ポーランドでは各地方に「愚か村」「愚か町」があります。マゾフシェ(首都圏)地方であれば、それはワルシャワ近郊のグルエッツ、ルブリン(東部)地方なら、ヤギに蹄鉄をはかせるパツァヌフ、ヴェルコ・ポールスカ(西部)地方ではモシーナで、西部沿岸地方ではシャーヌフです。これらの町・村を舞台とし、たくさんの物語が生まれていますが、その笑いは、ここに住む人々を軽蔑し、さげすむことが目的ではなく、民族の持つ笑いとユーモアの心の発露であるでしょう。
最初の話では幾重にもなった笑いの層のうち、一見気づかれにくい点、——たとえば広場のまん中のコートまで教会を押してきても、教会は広場のまん中にはならぬことに、みなさんはお気づきになったでしようか? また、次の話では、昔のヨーロッパの町々が城壁に囲まれていたこと、町が始まる地点に、その印として、ちょうど踏切の遮断機のような境界棒があったことなどを思い描いてみてください。
→本文(シャーヌフの衆、新しい教会を建てること)
→本文(シャーヌフとコシャリンの町境はどうして決めた?)