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世界昔ばなし120

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:その四 これはわたし自身がトケビに化かされた話だ。ある日、鎮川の市に用事ができて、出かけた。久しぶりに友達にも会い、酒を
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その四

 これはわたし自身がトケビに化かされた話だ。
ある日、鎮川の市に用事ができて、出かけた。久しぶりに友達にも会い、酒を飲み、夜遅くなって家に帰るとちゅうだった。
わたしが鎮川弥勒仏の共同墓地付近にきたとき、大きな火の玉が目の前からふわっと飛びたったんだ。わたしはあやうく気を失うところだった。あたりがぱっと明るくなって、火の玉は前の方にすうっと動きだした。
わたしはその光をどんどん追いかけた。たんぼを抜け、野原をつっきり、山奥に分け入り、夜明けごろまで追いかけた。火の玉を追いかけている間はアスファルトのようないい道をかけているような感じだった。だけど、ほんとうはそうじゃなかった。アスファルトどころか、小川あり、野原あり、たんぼあり、山あり、険しい谷ありだった。
夜明けの四時頃だったか、わたしはとうとうばったり倒れて、いまにも死にそうだった。
そのとき、
「おじさん、おじさん」
という声がかすかに聞こえてきた。やっと我に返ると、水車小屋の前に倒れていた。着物は破れ、靴はなくなっていて、はだしだった。
わたしを起こしてくれたのは姪で、わたしがゆうべ家に帰らないので、みんなしてさがしに出たところだったんだ。
わたしは立ちあがることもできなかった。それで姪は家に引き返して、親類をつれてきて、わたしを家まで運んでくれた。
村の人たちがいうには、旧の六月や七月だったから命拾いしたが、これが冬だったら、きっと凍死していたはずだ。
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