慶尚北道青松郡府南面花場洞にトケビ橋と呼ばれるふしぎな石橋が、村の前を流れる川の上手(かみて)にかかっている。十二個の石がつながってできている橋で、全体に二十度から三十度ぐらい傾いている。川の水が少しでも増えればすぐに流されそうな橋なのに、いくら大雨や台風で洪水になっても、この橋だけはふしぎとその場所から動かない。
だが、ほんとうのところは動かないのではなく、洪水になると激流で八メートルも下(しも)に流されるのに、翌日になるとちゃんともとの場所にもどっているんだ。村の人たちが自分たちの目でしっかり見ているんだ。
そんなわけだから、村人たちは洪水で橋が流されると、夜のうちに共同墓地からトケビたちがおりてきて、もとの場所にもどしておくんだと信じている。だからこの橋をトケビ橋って呼ぶんだよ。
だが、ほんとうのところは動かないのではなく、洪水になると激流で八メートルも下(しも)に流されるのに、翌日になるとちゃんともとの場所にもどっているんだ。村の人たちが自分たちの目でしっかり見ているんだ。
そんなわけだから、村人たちは洪水で橋が流されると、夜のうちに共同墓地からトケビたちがおりてきて、もとの場所にもどしておくんだと信じている。だからこの橋をトケビ橋って呼ぶんだよ。