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世界昔ばなし143

时间: 2020-02-20    进入日语论坛
核心提示:木こりとテーブルむかし、ある村にひとりの年とった男がいた。男はいつも森にでかけて木を伐り、背中にしょって帰り、たきぎを売
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木こりとテーブル                                                                      

むかし、ある村にひとりの年とった男がいた。男はいつも森にでかけて木を伐り、背中にしょって帰り、たきぎを売っては、その日の暮らしをたてていた。
ある日、木こりはいつものように、たきぎをしばる縄をかついで、森へでかけた。森の中の古い泉のところにさしかかったとき、木こりは、くたびれて、水の湧いているそばに腰をおろした。そして、おおきなため息をついた。
「おーふ!」
すると、泉の中から、白いひげをひざまでたらしたおじいさんが出てきた。
「オーフとは、わしのことかい」
おじいさんはたずねた。
「わたしはだれも呼んだおぼえはないが」
木こりはびっくりして、こたえた。
「なに、呼んだおぼえはないだと。おまえは、たった今、ここに座って、オーフ! といったじゃないか。『オーフ』というのはわしの名前だ」
「あんまり、暮らしがたいへんなもんで、つい、ため息がでちまって」
と木こりはあやまった。
「それにしても、やせているな。どこか、からだのぐあいでも悪いのか」
白いひげのおじいさんがきいた。
「どこも悪くはないんだが、たきぎがさっぱり売れなくて、うちのものがみんな腹をすかせている」
それをきくとおじいさんは、
「ちょっと、待っておいで」
といって、泉の中に入っていった。そして、すぐに、小さな木のテーブルをかかえて、あらわれた。
「おい、兄弟!
おまえにこれをあげよう。これは、ただのテーブルじゃあない。『テーブルよ、仕事にとりかかっておくれ!』というと、ひとりでにごちそうがでてくる。では、元気でな!」
そういうと、ひげのおじいさんは、また泉の中に消えてしまった。
木こりはテーブルをいったん袋にしまったが、ひと休みしてから、またテーブルをとりだして、小さい声でいってみた。
「テーブルよ、仕事にとりかかっておくれ!」
すると、ふしぎなことが起きた。テーブルの上にほかほかのパンや、鶏のまる焼き、それにぶどう酒がたっぷり入った水差しがあらわれた。
「うわー!」
木こりはおおよろこびで、腹いっぱい食べて、たらふく飲んだ。食べても食べても、つぎからつぎへと、ごちそうがでてきて、食べきれない。
「ありがとう、テーブル! もう、いいよ」
木こりがそういうと、食べものはみんな地面に消えていった。
木こりはテーブルを袋にしまいこんで、よろこんで家に帰った。扉のところでは、おかみさんが、お腹をすかせて待っていた。
「どうしたのよ、たきぎは」
「もっといいものを持ってきたんだよ」
木こりは家の中にはいると、袋からテーブルをとりだした。
「おい、すごいだろう。これはただのテーブルじゃあない。『テーブルよ、仕事にとりかかっておくれ!』というと、ごちそうがでてくるんだ。『もう、いいよ!』というまで、どんどんでてくるんだ。さあ、はやく、子どもたちを食事に呼んでおいで」
貧しい木こりの家族は、テーブルを部屋の真ん中において、みんなでそのまわりに集まった。
「テーブルよ、仕事にとりかかっておくれ!」
と父親がいうと、テーブルの上にパッとごちそうがあらわれた。パンや、鶏のまる焼き、それにぶどう酒がたっぷり入った水差しがでてきた。
「うわー!」
みんなはおおよろこびで、腹いっぱい食べて、たらふく飲んだ。食べても食べても、つぎからつぎへと、ごちそうが出てきて食べきれない。
どっさり食べると、木こりは、
「もう、いいよ」
とテーブルにいった。それから棚の上にしまって、おかみさんにいった。
「今晩、村のお大尽(だいじん)やえらい人を、みんな食事に呼ぼう。ひとつ、このテーブルで、みんなをびっくりさせてやろう」
その日の夕方、欲ばりのお大尽が、いちばんさきに木こりの家にやってきた。そして、きょろきょろ家の中をみまわした。ところが、火も、かまどもない。なにひとつ、料理もない。
「あれ、なんでこの男はわしらを呼んだのだ」
と、お大尽がぼやいた。
そのとき、木こりが入ってきて、お客の前にテーブルをおいて、また、部屋をでていった。ははーん、これは、ただのテーブルじゃないようだな、と思ったお大尽は、じぶんの召し使いに、そっと耳うちした。
「いいか、市場にひとっ走りして、これと同じようなテーブルをみつけてこい」
召し使いが部屋をでたとき、木こりがもどってきて、小さい声でいった。
「テーブルよ、仕事にとりかかっておくれ!」
すると、テーブルの上にごちそうが、どっさりあらわれた。ほかほかのパンや、鶏のまる焼き、おおきな魚や、果物、それに上等のぶどう酒もでてきた。
「おう!」
みんなはおおよろこびで、腹いっぱい食べて、たらふく飲んだ。食べても食べても、つぎからつぎへと、ごちそうがでてきて食べきれない。
お客は、おいしいごちそうを食べて、まんぞくして、長いすにごろりと横になった。
「ありがとう、テーブル! もう、いいよ」
木こりはテーブルを、もとの棚の上にかたづけた。みんなは、長いすの上で、のんびりとコーヒーを飲みだした。
そのとき、お大尽の召し使いが、市場で買ったテーブルをかかえて部屋にはいってきた。木こりの家の中は、あかりがうす暗くて、みんなは、男がなにをもってきたのか見えなかった。お大尽は、すばやくテーブルをうけとり、棚の上のテーブルとすりかえてしまった。
「やあ、今夜はすっかりごちそうになった。もう遅いから帰るとしよう」
お大尽が立ちあがると、お坊さまも、金持ちの商人(あきんど)も、みんな、われさきにと帰って行った。
あくる日、お昼どきになったので、木こりは家族を呼んで、テーブルのまわりに座った。
「お腹がぺこぺこだ!
テーブルよ、仕事にとりかかっておくれ!」
ところが、なにひとつ、ごちそうがあらわれない。木こりは、だいじなテーブルをすりかえられたことに、気がついた。
木こりとおかみさんは、もう、話をする力もなくなって、ぺたりと坐りこんだ。
あくる日、木こりは斧と縄を持って、また森にでかけた。木を伐り、背中にしょって、あの泉のところにやってきた。木こりは木を肩からおろして、泉のそばに腰をおろした。
「おーふ!」
また、ため息がでた。
すると泉の中から、また白いひげのおじいさんがでてきた。
「どうして、わしを呼んだのだ」
木こりは、ゆうべのことを、おじいさんに話した。おじいさんは、だまってきいていたが、
「ちょっと、待っておくれ」
といって、泉の中に入っていった。そして、すぐにろばをひいてあらわれた。
「おい、兄弟! おまえにこれをあげよう。これは、ただのろばじゃあない。『ろばよ、仕事にとりかかっておくれ!』というと、ひとりで畑を耕してくれる。おまえは、ろばの後から歩いて、ろばがばらまく金貨を拾うがよかろう。さあ、ろばをひいて帰るといい。では、元気でな!」
おじいさんは、ろばの手綱(たづな)を木こりにわたすと、また泉の中に消えてしまった。
木こりはろばをひいて歩きだした。家に帰る途中に丘があったので、さっそくろばをためしてみた。白いひげのおじいさんのいうとおり、ろばは金貨をまきながら地面を耕しはじめた。木こりは金貨を拾い集め、ひと風呂あびようと浴場にいった。浴場の主(あるじ)が、ろばを見ていった。
「やあ、えらく立派なろばじゃないか」
「これは、ただのろばじゃあない。『ろばよ、仕事にとりかかっておくれ!』というと、ふしぎなことが起きるんだ。だが、わたしが風呂からでてくるまで、このろばに手を触れないでくれ」
木こりは、そういって風呂に入った。
浴場の主は、ろばがどんなことをするのか、ためしてみたくなった。それで、
「ろばよ、仕事にとりかかっておくれ!」
と、いってみた。すると、ろばは金貨をまきながら地面を耕しはじめた。金貨は、すぐに、バケツにいっぱいになった。
浴場の主は、すばやく、じぶんのろばをつれてきて、ふしぎなろばとすりかえてしまった。
木こりは風呂からでてくると、ろばをひいて歩きだした。
しばらくすると、木こりは、市場にまわって、何か買って帰ろうと思いついた。そこで、ろばに金貨をだしてもらうことにした。
「ろばよ、仕事にとりかかっておくれ!」
ところが、ろばはじっとしたままで一歩もうごかない。一枚も金貨がでてこない。木こりが何回くりかえしても、ろばはじっとしているばかり。木こりはだいじなろばが、また、すりかえられたのに気づいて、急いで森の中の泉にもどった。
「おーふ! おーふ! おーふ!」
泉から、白いひげのおじいさんがあらわれた。
「どうして、わしを呼んだのだ」
木こりは、たった今、市場でおきたことをおじいさんに話した。おじいさんは、また泉の中に入って、こんどは重い鉄の棒をかかえてあらわれた。
「どうやら、おまえは少し考えがたりないようだ。いいか、これは、ただのこん棒じゃあない。『こん棒よ、仕事にとりかかっておくれ!』というと、こん棒がひとりで動きだす。おまえが『やめろ!』というまで、とまらない。では、元気でな!」
おじいさんは、それだけいうと、水の中に消えてしまった。
木こりは、こんどは寄り道をしないで、急いで家に帰り、おかみさんにいった。
「今からお大尽のところにいって、しかえしをしてくる」
木こりはこん棒をかかえて、まっすぐ、お大尽の家に行った。
「また、なにかいいものをもってきたようだな」
と、お大尽がよろこんでたずねた。
「こんどは、こん棒ですよ。でも、気をつけてくださいよ。ぜったいにいっちゃいけませんよ。『こん棒よ、仕事にとりかかっておくれ!』なんてことは……」
木こりが、ちょっと部屋をでたすきに、お大尽は、さっそく、こん棒にいいつけた。
「こん棒よ、さっさと仕事にとりかかれ!」
すると、こん棒がかってに動きだし、ぽかぽか、お大尽をなぐった。
「た、たすけてくれ! こん棒がわしを殺す!」
お大尽のさけび声を聞いて、木こりがやってきた。
「おい、なんとかしてくれ」
木こりは、こん棒に、
「やめろ!」
といった。
「テーブルは返すから、このこん棒を持って、さっさとわしの目の前から消えてくれ!」
木こりは、白いひげのおじいさんからもらった、だいじな贈りものをかかえて、こんどは浴場に行った。浴場の主は、ちょうど、お湯をわかしていた。木こりは、こん棒を壁にたてかけて声をかけた。
「やあ、だんな」
主(あるじ)は木こりの顔をみてぎくっとしたが、知らんふりをした。すると木こりがいった。
「これはただのこん棒じゃないんで、ぜったいにいっちゃいけませんよ。『こん棒よ、仕事にとりかかっておくれ!』なんてことは……」
浴場の主は、木こりがいなくなるとこん棒を使ってみたくなり、
「こん棒よ、さっさと仕事にとりかかれ!」
といった。とたんに、こん棒がかってに動きだして、ぽかぽか、主をなぐった。
「あれえ……!」
主は、こん棒のいきおいがあんまりすごいので、こわくなって逃げまわっているうちに、熱い湯が入っている風呂釜の上によじのぼってしまった。
「あちち、ち、ち! た、たすけてくれ! こん棒に殺される!」
さけび声を聞いて、木こりがやってきた。
「おい、なんとかしてくれ」
木こりは、こん棒に、
「やめろ!」
といった。
浴場の主は、やっとのことで風呂釜の上からはいだしてきた。
「ろばは返すから、このこん棒を持って、さっさと、わしの目の前から消えてくれ!」
こうして、木こりは、白いひげのおじいさんからもらった贈りものを、みんなとり戻した。
木こりがそれからどんな暮らしをしたかっていうと……。
毎日、ふしぎなテーブルで家族そろって食事はできるし、ろばが畑を耕して金貨をだしてくれるから、なにも不足のない暮らしだって。
それに、欲の深い人が、世の中にはけっこういるんで、オーフじいさんにもらった鉄のこん棒も、ずいぶん役にたっているって話だよ。
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