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世界昔ばなし107

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:貧乏じさまと物持ちじさま   ダ、ハジラチ貧乏じさまと物持ちじさまが住んでいた。貧乏じさまも、ばさまとふたり暮らし、物持
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貧乏じさまと物持ちじさま
                                                                           
ダ、ハジラチ……
貧乏じさまと物持ちじさまが住んでいた。貧乏じさまも、ばさまとふたり暮らし、物持ちじさまも、ばさまとふたり暮らしだった。貧乏じさまは食べるものも見つけられんのに、もうひとりの物持ちじさまのほうはなんでも手にはいった。魚も捕るわ、毛皮用の獣もしとめるわで、なんでもそろっていた。そんなわけで貧乏じさまはときどき物持ちじさまのところへ物乞いにいくありさまだったのさ。
あるとき貧乏じさまがばさまにいった。
「干した魚の卵をようくかんでくろ」
「また、また、どうして魚の卵なんかかむんだい」
とばさまがきくと、
「つべこべいわずにかめったら、かみな。このままでは腹がへって死んでしまうわい」
ばさまはいわれたとおり魚の卵をかんで、かんで、いくどもかんだ。
するとじさまが、
「うちには魚を捕る網ひとつない。これでは冬の間なにひとつ捕れはせぬ」
そういって、ばさまをつれて川岸へ下りると、氷に穴をあけたのさ。
ダ、ハジラチ……。
それからばさまはようくかんだ魚の卵を餌にして、魚を呼び寄せた。
「チョウザメやあい、こっちゃこい! カルーガやあい、こっちゃこい!」
すぐにカルーガ一匹、チョウザメ一匹、やってきた。ばさまはそれをバッツ、バッツ、たたいて、やっつけた。マスに、チョウザメ、それにカワカマス、いろんな魚をどっさり捕って、家にはこんだ。物持ちじさまはなんにも知らずよ。貧乏じさまはまたもや、なにやら考えて、出かけていった。こんどはじさま、どうするかって? こんどは遠くへいった。とことこあるくうち、がらくたを見つけた。どれだけ見つけたって? 雪の上だもの、どっさり見つかりっこないさね。じさまは雪の上でハマナスの赤い実ばっかり、いくつも取った。ハマナスの実は上のほうにあるもの。それからじさまは雪の上にごろりと寝ころんだ。がらくたと鍋をもって、寝ころんだ。ハマナスの実を口にも、目にも、鼻にも、耳の穴にもつっこんだ。そうしておいて、よこになって凍えそうになっていると、一匹のうさぎがやってきた。
うさぎはそばにやってくると、仲間を呼んだ。
「野っ原の仲間やあい! 森の仲間やあい!」
すると狐が一匹やってきた。狐がいうには、
「おや、まあ、凍えてるというのに、まだあんながらくたを持って、かわいそうなじさまだこと、あわれなじさまだこと。どうして死んだの? きっとハマナスの実ばかり食べて、死んだのね」
狐は仲間を呼んだ。
「野っ原の仲間やあい! 森の仲間やあい!」
するとたくさんのうさぎがやってきた。たくさんの狐がやってきた。黒てんも、りすも、いたちもやってきた。そして狐やら、いたちやら、いろんな獣たちがじさまの足やら手やらくわえて、じさまの家へ引っぱっていった。そしてうさぎも、黒てんも、りすも、みんなじさまの家の中にはいったのさ。
するとばさまがこういった。
「待っておくれ、まだ帰らないでおくれ。うちのじさまを助けてくれて、ここまで引っぱってきてくれて、ありがとうよ」
ばさまはそういいながら通気口も、窓も、煙出しも、すっかりふさいで、外に出られないようにしてしまった。そしてばさまが、
「これですっかり終わったよ」
というと、じさまがむっくり起きあがり、獣たちを一匹残らずポンポコたたいて殺してしまった。家じゅう閉めきってあるもの、逃げ場なんぞありゃあしない。じさまは一匹残らずやっつけた。
それからじさまはたいへんな物持ちになった。納屋には魚がどっさりあるし、毛皮はみんな加工して、ところせましとぶらさがっている。
するとそこへ物持ちじさまが隣のじさまをばかにしながらやってきた。貧乏じさまが物乞いにこないのをふしぎに思って、見にきたのさ。あやや、ここのじさま、えらい物持ちになったもんだ。毛皮もどっさりかかっているし、魚だってえらくたくさんある。
「ふうむ、いったいどうやって手に入れたんだ」
貧乏じさまはつつみ隠さず話した。
「こういうわけよ。まずばさまに魚の卵をかませて川へいき、ばさまとふたりして魚を捕った。それから今度はひとりで森へ出掛けていって、凍えたふりして、狐やら獣やらに家まで引っぱってきてもらったってわけ」
「よし、わしもやってみるべ」
と物持ちじさまがいった。
「そうとも、やってみるさ」
貧乏じさまはそういって、教えてやったのさ。
物持ちじさまは自分の家に帰ると、さっそく教わったとおり、ばさまに魚の卵をかませて、氷穴のあるところへいかせた。
「チョウザメやあい、こっちゃこい! カルーガやあい、こっちゃこい!」
するとカルーガがのぼってきた。じさまは欲かいて、あわてて自分のばさまをしこたまなぐって殺してしまった。カルーガもなにも、ただの一匹も捕れなかったとさ。
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