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世界昔ばなし137

时间: 2020-02-18    进入日语论坛
核心提示:暗愚国の話 師匠と弟子がいた。旅の途中で羊飼いの女に会った。師匠がたずねた。「この先の国はなんと申す?」「国の名は暗愚国
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暗愚国の話                                                                

師匠と弟子がいた。旅の途中で羊飼いの女に会った。師匠がたずねた。
「この先の国はなんと申す?」
「国の名は暗愚国。王様の名はあんぽんたん」
「それはいったい、どういうことじゃ?」
「あの国では、なんでもかんでも一キロ二パイサ。バラの花も果物も、ラッドゥーやバルフィーのようなおいしいお菓子も、ただのピーナッツも、なんでもかんでも一キロ二パイサ」
師匠はそんな国には行くまいと決めた。しかし弟子の方は、
「なに、バルフィーも一キロ二パイサだって! それはまた、なんと素晴らしい!」
と舌なめずりをして、どうしても、その国へ行くと言い張った。そこで二人は言い争いになった。しまいに師匠は、
「そんなに行きたければ勝手に行くがよい」
と言い捨てて、一人でどこかへ行ってしまった。
弟子がその国へ行って見ると、なるほど、ラッドゥーもバルフィーも一キロ二パイサだ。弟子はたらふく食べて、二年の間にすっかり太り、毎日のらりくらりと暮らしていた。
ある雨の季節に、この暗愚国のあんぽんたんな王様の邸の壁が崩れた。知らせを聞いて、王様は崩れたわけをたずねた。
「しっかり作ってなかったので、崩れたのでございます」
さっそく左官が呼ばれた。
「どうしてそんなに崩れ易い壁を作ったのだ?」
「粘土のこね方が悪かったのでございます。だから煉瓦がしっかり積めなかったのでございます」
そこで、粘土をこねた男が呼ばれた。
「水運びの男が水を入れ過ぎたのでございます。だから粘土がうまくできなかったのでございます」
水運びの男が呼ばれて、縛り首にされることになった。しかし男は、縛り首にされる前に、どうしても言い分を聞いてもらいたいと申し出た。
「大臣が悪いのでございます。大臣がひどく大きな皮袋をくれたので、いつもより余計に水が入ってしまったのでございます。あっしにはなんの落度もございません」
大臣が呼ばれて、水運びの男にひどく大きな皮袋を渡したかどで、縛り首にされることになった。大臣はうまく言い逃れをすることができなかったので、本当に縛り首になりそうになった。
ところが、大臣の首は細すぎて、縛り首の縄に合わなかった。そこで王は家来に命じ、縛り首の縄に合いそうな太った男を探しに行かせた。
家来たちは、バルフィーだのなんだのをたらふく食って、すっかり太ってしまった例の弟子をたまたま見つけると、これ幸いとばかりに引っ捕え、王の前へ連れて行った。
弟子はすぐさま縛り首にされそうになったが、その前に一つだけ最後の望みをかなえてもらえることになった。
「死ぬ前にぜひとも一目お師匠さまに会わせてください」
師匠が呼ばれた。弟子が今にも縛り首にされそうになっているのを見ると、師匠は弟子のそばに駆け寄り、その耳に何事か囁いた。するとたちまち、師匠と弟子とは激しく言い争いを始めた。
「おまえたちは一体全体何をそんなに言い争っているのじゃ?」
「王様、今日という日は、死ぬには、誠にまたとない吉日なのでございます。だれであろうと、今日ただいま縛り首にされるものは、必ず天国に行って、帝王になれるのでございます。だから、二人で言い争っているのでございます」
「なんと申す。余はただの国王に過ぎぬというのに、そちたちは天国の帝王になれると申すのか」
王は羨ましくなって、
「よろしい、余が縛り首になろう」
と申し出て、本当に縛り首になってしまった。暗愚国の人々は、やっと愚かな王様がいなくなって、みんな、おお喜びをしたということだ。
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