忠清南道青陽の長谷里にかつての朴進士宅がある。ある晩、夜中にいきなり台所から器がこわれる音がしたと思うと、土間の板をカンカンたたく音がした。
それから馬が走る音がし、壺がこなごなに割れる音も耳が痛いほど聞こえてきた。ところが外に出て確かめてみても、なにごともない。そんな恐ろしい音が何日も続いたんだ。
ある晩のこと、その日もあいかわらずものすごい音がするので、この家のおかみさん(朴進士の妻)が前もって用意しておいた、火のはいった青銅の火鉢を持って外に出ると、それを庭のまん中に置いた。そしてあらかじめ覚えておいた呪文を唱えながら祈った。するとふしぎなことに、物音はぴたりと止んだ。それからはもうなんの音も聞こえてはこなかった。
ところが、このことがあって間もなくのこと、この家のおかみさんが気の毒に病気になり、名前もわからない病気でとうとうなくなってしまった。おまけに娘まで、しばらくして原因不明の病にかかって死んでしまったんだ。
それ以来、朴進士宅は廃屋になっている。村人はこれはきっとトケビかジトキの仕業に違いないといっている。
それから馬が走る音がし、壺がこなごなに割れる音も耳が痛いほど聞こえてきた。ところが外に出て確かめてみても、なにごともない。そんな恐ろしい音が何日も続いたんだ。
ある晩のこと、その日もあいかわらずものすごい音がするので、この家のおかみさん(朴進士の妻)が前もって用意しておいた、火のはいった青銅の火鉢を持って外に出ると、それを庭のまん中に置いた。そしてあらかじめ覚えておいた呪文を唱えながら祈った。するとふしぎなことに、物音はぴたりと止んだ。それからはもうなんの音も聞こえてはこなかった。
ところが、このことがあって間もなくのこと、この家のおかみさんが気の毒に病気になり、名前もわからない病気でとうとうなくなってしまった。おまけに娘まで、しばらくして原因不明の病にかかって死んでしまったんだ。
それ以来、朴進士宅は廃屋になっている。村人はこれはきっとトケビかジトキの仕業に違いないといっている。