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世界昔ばなし145

时间: 2020-02-20    进入日语论坛
核心提示:亀とウサギ 昔のこと、亀がウサギのところを訪ねていって、こう話しかけた。「ねえ、ウサギさん、わたしと一度競走してみないか
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亀とウサギ                                                                       

昔のこと、亀がウサギのところを訪ねていって、こう話しかけた。
「ねえ、ウサギさん、わたしと一度競走してみないかい?」
ウサギは馬鹿にした顔で笑った。
「おいおい、亀くん、ぼくと駆けっこをしようだなんて、正気かい?」
亀は答えた。
「もちろん正気さ。本当に競走をしてみたいんだよ。さあ、その気があるのかないのか、はっきり答えてもらいたいな。その気がないなら、嫌だと言ってくれてかまわないけれど、ぼくは真剣なんだ。そこをようく考えてくれないかい」
ウサギは迷った。困ったものだな。亀みたいに足ののろいやつと競走するなんて、こけんにかかわる。どうしたらいいだろう……。だがウサギは心を決めた。まあ、いいか、こいつの頼みをきいてやったところで、大して害にもなるまいし、かけっこをしてみたいというのなら、相手をしてやろうか。
こうして亀とウサギは競走することになり、二人は日取りを決めた。ウサギのほうは、競走のことなどまるで気にもかけないで、仕事にでかけた。けれども亀は、親類中にその話をしてまわり、競走の日には走れるように用意しておいてほしいと、みんなに頼みこんだ。
さてかけっこの当日、亀は朝早くに起き出して親類の亀たちを呼び集めると、走る道筋に、一定の間隔で隠れているように頼んでおいた。
さて出発の時間がきた。ウサギは全力を出して走ることもないかと考えた。亀がどんなに頑張ったところで、ウサギにかなうはずがないからだ。
競走が始まった。ウサギはのんびり気楽に走った。しばらくして、もう十分に引き離しただろうと思い、立ち止まると後ろを向いて声をかけてみた。
「亀くん、まだついて来ているかい?」
するとその近くに隠れていた親類の亀の一匹が「ええ、すぐ後ろに居ますよ」と答えるではないか。
ウサギはびっくりした。ぼくの耳はどうかしてしまったんだろうか。亀がここまでついてこれるはずはないんだが……。
ウサギは気を取りなおして、今度はもっと早く走り始めた。それからしばらくたって、ひと休みしたくなり、また呼びかけてみた。
「亀くん?」
ところがどうだろう、またその近くに隠れていた亀が出てきて、
「ぼくはここに居るよ、ウサギさん」と答えるではないか。
ウサギはすっかりあわててしまって、今度という今度は力一杯の速さで走りだした。こんなに速く走ったことは今まで一度もなかったほどの速さで、足がほとんど地面に着かないほどだった。こうしてウサギはゴールまで半分のところにきた。
「亀くん?」
ウサギははあはあとあえぎながら声をかけた。
ところが、その近くに隠れていた亀が、
「なんだい、ウサギさん」と、また答える。
こいつは一体どうなってるんだ! ウサギはわけがわからないまま、また走り始めた。それからは途中で立ちどまって声をかけることもせず、ただひたすらゴール目指して走り続けた。やがてウサギはゴールにとび込んだが、その時は「亀くん?」と尋ねる力さえなくなっていて、ばったりと倒れるとそのまま死んでしまった。こうして競走は、亀の勝ちということになったのだそうな。
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