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世界昔ばなし50

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:うかれヴァイオリン 昔、お百姓に息子が一人あった。これがなんともばかな息子で、お百姓にいわせれば、まるきり使いものになら
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うかれヴァイオリン                                                                   

昔、お百姓に息子が一人あった。これがなんともばかな息子で、お百姓にいわせれば、まるきり使いものにならないというしろものだった。そんなわけで継母はひどくこの子を嫌い、なんとかしてやっかいばらいしてやろうと考えた。
ある日、継母は近くの修道士を呼んでこういった。
「どうか私に力を貸してくださいな。親切な修道士さん。うちの子ったら世界じゅうで一ばんのばか息子でなにひとつまともにできやしないんですよ。私の目の届かないところへやっちまってもらえないかしら」
「よろしいですとも。わたしが息子さんをつれていって、あなたのご満足のいくように仕事をさせておきましょう」と修道士はこたえた。
男の子は修道士についていった。修道士はこの子を自分の修道院につれていくと、羊たちとパンの入ったかごをわたしていった。
「そのあたりの原っぱへ行ってこの羊の世話をしておくれ。パンは二日分たっぷりある。二日たったら見にいくからね」
新米の羊飼いは出かけた。そして原っぱにつくと木かげに腰をおろし、羊たちが草を食べている間、パンをかじったり、たのしそうに歌をうたったりしていた。そこにひとりのおじいさんがやってきた。ぼろをまとって、やつれはてたようすをしていた。
「どうかおめぐみを。親切な羊飼いさん。パンをひときれくださらんか。わしは腹がへって死にそうだ。神様がきっとおまえさんをお守りくださるだろう」
「好きなだけおとりよ、おじいさん」
男の子はそういっておじいさんにかごをわたした。
おじいさんはパンをひとつとった。そして、そのパンを食べながら羊飼いにいった。
「ありがとうよ。やさしい子だね。ああ、これでおなかがいっぱいになった。さて、わしはおまえさんの親切にお礼をしようと思う。ほしいものをいってごらん。そいつをあげよう。わしは神様なんだからな」
男の子はこたえた。
「おいらはどんな鳥だってとれる鉄砲がほしいんだけど」
「さあ、これがその鉄砲だ」とおじいさんはいって鉄砲をわたした。
男の子は大よろこびで鉄砲を試してみた。あのおじいさんがいったことはうそじゃなかった。あれはたしかに神様だった。そんなものをくれるのは神様のほかにいるわけがないからね。鳥は男の子がねらったらねらっただけ、一羽のこらず落ちて死んだ。
二日目もまたあのおじいさんがやってきて、パンをめぐんでくれといった。若者はおじいさんが自分で好きなだけとれるようにパンのかごをさし出した。おじいさんはパンをひとつとり、それから羊飼いにきいた。
「さあ、こんどはなにがほしいかな」
「やさしい神様、おいらはヴァイオリンがほしいんだけど、おいらがそいつをひくとそばにいる者はだれでも踊っちまうってのがいいな」
「ほら、これがそのヴァイオリンだ。わしはもうこれで行くとしよう。さらばじゃ」
神様は羊飼いにヴァイオリンをわたして立ち去った。
神様が行ってしまうとすぐに男の子はヴァイオリンをひいた。すると、そこらじゅうのものが、なにもかも、木も羊も踊った。
「今、あの修道士がくればいいのにな。あんなふとっちょが踊るのを見たいもんだ」と羊飼いはいった。
そこへ修道士がやってきた。修道士は鉄砲を見るとすぐにきいた。
「その鉄砲、だれにもらったんだ」
「神様がくれたのさ。だけどこいつはすごい鉄砲なんだぜ。こいつでおいらが撃(う)つ鳥はぜったい逃げられないんだ」
「おまえはそいつを盗んだんだな。だがいい、まあやってみろ、とにかくおまえのいうことがほんとかどうか見てやろう」
「そいじゃ見ててよ。おいらが撃つから落ちたところへいって鳥を拾ってきておくれよ」
話がそうきまると、羊飼いは一羽の鳥をねらい撃ちした。鳥はすぐいばらのしげみの中に落ちた。修道士はさっとかけていった。その間に男の子はヴァイオリンを手にとって陽気にひきはじめた。気のどくに、修道士は踊って踊って踊りまくった。いばらのとげがちくちく刺す。
「やめてくれ、もうたくさんだ」どんなに叫んでもむだだった。
男の子にとっちゃ、こんなにふとった太鼓腹の男が踊るのはなんともこたえられない眺めだったからね。
気がすむまで楽しむと、男の子はヴァイオリンをひくのをやめた。修道士は汗びっしょりになり、顔をひっかき傷だらけにしてもどってくると、
「このしかえしはしてやるからな」とおどした。それから自分の仕事をしに行った。そしてあの継母に会うと、男の子のひどい仕打ちのことを話した。継母はいった。
「まあ、私たちはあんなちんぴらにしてやられたっていうわけね。それじゃ私がなんとかしましょう。さあ、あの子のところへいこうじゃありませんか。でも、やさしくしてやらなくちゃね。でないと、ついてこないかもしれないわ。あの子を裁判官のところへつれていって、しばり首にしてもらうんですよ」
「そりゃいい。さすがですね、奥さん。それじゃ行きましょう」
二人が行くと、羊飼い君は木かげでうたいながら修道士のあの踊りを思い出してわらっていた。継母がいった。
「さあ、ぼうや、かあさんとおいで」
「行くよ」と男の子はこたえ、鉄砲とヴァイオリンをもって二人についていった。
途中でひとりの男に会った。この男は荷車に土鍋を積み、ロバにひかせて町へ行くところだった。男は継母や修道士と顔見知りだったので挨拶した。それから男の子がヴァイオリンをもっているのを見ていった。
「やあ、ぼうや、おまえのヴァイオリンをちょっとひいてみてくれんかね。もしひけたらの話だがね。そしたらわしはちょっくら踊ってみよう」
「ああ、いいよ」と男の子はこたえた。
修道士はまずいことになったと思った。いばらの中で踊ったことを思い出したからね。それでまた同じことが起って踊りたくもないのに踊らされるなんてことにならないようにと、自分のからだを木にしっかりしばりつけた。しばり終わったとたん、若者はひきはじめた。最初の音が鳴ったと思うともう、そこらじゅうのものが踊りだした。ロバも踊れば荷車も踊った。土鍋という土鍋がぶつかりあってこなごなに割れた。継母も踊った。荷車の男はのろ鹿のようにとびはねた。修道士もせっかくしばったのに、しばられたままあがったりさがったりしたから、哀れなおなかはえらく苦しい思いをするはめになってしまった。
「やめてくれぇ、殺さないでくれぇ」
とみんなはわめいた。ヴァイオリンはやっと鳴りやんだ。継母と修道士はそれまでだってこの男の子をひどく憎んではいたが、こうなったら十回でもしばり首にしかねなかっただろうね。
二人は裁判官の前に男の子をひっぱっていって、あることないことぜんぶこの子のせいにして訴えた。裁判官はしばり首の刑を申しわたした。絞首台につれていかれ、おおぜいの人を前にすると、男の子はあわてずに、どうか死ぬ前にせめてヴァイオリンをほんの少しひかせてほしいとたのんだ。その願いはききとどけられた。男の子は力いっぱいひきはじめた。すると、広場じゅうのものが踊りだした。死刑執行人は首も折れんばかりにとびあがった。その間に男の子はヴァイオリンをもって、大さわぎしている人びとの中を無事ぬけだした。だから、いまでもみんなはその子をしばり首にしようと待っているんだよ。
                                                                     (剣持) 
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