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世界昔ばなし129

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:ガチョウ飼いの娘とヤマンバ昔、ガチョウ飼いの娘がいた。ある日、ガチョウを山のふもとで遊ばせていたが、夕方集めて数えたら一
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ガチョウ飼いの娘とヤマンバ                                                                      

昔、ガチョウ飼いの娘がいた。ある日、ガチョウを山のふもとで遊ばせていたが、夕方集めて数えたら一羽たりない。あちこち捜しても見つからない。娘は、しかたなく残りのガチョウを追って帰り、囲いに入れると、また山に捜しに戻った。
娘が捜しながら歩いていると、山の上で鳴声がするようだ。声を頼りに捜したが、どうしても見つからない。こうしてどんどん捜していくうちに、大きな洞穴(ほらあな)の前に出た。
中をのぞくと、小さな女の子がガチョウの生肉をむしゃむしゃ食べている。その子は、ガチョウ飼いの娘にも、血の滴るガチョウの足を一本、投げてよこしたが、娘にはとても食べられなかった。
その子はガチョウを食べてしまうと、
「遊んでいってよ」
とせがんだ。
まつわりつかれて、しかたなく、ガチョウ飼いの娘は、しばらく一緒に遊んだ。その子は竹の腕輪をしていたが、ガチョウ飼いの娘の銀の腕輪が、キラキラ光って、自分のよりずっときれいなのを見て、
「とり換えて」
といった。ガチョウ飼いの娘は、断わった。
「わたしのは銀なのに、あんたのは竹だからとり換えない」
すると、その子はいった。
「換えてくれないと、母ちゃんを呼んで、おまえを食べちゃうよ」
ガチョウ飼いの娘はびっくりした。
「たいへん! ここは、おばあちゃんがいってたヤマンバの洞穴だ。ガチョウの生肉を食べてたこの子は、ヤマンバの娘だったんだ」
ガチョウ飼いの娘は、そこで考えなおして腕輪を交換し、今度は自分の方からいった。
「上着とひだのスカートもとり換えようよ」
こうして服をとり換えてしまうと、ガチョウ飼いの娘は、またヤマンバの娘と遊んだが、遊びながらも、洞穴の入り口から目を離さなかった。
ヤマンバは、食べものを捜しに出かけていたが、なんにも見つけられず、腹ぺこで帰ってきた。洞穴に銀の腕輪をした娘がひとりふえているのに気づくや、ヤマンバは、すぐさまおそいかかって食べてしまい、食べおわると、また出ていった。
ガチョウ飼いの娘はいよいよこわくなり、とにかく逃げ出そう、と考えた。おばあちゃんがヤマンバは足はえらく速いけど、ひどくまぬけだといっていたのを思い出して、娘は洞穴中の箸をみんな持った。逃げながら娘はしばらく行くごとに箸を一本ずつ落としていった。
ヤマンバが洞穴に戻ると、竹の腕輪をした娘の姿がない。ヤマンバは銀の腕輪を拾ってにおいをかいで、やっと誤って自分の娘を食ってしまったことに気づき、すぐにガチョウ飼いの娘のあとを追った。
ところが洞穴を出たとたん、自分の箸が一本、落ちている。ヤマンバは拾って洞穴に持って帰ると、また追いかけた。しばらく行くと、また一本箸が落ちている。また拾って洞穴に持って帰った。ヤマンバはこうしてなん度も行ったり来たりしたが、その足の速いこと。娘の手元の箸がなくなるとヤマンバはすぐ後ろに迫ってきた。娘はあわてて叫んだ。
「大きな岩山さん、助けて。ヤマンバに追われてるの」
たちまち岩山が崩れてきて、ヤマンバの行く手をさえぎった。
「ふん、岩山め、わざとあたしのじゃまをするんだね。よし、洞穴から鉄棒を持ってきて、おまえをどけてやる」
ヤマンバは急いで洞穴に戻ると鉄棒を持ってきた。岩山をどかすと、また鉄棒を置きに帰り、それからまた追いかけたが、娘はもうだいぶ先まで逃げていた。
ヤマンバの足は速い。どんどん追ううちにまた娘のすぐ後ろに迫った。娘はまたあわてて叫んだ。
「大きな木さん、倒れてよ。ヤマンバに追われてるの」
たちまち大きな木が倒れてきて、道をふさいだ。ヤマンバは洞穴にとってかえし、ナタを持ってきた。木を伐り、運びだして、道を開いた。ナタを洞穴に持って帰って、また追いかけた時には、娘はもう川のほとりまで逃げていた。
ガチョウ飼いの娘は、川に一艘(そう)の舟が浮かんでいて、二人の男がのっているのを見ると呼びかけた。
「おにいさん、助けて。ヤマンバに追われてるの」
二人は娘を船倉に隠してやった。たちまちヤマンバが追ってきて、川のほとりから二人にきいた。
「にいさん、娘が川を渡るのを見なかったかね」
「見なかったよ」
二人は答えた。
ヤマンバは川の中をのぞいて、水にぼんやり映る自分の姿を見ると、娘だと思っていった。
「水の中にいるんじゃないかい」
「そうだ、そうだ。早くもぐってつかまえなよ」
二人はわざと答えた。ヤマンバはもぐろうとしたが、からだがあんまり軽いもんで、どうしても沈まない。
「もぐれないよ」
というと、二人の男がいった。
「太い藤づるを捜してきて、大きな石を首にしばりつけたら、すぐにもぐれるよ」
ヤマンバはいわれたとおりにしてもぐり、それっきり水の中で死んじまった。二人の男は叫んだ。
「娘さん出ておいで。ヤマンバは川の中で死んじまったよ」
娘は二人に礼をいうと、喜んで家に帰って行った。
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