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世界昔ばなし131

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:兄と弟   昔、へんぴな山村に二人の兄弟が住んでいた。兄はらくをして、うまい汁を吸うことしか頭にない怠け者だったが、弟は
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兄と弟
                                                                           
昔、へんぴな山村に二人の兄弟が住んでいた。兄はらくをして、うまい汁を吸うことしか頭にない怠け者だったが、弟は勇敢で善良な働き者だった。父さん母さんがあいついで亡くなったあと、半年一年と日がたつうちに、兄は、年端もいかず力もない弟と一緒では自分が損をするばかりだと考えるようになった。兄は弟にいった。
「ネズミにはネズミの道があり、鳥には鳥の道がある。ネズミはネズミの道を通り、鳥は鳥の道を通る。おれたちも分家して、それぞれ暮らしをたてよう」
兄弟は、箸が二膳あれば、兄が一膳、弟が一膳、茶碗が二つあれば、兄が一つ、弟が一つと分けた。最後に牛が一頭残った。兄は、この牛を独り占めしようとして、ずるい手を考えて、いった。
「父さん母さんは、おれたちに牛を一頭しか残してくれなかった。だが、二つに切って半分ずつというわけにもいかない。刀をぬいて天地に誓いをたて、運を天にまかそう。おれは牛の頭をとって前に引くから、おまえはしっぽをつかんで後ろに引け。牛がおれについて来ればおれのもの、おまえについて行けばおまえのものだ」
弟は考えた。流れる水がくるりと向きを変えて山をのぼったりするもんか。でも兄さんと争ってもむださ。弟は計略と知りながら、したがうほかなかった。
はたして、牛は兄が引いていってしまい、弟の手には、牛のシラミが一匹残っただけだった。がっかりして、弟が地面でシラミと遊んでいると、ふいに大きなオンドリが一羽やって来て、シラミをついばんでしまった。弟はカッとなり、石を拾ってオンドリを追いかけた。これを見て、オンドリの飼い主がたずねた。
「おいおい、みなし子、どうしてうちのオンドリを追っかけるんだね」
弟は、財産分けした時、兄さんがズルをして牛をとってしまい、自分にはシラミ一匹しか残らなかったのに、そのシラミをオンドリに食われてしまったのだと話した。オンドリの飼い主は、弟にたいそう同情して、そのオンドリをくれた。
弟は、オンドリを父さん母さんの形見として大切に育てた。ところがある日、一匹の犬がとびこんで来るなり、オンドリの首にガブリとかみついて、そのまま逃げていった。弟が棒をつかんで追いかけていくと、犬の飼い主が見とがめてきいた。
「おいおい、みなし子、なんでわけもなくうちの犬を追いかけるんだ」
弟がひととおりわけを話すと、犬の飼い主もたいそう同情して、その犬をくれた。
弟は犬を手に入れると、毎日、犬に牛のように鋤をつけては、畑を耕すことを教えた。やがて犬は畑をすいたりならしたりできるようになり、一人前の助手になった。
ある日、弟が犬に鋤をつけて畑を耕していると、お昼になった。ちょうど犬と弁当をひと口ずつ分けあって食べているところへ、金を取引する商人の一行が通りかかった。商人たちはこの光景を見ると、ふしぎに思ってたずねた。
「お若いの、われわれはこんなとしになるまで生きてきて、ずい分いろんな場所にも行ったものさ。だが、どこでも犬は家の番をするもの。食べ残しの冷や飯をもらえば上等なのに、なんでこいつは御主人と一緒に食べてるのさ」
「広い世の中には、皆さんがまだご存じないことだって、たくさんあるんですよ。たとえばこいつは珍しい犬で、家の番をするだけでなく、畑も耕すんです」
弟がこう言っても、商人たちは信じようとせず、賭けをして、弟のいうとおりだったら、ざる一杯の金と銀を、全部弟にやろうといった。
弟はおもむろに犬に鋤をつけると、握り飯を前の方に投げた。すると犬は鋤を引いて前に進んだ。こうして行ったり来たりするうちに広い畑をすっかり耕してしまった。びっくりしてながめていた商人たちは、約束どおり弟に金と銀をくれた。
弟が金銀を手に入れたことは、すぐに兄の耳にも入った。兄は自分もひとつもうけてやろうと、弟のところに行った。泣き言をいって、犬を貸してくれるよう頼むと、もともと気のいい弟は、すぐに承知した。
翌日、兄は鋤をかつぎ、犬を引いて出かけ、畑の隅で商人たちが通りかかるのをじっと待っていた。昼になると、金銀を馬の背に積んだ一行がやって来た。兄はあわてて弁当を出すと、ひと口食べては、わざと犬にもひと口やった。商人たちはふしぎがってたずねた。
「世間では、収穫した穀物を最初に食べる時と新年には、まず犬に食わせる。これは犬が五穀の種を天から盗んで来たからだ。ふだんはご主人の残飯にありつけば、ありがたいというものだ。なのに、あんたはどうしてこの犬をこんなに大事にするんだい」
兄は弟に教えられたとおり話した。それからご飯を握って小さな握り飯をたくさんこしらえると、犬が畑を耕すのを、商人たちに見せようとした。兄は握り飯を一つまた一つと犬の前に置いていった。ところが犬は、握り飯に目もくれず、一歩も動こうとしない。商人たちは大笑いして行ってしまった。
兄はカンカンになって、犬を棍棒でめった打ちにし、まもなく犬は死んでしまった。弟は涙を流して犬を家の裏に埋めた。
するとふしぎなことに、三日目に犬の墓から一本の金の竹が生えてきて、やがて一面の竹やぶになった。弟は竹を切って巣箱を作ったり、編んで鳥かごにしたりして軒にぶら下げた。すると、雁やキジなどさまざまな鳥が飛んできて、弟のために卵を産んでいった。
兄はこの話を耳にすると、またずうずうしく竹をもらいに行った。弟は兄さんに、かってに竹を切ってくださいと言うよりなかった。
兄が竹やぶに入っていくと、無数の竹の葉が突然、毒虫に変わった。兄は驚いて赤くなったり青くなったり、全身あわ立った。腹立ちまぎれに、兄は一面の竹やぶを全部切りはらってしまった。
弟は涙ながらに竹をひと所に集めて焼くと、灰を畑に埋めた。取入れが近づくと、弟は山の上の自分の畑に行って、あわの番をした。そのうち腹が減って、のどが渇き、眠くなってきた。弟はあわをしごいて生のまま食べたが、食べているうちに両のまぶたが重くなって、岩の上に横になるなり眠ってしまった。
そこへサルの群れがやって来たが、弟の口元のあわ粒を見ると、ハエの卵が産みつけられているのだと思った。岩に横たわったままじっと動かないのは、死んでいるのに違いない。お供えにしようと、サルたちは弟をエッサカホイと、サル山にかついで行った。
弟がガヤガヤいう声にびっくりして目をさまし、そっと目をあけて見ると、サルにかつがれている。どうするつもりかと弟はじっと様子をうかがった。断崖まで来ると、サルたちは疲れてゼイゼイいって、弟を岩の上に置いて休んだ。弟がこっそりおならをすると、サルたちはにおいをかぎつけて、この死体は臭(くさ)いから崖から投げ捨てようといいだした。しかし頭(かしら)のサルが、とにかくサル山までかついで行こうといったので、皆はまた登り続けて、とうとうサルの洞穴に着いた。
弟がまたそっと目をあけて見ると、石のテーブルいっぱいに、金の茶碗、銀の皿が並んでいる。サルたちは、イノシシや黒クマを呼びに行くもの、ウサギやネズミを呼びに行くもの、ガマを呼びに行くものと、皆忙しそうにしている。やがてお客が次々にやって来て、祭りが始まった。ガマが祭司をかってでて、祭文を唱えた。
「我のものは我のもの、なんじのものも我のもの……」
弟は思わずふきだしそうになり、そっと目をあけたところをウサギに見られてしまった。するとウサギがガマに続けて祭文を唱え始めた。
「やがて死人はよみがえらん。イノシシと黒クマを無事に森に帰したまえ、ガナハー。ウサギを無事に山越えさせたまえ、ガナハー。サルの兄貴たちを無事に木に登らせたまえ、ガナハー。弟ネズミたちを無事に岩穴にもぐりこませたまえ、ガナハー。食いしんぼうガマを無事に……」
ウサギの祭文がおわらないうちに弟はガバとはね起きるや、長い刀をひき抜いて、切りかかった。イノシシと黒クマは森に逃げ込み、ネズミは岩穴にもぐりこみ、ガマは井戸に跳びこみ、ウサギは山を越え、サルは木にかけ登った。
弟は刀をひと振り、サルどもの尻を切り落とした。弟はサルの洞穴にあった金の碗や銀の皿をもち帰り、幸せに暮した。
兄は弟の暮しぶりを知ると、また弟のところに出かけていって、わけを聞いた。弟はすっかり話してやった。翌日、兄はどうしても弟のかわりに畑の番に行くと言いはった。畑で兄が弟と同じかっこうをしていると、弟がいったとおり、サルが現れて兄をかついで行った。
断崖に着いて、サルたちが休んでいるすきに、兄はこっそりおならをした。サルたちはまたけんかを始めたが、
「死体はくさいぞ、すてちまおう」
というのを聞くと、兄はたまげて思わず大声をあげた。
「やめろ!」
サルたちはびっくりして、いっせいに手を放すと逃げ出した。兄は万丈の断崖をころがり落ちていった。
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