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世界昔ばなし148

时间: 2020-02-20    进入日语论坛
核心提示:悪童サンバ  昔、ここにあった話。悪童サンバは土曜日に生まれ、日曜日に大きくなった。木曜日には牛の仲買いをしていた。ある
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悪童サンバ
                                                                          
昔、ここにあった話。
悪童サンバは土曜日に生まれ、日曜日に大きくなった。木曜日には牛の仲買いをしていた。
ある日、サンバの兄が旅に出ることになった。彼らの父はすでに死んでいた。彼らの母は妊娠していた。彼らがもっていた雌馬も妊娠していた。彼らの犬も妊娠していた。
さて、サンバの兄は旅にでようとしていた。兄はサンバにいった。
「あそこに雄ヤギがいる。お母さんが子供を生んだら、あの雄ヤギを殺して、お母さんに食べさせなさい」
兄はまたいった。「納屋には落花生の殻がいっぱいはいっている。もし、雌馬が子供を生んだら、子馬が草を食えるようになるまで母馬に落花生の殻を与えなさい」兄はまたいった。「犬が子を生んだら、ヌカを食べさせなさい」
さて、悪童サンバ。
母親が子を生んだ。サンバは母親にヌカを持っていった。母親は、
「私はヌカなんか食べないよ」といった。
サンバは母親をつかまえると、殺した。
雌馬が子を生むと、サンバは雄ヤギをつかまえ、殺して、肉を雌馬に与えた。雌馬は唇をそりかえらせて、肉を食べようとはしなかった。サンバは雌馬を殺した。
雌犬が子を生んだ。サンバは雌犬に落花生の殻を与えた。犬は食べようとしなかった。サンバは雌犬を殺した。
さて、その後。
サンバは赤ん坊に水を汲んでこいといった。赤ん坊はまだ目も見えなければ、耳も聞こえない状態だったので、水を汲みにいこうとはしなかった。サンバは、赤ん坊を殺した。
サンバは子犬たちを呼んだ。サンバは子犬たちを集めると、これから狩りにいくといった。そして走りだし、子犬たちを呼んだ。しかし、生まれたばかりの子犬たちは走ろうとはしなかった。サンバは子犬たちを殺した。
サンバは子馬に鞍をのせた。子馬は鞍の重みに耐えられず、地面に倒れた。サンバは子馬を殺した。
サンバの兄、スーナが帰ってきた。兄は尋ねた。
「お母さんはどこだ」
サンバは答えた。
「僕が殺したよ」
スーナ「雌馬はどこだ」
サンバ「僕が殺したよ」
スーナ「雌犬はどこだ」
サンバ「僕が殺したよ」
スーナはいった。「この家は全滅だ。旅に出よう」
こうして二人は旅に出た。長い間歩いた。サンバとスーナはライオンが眠っているところに出くわした。二人はそこにしばらくいた。どうすればそんなところにキセルを置き忘れてくるのか知らないが、とにかく事実は、サンバはライオンのすぐそばに自分のキセルを置き忘れてきた。サンバとスーナは長い間あるいていたが、サンバがいった。
「僕はキセルを忘れてきた」
スーナはいった。
「放っとけ。もうひとつ買ってやるよ」
サンバは答えた。
「これでキセルが二本になった」
スーナはいった。
「もうひとつ買ってやるよ」
サンバは答えた。
「あっ、これでキセルが三本になった」
スーナはいった。
「(そんなことをいうのなら)ライオンのところにもどって、自分のキセルを取ってこい」
サンバはいった。
「ふん! スーナ、もし草や砂ぼこりが舞い上がるのを見たら、尻に帆かけて逃げるがいいぜ」
サンバはライオンのところにもどっていった。しばらくすると、スーナは砂ぼこりが空に舞い上がり、それがだんだんこちらに近づいてくるのが見えた。
サンバはライオンのところにもどったが、ライオンはまだ眠っていた。それを見ると、サンバは大きな平手打ちを一発くらわせた。そしてキセルを取り戻した。ライオンはとびあがるとサンバを追いかけた。ライオンは長い間サンバを追いかけた。
スーナは砂ぼこりがだんだん近づいてくるのが見えた。
ライオンがまさに二人にとびかかろうとしたとき、鷹が一羽舞い降りてきて、二人を背に乗せて舞いあがった。知ってのとおり、鷹の尻は少し赤い。サンバは鷹の尻が赤いのを見ると、スーナにいった。
「この尻に針を一本さしてやろう」
スーナはいった。
「それはいかん。してはだめだ」
サンバはいった。
「いや、僕はさすよ」
サンバは針をさした。サンバが針をさすやいなや、鷹は二人を放り出した。二人とも背中から落ちた。そして死んだ。
しかし、すぐに二人とも生き返った。
スーナはサンバにいった。
「もうこうなったら別れよう。いっしょに生きることなんかとてもできない」
二人は別れた。
スーナはある村に行くと、そこで牛飼いになった。スーナは朝起きると、老人を背に負い、野原に行って野鳥の卵を集めたり、ホロホロ鳥を取ったりして、それらをすべて袋の中に入れては村に帰るのだった。
一方、サンバは日の昇らない村に着いた。この村は、なぜ日が昇らないかというと、鳥が太陽を隠してしまうからだった。雄鶏が時を告げようとしたとたん、再び夜になってしまうのだった。(これがつくり話というものだ。)
サンバは太陽を隠していた鳥たちを一羽残らず皆殺しにした。それで、その村は再び日が昇りはじめた。村人たちはサンバにいった。
「何でも欲しいものをいってください。あなたがほしいとおっしゃるものは何でもさしあげます。あなたはわたしたちにとって、じつにありがたいことをして下さったのですから」
サンバはハエで作った料理が欲しいといった。村人たちは右往左往してハエを集めた。
さてその後、サンバは兄のスーナに会いにいくといった。会いにいくと、スーナはある老人の牛飼いになっていた。サンバはスーナにいった。
「今日は兄さんに代わってやる」
そして、サンバは老人を背に負い、野原に出た。サンバは蛇を見つけると袋に入れた。毒の強いソホレという蛇を見つけると袋に入れた。サソリを見つけるとこれも袋に入れた。サンバは老人を背負っていたが、あるところに来ると、
「あんた、いいかげんにおりたらどうなんだ」
といって、老人を放り出した。
サンバは村にもどった。村人はサンバに尋ねた。
「老人はどこにいったの」
サンバは答えた。
「老人? あの人は夕方のお祈りをしているよ」
サンバは村に着くと、袋を地面に置いた。知ってのとおり、子供というものは好奇心が強いものだ。それに、袋の中にはホロホロ鳥や卵が入っているものと思い込んでいるものだから、子供たちは袋の中に手を入れた。子供たちは、
「痛い!」
と叫んだ。
しばらくして、村人たちはサンバに尋ねた。
「老人はどこにいるんだ」
サンバはいらいらして答えた。
「いい加減にほっといてくれ。老人なんて、見たことも聞いたこともないね」
村の人達は袋の紐をといて中のものを出した。すると蛇がたくさん村の中をはいまわり、村の人は一人残らず野原に向かって逃げ出してしまった。
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