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世界昔ばなし49

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:三つのオレンジむかしあるところに王さまがいました。王さまには息子が一人ありましたが、その息子はいつも暗い顔をしていて、だ
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 三つのオレンジ                                                                       

むかしあるところに王さまがいました。王さまには息子が一人ありましたが、その息子はいつも暗い顔をしていて、だれにも笑わせることはできませんでした。王さまはなんとか息子を元気づけようといろいろなことを試してみてから、とうとう泉に油の壺を三つ置いてみることにしました。そうすれば町の人たちが油を汲みにくるでしょう。
三日目になって油が残り少なくなったとき、ひとりのおばあさんが小さなびんをもってやってきました。おばあさんはやっとのことで油をびんにいっぱいにして、帰りかけました。そのとき、窓から王子がおばあさんのびんをめがけてボールを投げたのです。びんは粉々になってしまいました。びんが割れて油がこぼれると、王子ははじめて笑いました。
おばあさんは顔をあげていいました。
「おまえさんは三つのオレンジの娘をみつけるまでは、けっして幸せにはなれないよ」
それをきくと王子はまた沈みこんでしまいました。
ある朝、王さまが起きて息子を探すと、置き手紙が見つかりました。手紙には三つのオレンジの娘を探しに行くと書いてありました。
王子はどこまでもどこまでも歩いていって、いくつも国を通りすぎ、とうとう、とある小さな家にやってきました。ここで、三つのオレンジの娘をどこでみつけることができるかたずねました。すると、そんなに遠くないところにあるけれど、鬼が見張っているよと教えてくれました。その鬼は目をつぶっているときは起きていて、目があいているときは眠っているというのです。鬼のいる所に着くと、いわれたとおり、よく気をつけたので、王子は鬼に邪魔されもせず、気づかれもしないで三つのオレンジをとることができました。
王子はオレンジを一つ割りました。すると、とても美しい娘があらわれて、着るものをくださいといいました。けれど王子はそんなものは用意してなかったので、娘は消えてしまいました。王子は豪華な服を買ってきて、もう一つのオレンジを割りました。すると前よりもっときれいな娘があらわれて、着るものをくださいといいました。娘は服を着ると、こんどは櫛(くし)がないといいました。王子が櫛をもってなかったので娘は消えてしまいました。さいごに王子は三つ目のオレンジを割りました。するとまた娘があらわれました。今までよりもっと美しい娘でした。娘は着る物をほしがりました。服を着ると櫛をほしがりました。王子は櫛もわたしました。これでもう足りないものはありませんでした。王子はこの娘を自分の邸(やしき)につれて帰ることにしました。でも、歩いてつれていくのはこの娘にふさわしくないと思いました。
「馬車をとりに行ってきます。その間あなたにどこで待っていてもらったらいいでしょう」
そういって王子が目をあげると、びっしり葉のしげった木が目につきました。
「そうね、あの木に登っていましょう。その間に髪をとかしていますわ」
娘は木に登り、髪をとかしはじめました。王子はお供(とも)の人をつれに行きました。
木の下には井戸がありました。井戸からあまり遠くないところに小さな家があって、娘が三人住んでいました。三人ともみにくい娘でした。
いちばん上の娘が水がめをもって井戸に水汲みにやってきました。井戸の水に木の上のお姫さまの姿が映っていました。水がめをひきあげてしまうと、水に映った美しい姿がみにくい娘にも見えました。娘はてっきり自分が映っているのだと思って、水がめを投げ出して帰ってしまいました。そして家に帰ると、こういいました。
「みんながわたしのことをみっともないっていうけど、ほんとはとってもきれいなんだわ。もう水汲みなんかする気になれないわ」
二ばん目の娘も同じことをしました。
でも、いちばん下の娘のセラフィーナはほかのだれよりもかしこかったので、顔をあげて上を見てみました。それで木の上に美しい娘がいるのがわかりました。
「おじょうさん、髪をとかしにいってあげましょう」
セラフィーナはそういって木に登っていき、美しい娘の髪をとかしはじめました。そして、とかし終えると娘の頭にピンをつきさしました。娘は美しいハトになってとんでいってしまいました。みにくい娘は美しい娘の服を着こみました。
王子はお供の人たちをつれて戻ってきて娘を見ました。このみにくい娘があの美しかった娘だとはとても思えません。お供の人たちは顔を見あわせて笑いました。王子があんなに美しいといっていた娘があっというまにこんなに変わってしまったとは信じられなくて、お供の人たちはその娘にわけをききました。娘は、木の上でお日さまにさらされていたからこんなに黒くなってしまったのだとこたえました。
邸に戻って、つぎの日、豪勢なごちそうが用意されました。焼き肉が出る番になりましたが、いつまで待っても出てきませんでした。そのときコックがやってきて、肉がこげてしまったといいました。ハトが一羽窓にきて、「こんにちは、コックさん」と話しかけたというのです。
「こんにちは、ハトさん」とコックが答えると、
「肉がこげてしまいますように。セラフィーナが肉を食べられませんように」とハトがいったと、コックは王子に報告しました。
「わたしは三回も肉を焼きなおしましたが、三回ともこげてしまいました」
王子は、そのハトをつかまえてここにつれてくるようにいいました。
花嫁はそんなことはしてほしくありませんでしたが、コックは王子のいうとおり、ハトをつかまえてきてテーブルに置きました。ハトはすぐに花嫁のお皿に入って中の料理を花嫁の衣装にひっくりかえしました。花嫁は怒って、こんなハトは追いはらえとわめきましたが、王子はハトをつかまえてなでました。するとハトの頭に小さなふくらみがあることがわかりました。王子はそれがピンだということに気がついたのでぬいてやりました。すると、ハトは王子のほんとうの花嫁のあの三つのオレンジの美しい娘に戻りました。
みにくい娘はピッチのシャツを着せられて広場で焼かれました。そして、美しい娘は王子としあわせに暮しました。
二人はたのしく暮したけれどわたしには何もくれなかった。
わたしは小さなお菓子をもらったけれど、小さな穴に入れといた。
いまでもあるかどうか見にいってごらん。
                                                                     (剣持) 
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