を立てて身を守ろうとかまえた。しかしずるがしこいキツネは、こんども、パリへ行けばしっぽを金いろにしてやるという話でまんまと雌鹿を説きふせてしまった。
目の前に連れてこられた雌鹿の群れをみて、あまりの気前よすぎるディクトンさんの贈り物に目をみはった王さまは、キツネに向かってこういってきかせた。これ以上、お金持ちの殿からの豪華な贈り物を受けとるわけにはいかない。心からの感謝の気持ちをじかにおつたえしたいので、ディクトンさんに会えればたいへんうれしい、と。キツネは、すぐ案内してお連れします、と約束した。そして、さっそくディクトンさんを迎えにいき、王さまの願いをつたえ、いっしょにパリへとんでかえった。
都に近づくにつれ、ディクトンさんのやせた、みすぼらしいようすが、王さまにお目通りするにはふさわしくないと思われてきた。キツネはむだにキツネをやっていたわけではないので、たちまち知恵袋から悪巧みをとりだした。つまり、ディクトンさんは、生け垣のうしろにかくれる。一方、キツネは王さまのところへいき、旅のとちゅう、強盗につかまって身ぐるみはがれ、盗まれたうえにひどい仕打ちを受けたディクトンさんの身のうえに、王さまの関心をひくような話をする。だから、王さまがなにをお聞きになっても、「はい、そうです、そうです」と答えていればよい、という計画だった。
ディクトンさんはすばらしいもてなしで歓迎され、本物の宮殿に泊まることになった。つぎの日、キツネは、王さまをディクトンさんのお城へ招待した。宮廷じゅうの人びとがいっしょにでかけることになった。道順を説明したあとで、キツネは先触れをするためにひとあしさきにでかけた。とちゅうで、羊飼いや百姓やぶどう摘み、森の枝下ろし人たちに会うたびにキツネは叫んだ。
「お前たちに命令だ、いうとおりにしないと殺してやるぞ。お前たちも、お前たちの家畜も、畑も、ぶどうの木も、森も、なにもかもみんなディクトンさんというお名前の領主さまのものだ、いいか、そう答えるんだぞ」
キツネはとうとう美しいお城についた。お城では立派な婚礼の宴が開かれていた。
「かわいそうなみなさん! あなたがたはおしまいです。王さまが軍隊を率いてやってきます。すぐにそこに積んである大きな藁の山にかくれないと、やっつけられてしまいますよ」
まもなく、王さまと宮廷の人びとが到着した。だれもかれもがディクトンさんの裕福ぶりにお世辞をいった。宮廷の浮かれ者たちにかこまれ、すっかりどぎまぎして、生きた心地もないディクトンさんは、ただ、「はい、そうです、そうです」と答えるばかりだった。みんなが満足して食事が終わると、キツネは、お祝いのしるしに藁の山に火をつけようといった。
「わたしの主人はこの十倍も持っていますし、こんなのは役にたたない屑のようなものです」と、無駄づかいをやめさせようとする王さまにキツネはいった。
大きな火が燃えて領地を照らし、その領地を持ち主の手からディクトンさんの手へと渡すことになった。
こうしてキツネは友達の三羽のめんどりの価をしはらい、恩返しをしたのだった。
                                                                     (新倉)
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