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世界昔ばなし149

时间: 2020-02-20    进入日语论坛
核心提示:まじない師とバッファロー昔、大平原にインディアンの村があった。村人は猟に鉄砲を使っていたが、同時に弓矢も使っていた頃の話
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まじない師とバッファロー                                                                      

昔、大平原にインディアンの村があった。村人は猟に鉄砲を使っていたが、同時に弓矢も使っていた頃の話だ。大変暑い夏の日のこと、いつもだったらバッファロー(アメリカ野牛)の大群がやってくるのに、その年はこなかった。やっと数頭が見つかったが、それだけでは村人の食糧を満たすことができず、村は餓死の危険にさらされた。村人たちは心配になり、まじない師を訪ね、
「このままでは食べ物がなくなってしまう。大平原に霜がおり、雪も降ってくる。そうなったら、おしまいだ。どうか仲間たちを助けてくれないか」
とお願いした。すると、まじない師は、しばらく考えこんでから、こう答えた。
「南のほうに入り口を向けて、柵をつくりなさい。私は明日の朝早く、バッファローを呼びに出かけるので、八人の男たちをお供につけてくれ」
翌朝早く、まじない師は、「偉大なる精霊」に祈るためのパイプを持って、ティピィ(バッファローの皮でつくった円錐形のテント小屋)から出てきた。彼は八人の男たちを連れて、南に向かって出発した。しばらくして太陽がかなり昇ったころ、彼らはバッファローの足跡を見つけた。
まじない師はパイプを取り出して、「偉大なる精霊」に熱心にお祈りを捧げた。パイプをふかしながら唱えごとをし、それが終わると、男たちに言った。
「さあ、村に戻ろう。だが、絶対にうしろをふり向いてはいけない。うしろで物音がしても、柵に着くまでは、ふり向いてはいけない」
男たちはまじない師のいったことを守り、歩いて帰っていった。
やがて、うしろのほうで何か大きな動物の動く音がきこえてきたが、彼らは歩き続けた。途中、バッファローの糞がたくさんある所を通り過ぎた。やっと柵囲いの入り口に着いたので、彼らはうしろをふり向いた。なんと、バッファローの群れが、まじない師たちを追うようにやってきたのだ。駆けてきたのではなく、堂々と歩いてきたのだ。しかも、ふしぎなことに、先頭にいるバッファローが地面に落ちている糞を通り過ぎるたびに、それが新たにバッファローになった。乾いていた糞が、また一頭、また一頭、バッファローの命となって蘇ったのだ。こうして、バッファローの群れが、囲いの中に入った。
すると、まじない師は、
「囲いの中だから、バッファローは簡単にしとめられるはずだ。弓矢とナイフだけで十分だ。鉄砲は絶対使ってはならんぞ」
といって、あとは黙ってティピィの中に入ってしまった。
囲いの中には、たいへんりっぱな牡のバッファローがいた。これが、群れのリーダーだった。村人が矢を射ても、このバッファローにはなかなか当たらなかった。それどころか、柵を飛び越えようとした。これを見た一人の男が、なんとかして射止めようと、鉄砲を取り出してしまった。まじない師がいったことを、すっかり忘れてしまったのだ。ついに、男が一発撃った。すると、どうだ。そのバッファローが倒れると同時に、ティピィの中にいたまじない師もバタッと倒れて、死んでしまった。
まじない師は、創造主の使いである「偉大なる精霊」と、約束をかわしていたのだった。人間が、決してバッファローより強くなるようにはさせないということを。弓矢を使う限り、バッファローと人間は対等だが、鉄砲を使ったために、この関係はくずれてしまったのだ。そのために、人間は「偉大なる精霊」のめぐみであるバッファローを大量に殺してしまった。その結果が、どうなったか、おわかりだろうか……。
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