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世界昔ばなし105

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:キツネとカワメンタイ  川岸のキツネがカワメンタイを見つけた。カワメンタイは身動きひとつしないで、石にへばりついていた。
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 キツネとカワメンタイ
                                                                          
川岸のキツネがカワメンタイを見つけた。カワメンタイは身動きひとつしないで、石にへばりついていた。
「カワメンタイ、おまえさんったらスイスイ泳げないんだってね。そんなところでねそべっているの? それとも眠っているの?」
ってキツネがいうと、
「とんでもない。おれのほうがおまえより速いくらいだよ」
ってカワメンタイがいったんだ。
「そんなほらをふいて。それじゃあ、川上までかけっこしようじゃないの。そうすればわたしのほうが速いってことがわかるわ」
カワメンタイがうなずくと、キツネが、
「いいこと、わたしは川の曲り角に着くたびに立ちどまっておまえさんを呼ぶから、そしたらおまえさんはじぶんがどこにいるかわかるように返事をするのよ」
っていった。カワメンタイは、
「いいとも、競走だ!」
っていったんだ。
そうときまって、ふたりはかけだした。キツネは岸を走り、カワメンタイは川の浅瀬をいった。ザワザワいう音があたりの森にした。
キツネはずるをきめこんだ。キツネはこの川がうねうねうねって流れているのを知っていた。ところがこの川には河口から川上までほとんどカワメンタイしか住んでいないってことは知らなかったのさ。カワメンタイの先を越そうというので、キツネはうねうねうねっている川にそって走らずに、まっすぐに川の曲り角めざしてかけだした。カワメンタイにひとあわふかせてやれってわけ。
カワメンタイのほうはというと、川上に向かってすこし泳いで隣のカワメンタイのそばにいくと、キツネとのいきさつを川上の仲間にはやく伝えてくれるようにたのんだのさ。キツネが、
「カワメンタイ、おまえさんどこにいるの」
って声をかけたら、
「ここだよ」
って答えるように、仲間みんなに伝えてほしいってたのんだのさ。
キツネはまだどこか遠くのほうをかけていたが、カワメンタイのほうは仲間うちですっかり打合わせができて、それぞれじぶんの持場でじっとキツネを待っていた。いつもアナグマをだまし、オオカミをだまし、獣という獣をだましているキツネのほうでは、こんどは「カワメンタイをだましてやりましょう」って思っていた。それで川の曲り角にくると声をはりあげて、
「カワメンタイ、おまえさん、どこにいるの」
って呼んだわけ。するとすこし川上にいたカワメンタイが、
「ここだよ」
ってこたえた。
キツネはまた森をまっすぐつっきってかけだすと、次の曲り角まできて、
「カワメンタイ、おまえさん、どこにいるの」
って声かけた。
「ここだよ」
やっぱりカワメンタイのほうが川上にいるじゃないか。あわてたキツネはますます速くかけだした。ところがいくら速く走り、いくつめの曲り角にきても、キツネが、
「カワメンタイ、おまえさん、どこにいるの」
って声をかけると、きまって川上でカワメンタイが返事をするんだよ。
それでもキツネはへこたれなかった。もっと近い道をえらんで、川上めざしてひた走りに走った。川がザワザワ音をたてていた。キツネは岸におりると、
「こんどこそわたしのほうが先だわ」
と思って、
「カワメンタイ、おまえさん、どこにいるの」
って、声かけた。
ところがカワメンタイは川底にねそべって、
「キツネやい、ここだよ! おそかったじゃないか」
ってこたえたんだ。
このときからさ。キツネがみんなからずると呼ばれ、この川がカワメンタイの川と呼ばれるようになったのは。キツネはどんな獣でもだますが、カワメンタイだけはだませなかったって話。
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