話の中で重要な役割を果たしているものいう小鳥が、類話によっては美しいみどり色をしていることから、イタリアでは「美しいみどりの小鳥」としても知られる話です。
『千一夜物語』や、ストラパローラの『たのしい夜』などの文献にみられる話も、口伝えの話も、どれもたいへん長い語りになっています。ここに収めた話は、中では短いほうでしょう。全体として大きな違いがあるわけではありませんが、三つの呪宝探しの部分が他の話と少し違っていて、それがこの話の特徴といえるでしょうか。ほかの多くの話では、子どもたちは三人で、先に出かけた兄二人が石になり、最後に妹が成功して兄たちを助け出すことになっています。
ドメニコ・コンパレッティは他の研究者たちから資料の提供をうけて一八七五年に『イタリア民話集』を編みましたが、その中にみずから聞きとった話をいくつか収めています。この話はその一つで、語り手の名はあきらかにしていませんが、庶民の老女よりとしるしています。