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世界昔ばなし115

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:三番目のいたずら息子むかし、三人兄弟がいて、上のふたりは性格もおとなしいうえ、勉強にも励み、科挙試験を受ける準備をしてい
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三番目のいたずら息子                                                                     

むかし、三人兄弟がいて、上のふたりは性格もおとなしいうえ、勉強にも励み、科挙試験を受ける準備をしていた。ところが三番目の末っ子はいたずら好きで、勉強なんぞそっちのけで毎日遊んでばかりいて、親に心配をかけていた。そんなぐあいだから、父親は上のふたりばかりかわいがり、末っ子のことはきらっていた。
ある日、父親は上の二人の息子を連れて都にのぼり、科挙試験を受けさせることにした。三番目のいたずら息子がついてくるとぐあいが悪いと思い、なんとかして気づかれずにこっそり出かける方法はないか、考えた。そこで父親は上のふたりの息子にこっそり旅の支度をさせ、夜明けに三人で家を出た。
ところが、しばらくあるいてうしろを振り返ると、末っ子が追いかけてくるじゃないか。三人はいそいであるいたが、それでも末っ子はしつこく追ってきた。こっちがゆっくりあるけば、むこうもゆっくりあるき、こっちが急げば、むこうも急ぎ足で追ってきた。
父親はしようがないやつだとあきらめて、末っ子のことは忘れて、足を運んだ。そして、木陰で一休みしようと思って立ち止まり、腰をおろした。すると末っ子もそばにきて腰をおろした。このとき父親は問題をひとつ思いついて、上の息子たちにきいた。
「日なたの松の木はからからにかわいてちぢれているのに、日陰の松の木はなぜよく伸びているのか」
という問題だった。上の息子ふたりは、
「おとうさん、それはもちろん、日なたは太陽に照らされるので、からからにかわいてちぢれ、日陰は湿り気がたっぷりあるので、生い茂っているのです」
と答えた。それを聞いた父親は、
「なるほど」
とうなずいて、正しい答えに満足した。ところがそれまで黙っていた末っ子が兄さんたちの答えを聞いて、横槍をいれた。
「とんでもない。そんなでたらめな答えがあるもんか。それならなぜ、日にあたる頭の髪がまっすぐ伸びているのに、日のあたらない陰毛がちぢれているんだ」
といった。父親は末っ子のいい分ももっともだと思ったが、いまさら末っ子のいい分が正しいともいえず、知らんぷりをしたまま旅を続けた。
やがて都に着き、しばらくいくと立て札が立っていて、おおぜいの人がそれを取り囲んで、読んでいた。三人の親子もそばにいって、立て札を読んだ。
「この度、科挙に応じる者はすべて、どこそこの、なになに宿に泊まるべし。その宿の主人と謎を三つ出し合って、正しい答えをしたものに限り、科挙に応ずる資格を与える」
と書いてあった。三人の親子はしかたがないので指示された宿を訪ねることにした。ところが末っ子はお金がないので宿の中にははいれず、門の外に座りこんだ。
しばらくすると、宿の主人が現れて、
「おまえさんはなに者だ」
とたずねた。すると末っ子は即座に宿の主人に、
「わたしはいまこの門を通って中にはいるか、はいらないか」
ときいた。あわてた宿の主人は、
「これは並大抵の子ではない。はいるといえば、はいらない。はいらないといえば、はいるだろう。いずれに答えても、間違いになることははっきりしている」
と考えた。それで、
「はいってこい」
とだけ答えた。おかげで末っ子はお金もないのに部屋にあがることができた。末っ子は喉が乾いたので、水を一杯頼んだ。末っ子は水のはいった器を手にすると、また宿の主人に向かって、
「わたしはこの水を飲むか、飲まないか」
と尋ねた。これも前の問いと同じで、いずれに答えても、相手次第で間違いになる。宿の主人はあきれて、それには答えず、
「よし、おれの負けだ。今度はおれから問いを出す。この家の裏に石仏が立っているが、その石仏の耳からうみが出て困っている。なにをつければ治るだろう」
といい、二度にわたって負けた分を取り戻そうというので、難題を出した。これまでだれもこの難題を解いた者はなかった。末っ子はしばらく考えるふりをしていたが、ふと思いついた様子で、
「そんなの、わけないさ。五、六月に藁の先に凍りついたつららを取ってきて、その耳につければ治るよ」
と、すまして答えた。あきれた宿の主人が、
「五月や六月に凍るつららなど、あるものか」
というと、末っ子はその答えを待ち構えていたように、
「そうとも。石仏の耳からうみが出るなんて、そんなむちゃな話があるもんか」
といった。けっきょく今度も宿の主人の負けになり、科挙に応じる資格を与えた。
ところで、兄さんたちの方もさかんに討論をしているさなかだった。末っ子は隣の部屋に泊まっている兄さんたちの問題に聞き耳を立てた。兄さんたちは宿の主人にこんな問題を出した。
「われわれの家には先祖代々伝わる品があります。それは鉄の敷物ですが、ちょうどその縁がはずれてしまいました。なにでそれをつないだらいいでしょう」
宿の主人はまた負けそうになった。宿の主人が答えられそうにないことがわかると、末っ子はすたすたと部屋にはいって、
「あなたはこの宿の主人としての資格がありません。わたしに権利を譲りなさい。わたしがあなたに代わって答えてやろう」
といい、宿の主人になり代わって、兄さんたちが出した難題に答えた。
「それはね、大きな砂でつなげばいいのさ」
すると兄さんたちは、
「でたらめいうな。大きな砂なんてものがあるか。たとえあったとしても、そんなもので鉄の敷物をつなげるわけがない」
といった。すると末っ子はその答えを待ち構えていたかのように、
「そうとも。この世に鉄の敷物などあるはずがない。そんなでたらめな問いは問題にはならないよ」
と答え、兄さんたちを黙らせてしまった。
こうして科挙の試験には末っ子だけが応ずることになり、合格して、末長く幸せに暮らしたという話だ。
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